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サスティナビリティ

パーマカルチャー実践者に聞く、すぐに始められるパーマカルチャー的行動6例

鍋田ゆかり

鍋田ゆかり

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「パーマカルチャー・デザイン・コース(以下PDC)」では、パーマカルチャーについての知識と体験を得ることができます。PDCで学んだ受講生たちにとってのパーマカルチャーとは何なのか、パーマカルチャーをどのように捉えたのか。その世界観について聞いてみました。記事を読んだ人が、今すぐに始められるパーマカルチャーについても紹介します。

パーマカルチャーについての記事
「パーマカルチャー」って知ってる? 消費者から創造者になって循環する生き方
パーマカルチャーに魅せられ、消費者から創造者になった3人の暮らし

目次

十人十色、それぞれのパーマカルチャー

PDC講師である、本間・フィル・キャッシュマンさん、カイル・ホルツヒューターさん、ソーヤー・海(かい)さんにとってのパーマカルチャーについては、【「パーマカルチャー」って知ってる? 消費者から創造者になって循環する生き方】の記事で紹介しました。ここでは、受講生たちにとってのパーマカルチャーとは何かを聞いてみました。

2023年に鴨川で開かれた、PDC7期生たち。
2023年に鴨川で開かれた、PDC7期生たち。

――優しい世界。自分、他人、自然にも配慮していて優しい。講師の懐の深さや笑顔、メンバーもそういう世界を現してて、そこが好き。​
7期生の廣田賢司さん

――愛。テクニック的なことに走ってて、そういうことが言えなかった。自分と向き合って、はじめて言えるようになった今年が元年。やっとスタートラインに立てた。
7期生の深町桂市(けいいち)さん

――力を入れずに、ホントの自分でいられるモノ。無理して誰かに合わせる訳でもなく、自然の流れの一つとして力を抜ける。人間と自然のマッチング。人間の生態系。
7期生の新井茉陽(まや)さん

――自分が心地よくて、周りと繋がって心地いい。人、モノ、全てとつながってるって感覚になれることかな。
7期生の笠畑史華さん

――生活する上での、何を基本にしたらいいかの“モノサシ”。土、火、水の循環が分かりやすく、自分のなかのモノサシとしてパーマカルチャーがある。
キッチンスタッフを務めた、4期生のパットさん

――田舎暮らしのハードな部分を、楽しく豊かにする助けになって、ただの田舎暮らしでなくステキな田舎暮らしにシフトチェンジしてくれるもの。
キッチンスタッフを務めた、前半3期生、後半4期生の立山凪(しずか)さん

――パーマカルチャーだけでなく、マインドフルネスや瞑想、ダンスとか共通しているのは、命が本来持つ力、人間が持つ力につながり直すこと。
スタッフを務めた、道場研修生一期生の寺社下茜さん

――持続可能な循環する暮らしであり、世界各地で受け継がれてきた昔ながらの方法に現代の新たなアイデアをプラスして、みんなで日々アップデートしながら情報を共有して、よりよい循環へと導いてくれるもの。
筆者、一期生の鍋田ゆかり

7年前にPDCを受講した私は、パーマカルチャーが何なのかよく分からないまま過ごしていました。なぜならそこで学んだ内容は、昔から日本の里山にあった循環する暮らしと同じだと思えたし、なぜそこにわざわざ海外発祥の“パーマカルチャー”という言葉を持ってくるのか、いささか納得いかない部分があったのです。

今回の取材を通して改めてパーマカルチャーに触れなおし、みんなにとってのパーマカルチャーについて話を聞いているうちにふと納得できた答えが、上記でした。

本間・フィル・キャッシュマンさん
本間・フィル・キャッシュマンさん。

「パーマカルチャーは、ビル・モリソンが作った言葉。彼にとっての意味がある」と、フィルさんは言いました。パーマカルチャーは、私たち一人一人にとって違う意味や捉え方があるけれど、それらはバラバラの輪ではなく、根っこがちゃんとつながった一つの輪であり、その輪がどんどん大きく豊かに広がっていくものなのかもしれません。

どこにいても、今すぐにできるパーマカルチャー的行動とは?

