みずみずしく、栄養たっぷりの夏野菜。生で食べられるものが多く、不足しがちな栄養を摂れるため、冷蔵庫に入れておきたい食材です。でも、暑い夏の時期は上手に保存できていないとすぐしなびてしまうことも。今回は夏野菜の鮮度を保つストック方法を検証してみたいと思います。
目次
夏野菜の性質に合った保存方法
夏野菜といっても、一つ一つ性質は違うため、それぞれに合った保存方法をすることが大切です。今回は、夏野菜を長持ちさせる保存方法と、買ってきたままの保存方法を比較しながら、どのくらい差が出るのか試してみます。使う野菜はトマト、ピーマン、オクラ、かぼちゃの4つ。早速やってみましょう!
夏野菜①トマトは冷やしすぎない
ビタミンAとビタミンCが豊富で抗酸化作用のあるトマト。夏野菜は基本的に寒さに弱いため、キッチンペーパーに包むのがポイントです。トマトも一つずつキッチンペーパーで包み、ポリ袋に入れて野菜室で保存するのがおすすめ。肉厚なヘタ部分を下にして置くことで傷みにくくなります。また、冷やしすぎると甘みが弱くなってしまうので気を付けましょう。比較として、一つのトマトをキッチンペーパーで包みヘタ部分を下にして置き、もう一方はそのままポリ袋に入れて、おしり部分を下にして保存します。
夏野菜②ピーマンは一つずつ分けて包む
ピーマンは美肌をつくるビタミンCや、夏風邪などのウイルスから体を守るビタミンAが豊富。特徴として、エチレンガス(熟しやすくなる成分)を多く出すことで傷みが移りやすいため、一つずつキッチンペーパーに包み、ポリ袋をゆるめに締めて野菜室で保存します。熟しているトマトなどのそばには置かないほうが良さそうですね。ピーマンも一方はキッチンペーパーで包み、もう一方は包まず2つ一緒に袋に入れてみます。
夏野菜③オクラはヘタを水に漬ける
抗発がん作用や免疫力UP作用のある栄養素をもつオクラ。オクラのネバネバは整腸作用やコレステロール排出作用も期待できます。保存する際は、低温に弱いためキッチンペーパーに包んでからポリ袋に入れるのが一般的ですが、容器に水を入れてヘタが浸かるよう逆さに保存しても鮮度がもつのだそう。今回はビンに水を入れて保存し、もう一方はそのままポリ袋に入れて比較します。
夏野菜④かぼちゃは種とワタを取る
抗発がん作用や免疫賦活作用、抗酸化作用のあるβカロテンや、食物繊維が豊富なかぼちゃ。秋や冬のイメージがあるかもしれませんが、夏は収穫が盛んな時期のためスーパーにも並び始めます。まるごとであれば常温で約2か月ほどもちますが、カットして売られているかぼちゃは保存方法に木を付けましょう。ポイントは、種とワタを取り除き、キッチンペーパーなどで水分をしっかり取ってからラップに包んで野菜室に入れること。比較対象として、片方は種やワタを取らずに保存してみます。
夏野菜の保存テクを試してみた結果は?
そのままの保存方法と、保存テクニックを使った保存方法の野菜をすべて同じ野菜室に入れて、同じ条件で比較してみました。一週間後の野菜の状態を比較してみます。
まずトマトは、見た目ではあまり差は感じられませんが、触ってみると違いがはっきりと分かります。保存テクニックを使ったトマトの方は皮がピンと張っていて新鮮さがありますが、もう一方のトマトは皮がぶよぶよと柔らかくなっていました。「キッチンペーパーに包んでヘタを下にして置く」という保存方法は効果がありそうですね!
ピーマンは、あまり差は感じられませんでした。どちらも皮がややしなびてきており、切ってみても中の状態に変わりはなし。ただ、傷みが移りやすい性質を知っておくことで、野菜室の中の置き場所は工夫できそうだと感じました。
オクラは、ビンに入れておいた方がしなびてしまいました。原因として、オクラは寒さに弱いため、ビンに入れることで余計に冷えてしまったのかもしれません。ヘタを水に浸ける場合は、冷えない容器に入れたり、ビンを新聞紙で包むなど対策が必要そうです。またはキッチンペーパーに包んで保存するほうが失敗なく保存できるかもしれませんね。
かぼちゃは、種とワタを取ったほうは綺麗な状態で保存できていましたが、一方の種とワタを残した方は、その部分から傷み始めていました。カットされたかぼちゃはしっかり種、ワタ、水分を取って保存することで鮮度を保てることが分かりましたね。
上手に保存して新鮮な夏野菜をたくさん食べよう
夏野菜の保存テクニックを検証することで、新たな発見がありました。かぼちゃやトマトなど、これからの寒い時期もよくスーパーで見かける食材だと思うので、参考にしてみてくださいね。夏野菜は栄養豊富なので、上手に保存して新鮮な夏野菜をたっぷり摂りましょう。
写真・文:さいとうえみり