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酔わない乾杯を盛り上げたい。コロナ禍を経た新たなチャレンジ

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あえてお酒を飲まないライフスタイル、ソバーキュリアスが支持を広げ、ノンアル・低アル市場が活況です。いよいよ専門のブリュワリーも鳥取県に登場。特殊な酵母を使った、ビール好きもうなるその自信作とは?

目次

地域活性化の新たなステージに

「仕方なく選ぶノンアルではなく、美味しいから、カッコいいからこそ選ぶノンアルビールが欲しかった」と話すのは、ノンアル・低アルビール専門のブリュワリーを立ち上げたトリクミの社長、古田 琢也さん。

ソトコトの読者であればすでにご存知かもしれない、鳥取県八頭町を盛り上げてきた地方創生のイノベーター(過去記事はこちら)。地産地消のカフェレストランや廃校を利用したコミュニティ施設の設立・運営などの次に、新たなステージとして取り組み始めたのが、このノンアルビール事業です。

8月中のブランドリリースを目指す古田さんに、日本では珍しいという醸造方法で作られた低アルクラフトビールについて教えてもらいました。

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株式会社トリクミの代表、古田 琢也さん

美味しく楽しくカッコよい、ノンアルを

古田さん:本事業を始めたのは、経営する飲食店でノンアルビールを注文するお客さんが増えたことと、八頭町に名産品がほしいと思ったからです。コロナ禍を経験し、外から人を呼ぶだけではない新たな地域産業の必要性を強く感じました。

古田さん自身がアルコールに弱く、お酒に対して強いコンプレックスがあったのも理由のひとつだそう。無理してお酒を飲んでは吐くという失敗を繰り返してきたからこそ、冒頭の「美味しいから、カッコいいからこそ選ぶノンアルビールが欲しい」という強い想いへとつながっています。

ノンアル・低アル専門のブリュワリー開設

ブランド名は「CIRAFFITI(以下、シラフィティ)」。ビールのようにホップの香りや苦味を感じつつ、多様なスタイルや個性豊かな味わいを目指し、約1年前から専門のブリュワリーを八頭町に開設するために奔走してきました。
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工事が進むシラフィティの醸造設備
古田さん:国内初であろう専門のブリュワリーをわざわざ作ったのは、酒税法による制限などもあり、自分たちが本当に美味しいと思えるノンアルビールをつくるのに不可欠だったから。同じ鳥取県にあるAKARI BREWINGの醸造家、清部 直樹さんにアドバイザーを務めてもらい、醸造設備の整備とレシピ開発に勤しんできました。
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発酵してもアルコールを発生しにくい特殊な酵母

シラフィティでは発酵してもアルコールが発生しにくい特殊な酵母を採用。さらに試行錯誤を重ねた独自製法により、ホップのうまみや香り、苦味がしっかりとあるアルコール度数0.5%の低アルコールビールを実現しています。

古田さん:日本ではあまり一般的ではないアプローチでレシピ開発をしたのは、「なんちゃってビール味」にはしたくなかったから。ただ発酵を抑えたり、麦芽を減らしただけでは得られない、本物のビールと同様の苦味やボディ、味の深みが出せたと思っています。

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麦やホップが豊富で低アル、美容や健康に期待大

バラエティ豊かなクラフトビールを楽しむように、個性や味わいの異なる3種類から選べるシラフィティ。
いちばんの自信作は「SESSION IPA」で、原料は基本的に水、ホップ、酵母、麦のみ。香料や甘味料には一切頼らずに、IPAならではの心地よい苦味とホップの香りが楽しめるのだそう。

コリアンダーやオレンジピールを加えた「Sour Ale」は柑橘系のような酸味が特長、「Belgian White」は甘酸っぱい小麦の味わいにコリアンダーなどハーブの香りが効いた白ビールスタイルです。

どのビールもなるべく自然素材を使い、カロリーも通常のビールと比べ半分以下と健康的。麦やホップ、酵母の栄養素による健康や美容効果を期待してビールを選ぶ人もいますが、低アルであれば肝臓に負担をかけることもなく安心です。いずれ完全なノンアルビールの開発にも取り組んでいくそうなので、期待したいですね。

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クラウドファンディングで先行予約販売された3本セット
「ゆくゆくは麦やホップ、副原料のフルーツなども地域で生産したい」と話す古田さん。農家と相談して耕作放棄地を再利用するなど、八頭町の特産品として育てていきたいと考えているそうです。

記録的な暑さが続く今夏、キンキンに冷えたビールが欲しくなりますが、低アルなら平日昼間から飲んで涼むことも。本格的で個性的な低アルクラフトビールの登場で、ますますソバーキュリアスが広まりそうですね。

▼発売時期や商品の詳細はこちら
https://torikumi.co.jp/

文/時津 木春

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