田舎に住んでいても、都会に住んでいても、庭があっても無くても、この記事を読み終えてからすぐにできるパーマカルチャーは何か。PDCの講師や受講生、スタッフたちに聞いてみました。

1.感覚を思い出す。

――何かをするのも大切だけど、何かを感じるとこから人は行動すると思うから、都会の人におすすめするのは、年に1~2回自然のなか、森や草原、生き物がいて自然の植栽があるところで、1~2日静かな時間を過ごすこと。すると意識的に思い出すものがある。DNAが覚えているもの。自分は自然の一部だという感覚を思い出す。そして暮らしに戻ると、意識が変わると思う。“何かをしなきゃ”から、“何かしたい”になると思う。したいことをしたらいいと思う。意識の変革。先生は自然。先生に会いに行って、1~2日静かに先生の話を聞くのがお勧め。
PDC講師の本間・フィル・キャッシュマンさん

2.コンポストに挑戦する。

――生ゴミを燃えるゴミにしないで、コンポストを作って堆肥にすること。テラスや庭で活用できたらいいね。
PDC講師のカイル・ホルツヒューターさん

カイル・ホルツヒューターさん
カイル・ホルツヒューターさん。

3.食べ物から種を取り出して、植えてみる。

――食べてるもの、リンゴやトマトから種を取り出して、植えてみる。自然の循環が、生活から生まれてくる。自然の奇跡、循環を、ちょっとでも生活に取り入れることがお勧め。パーマカルチャーのイベントやワークショップに行ってみると、色んな人とつながれるし、引っ張ってくれる人と出逢えるよ。
PDC講師のソーヤー・海(かい)さん

ソーヤー・海(かい)さん
ソーヤー・海(かい)さん。

4.イベントでパーマカルチャーに触れてみる。

――パーマカルチャーの本を読んで、オンラインでPDCが取れる。パーマカルチャーの人は協力的だから、いろんな人と話したらいい。イベントがあるし、ぼくらの仲間に入って。そこからゆっくり、徐々に始めればいいと思う。
『食べられる森―Uzume―』オーナーのヘイミッシュ・マーフィーさん

ヘイミッシュ・マーフィーさん
ヘイミッシュ・マーフィーさん。

5.在るもので工夫する。

――必要なものをすぐに購入するのではなく、在るものをいかし、在るもので生きること。不要なものをすぐに捨てるのではなく、知恵と工夫でいかしてみること。在るもので楽しく工夫すること。
キッチンスタッフを務めた、一期生の中野香織さん

6.太陽や月を感じてみる。

――月や太陽がどこにあるかをみてみること。どんな気分になるか、体感してみて。最初にできるパーマカルチャーは、地球の動きを感じること。東京でも、星、月、太陽を見て、風を感じて、自然とつながれるから。
キッチンスタッフを務めた、4期生のパットさん

パーマカルチャーデザイン認定書を手にする、7期生たち。
パーマカルチャーデザイン認定書を手にする、7期生たち。新たなパーマカルチャーデザイナーたちが誕生した。写真提供:ヒロタケンジ

もちろん、これらが全てではありません。「私ならこうする」「これをやりたい」と浮かんだことがあれば、自分のために、人々のために、地球のために、行動してみましょう。失敗しても大丈夫。不安になったら、「間違えてもOK。間違いはぼく(自分)のもの。何よりもの財産になる」と言ったフィルさんの言葉を思い出して。

パーマカルチャーセンター上籾
web:https://pamimomi.com/
Facebook:https://www.facebook.com/PermacultureKamimomi/

パーマカルチャーと平和道場
web:https://peaceandpermadojo.wixsite.com/home

鴨川SupernaturalDeluxe
web:https://super-deluxe.com/

取材協力:PDC@鴨川SupernaturalDeluxe関係者・受講者の皆さま
写真:ヒロタケンジ、鍋田ゆかり

文:鍋田ゆかり

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