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千葉県鴨川市のソウルフード「石渡チキンストアー」のモツ煮。 56年継ぎ足された秘伝のタレに感服!

鍋田ゆかり

鍋田ゆかり

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千葉県鴨川市にある、JR内房線と外房線の終着駅「安房鴨川(あわかもがわ)駅」。ここから徒歩3分の場所に、“イシチキ”の愛称で知られる「石渡(いしわた)チキンストアー」がある。その味の評判は留まるところを知らず、鴨川市民から南房総市民、そして全国へと広がりをみせている。イシチキのおいしさについて長年耳にしてきた南房総在住のライターが、ついに石渡チキンストアーを訪問。モツ煮とイシチキの魅力に迫る!

目次

石渡チキンストアーの魅力は人にあり?

石渡チキンストアーのメンバー

石渡チキンストアーのメンバー

右:先代の右腕、荒井さん 中:2代目の鈴木さん 左:鈴木さんのご主人
「クリスマスには毎年イシチキで丸鶏を買って、ローストチキン焼いてるよ」、「消防団の集まりは、イシチキのオードブル使ってる」、「民泊のお客さん来たら、イシチキで焼鳥や肉を買ってる」という常連客たち。なかでもモツ煮は甘すぎない醤油味で、いいツマミになるのだとか。

とにかく、「おいしい」というワードしか出て来ないイシチキに、私も足を運んでみた。店の向かいに4台分の駐車スペースがあり、車や自転車で買い物に訪れる人たちが入れ替わり立ち代わりやってくる。どこから見ても大忙しで余裕を失くしてしまいそうだが、常連客たちと近況を話しながら笑顔で、きびきびと丁寧に対応している女性がいた。彼女がイシチキの2代目、鈴木孝子さんだ。

手早く作業をしながら接客をするイシチキの従業員たち

手早く作業をしながら接客をするイシチキの従業員たち

中の様子を覗いてみると、それぞれ忙しそうに動いているが決してピリピリしていない。会話が飛び交い、和やかな雰囲気が伝わってくる様子に、56年地元から愛され続けているお店の器と、魅力を感じる。

米の友、酒の肴としても重宝する石渡チキンストアーのモツ煮

お目当てはもちろんモツ煮だが、「味がしみ込んでる手羽先がうまい」とか「焼肉がお勧め」とかの前情報もあり、目の前のショーケースに並ぶ全商品が輝きながら、私を誘惑してくる。順番を待ちながら、迷いに迷って注文を済ませた。

商品を手にした私は、「早く帰って食べたい!」という衝動に駆られ、一目散に帰宅。さぁ、モツ煮を頂こうではないか。

石渡チキンストアーのモツ煮

石渡チキンストアーのモツ煮

熱々のご飯にモツ煮をたっぷり乗せたモツ煮丼。まずはこのままで、いただきま~す! 一口目は、とろっとろにとろける食感に驚き、二口目は噛み応えのある食感。レバーのねっとりとした食感もある。卵巣であるキンカン、皮、砂肝、レバー、ハツなどが一緒になって、さまざまな食感を生み出しているのだ。タレは少し濃いめなので、丼には最高。これは間違いなく、酒のいいツマミになりそうだ。噂通りの、期待を裏切らない味で、食べたそばからもう恋しくなってしまった。

鈴木さん「そのまま食べる方もいらっしゃいますし、刻みネギやゴマをかけて食べる方も。50年以上の味なので、2~3世代で孫を連れて通ってくれる方もいらっしゃいます。お客さんのほうが食べ方に詳しくて、豆腐を入れて食べる方や、タマネギやキャベツを入れて煮なおす方、キムチを入れる方など、こちらが教えていただいています」

丸鶏をその場で解体しているから、鮮度は抜群

石渡チキンストアー

石渡チキンストアー

1966年創業の石渡チキンストアーは鈴木さんの父親が立ち上げ、荒井さんが右腕となって店を切り盛りしてきた。なぜ鶏専門店だったのだろう?

鈴木さん「父の実家が鶏卵センターで、新鮮な卵やヒヨコを販売していました。父は子どものころからニワトリに接していて、専門家のようにニワトリのことをよく知っていたので」

20代のころに鶏の解体免許や調理師免許を取得して、父の側で店を手伝ってきたという鈴木さん。当時は免許を取るのも嫌々だったが、今となっては取っておいてよかったと笑顔で話す。なぜなら、石渡チキンストアーのこだわりは、解体して鮮度のいい状態で商品を提供することだからだ。鮮度がいいから、柔らかくて臭みのない肉を提供できるのだ。

石渡チキンストアー

石渡チキンストアー

店で丸鶏を解体しているので、スーパーに出回らない珍しい部位もここにはある。貴重な部位は居酒屋などが買いにくるが、品物があれば個人客にも販売している。

鈴木さん「昔ながらの手作り手法で毎日作っています。タレも鶏も、季節によって状態が違ってくるので、同じレシピで作っても味が変わってしまう。だから舌でチェックしながら、毎日ていねいに作っています」

タレも、昔ながらの手法で56年間継ぎ足しながら作っているという。5年前に先代が亡くなったとき、「このタレを失くしちゃいけない」と思い、鈴木さんは店を継ぐことにしたそうだ。

石渡チキンストアーの売れ筋ベスト3はこれ!

焼きもの、揚げもの、生肉など、ショーケースの中にはたくさんの商品が並んでいる。先代の味をそのまま引き継いでいるのはモツ煮、テバ焼き、焼肉、モモ焼き。テバ焼きは胸肉、手羽先、ささ身が付いていて、色んな食感を楽しめてボリューム満点のローストチキンだ。骨を取り除いて、サラダやサンドイッチの具、バンバンジーなどに利用できる。焼肉は、骨なしモモ肉の照り焼きだ。
イシチキのローストチキン

イシチキのローストチキン

左:モモ焼き一本258円(税別) 右:テバ焼き一枚228円(税別)
2代目の味として新しく商品に加わったのは、イシチキとイシチキキングだ。イシチキはテバをタレに浸けてから揚げている。イシチキキングは、塩味だ。石渡チキンストアの揚げものに使っている油は、全て鶏油(ちーゆ)。家で真似しようとしても、100%鶏油にはかなわない。
イシチキの揚げもの

イシチキの揚げもの

左:イシチキ一枚278円(税別) 右:イシチキキング一本308円(税別)
イシチキに買いものにくる客たちを眺めていると、それぞれお気に入りがあるようだ。数多くの商品を扱っている石渡チキンストアの売れ筋ベスト3を、鈴木さんに聞いてみた。

3位 ローストチキン
初代の味のテバ焼きとモモ焼きだ。

2位 焼肉
チャーシューやハムの代わりとして、刻んでチャーハンに入れたり、パンに挟んだりして楽しめる。

1位 モツ煮
これはもう、文句なしでしょ!

店舗販売以外に、電話による発送も受け付けているのでぜひお試しあれ。
※ご紹介した商品は記載当時の情報のため、在庫状況・価格などが異なる場合があります

■石渡チキンストアー店舗情報

石渡チキンストアー
住所:千葉県鴨川市横渚880-6
電話:04-7092-2523
営業時間:午前9時~午後7時
定休日:水曜日
写真・文:鍋田ゆかり
取材協力:石渡チキンストアー

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