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連載 | aiyueyoの愛食便り | 27

地元の魅力、再発見。スーパーの野菜コーナーに目を向けてみよう

aiyueyo編集部

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aiyueyoの愛食便り」では旬の食材を楽しむ暮らしをご紹介します。

「地元の魅力、教えてください!」と聞かれてドキッとしたあなたへ。

京都に住むわたしが、日常の中でふと目線を変えたことで気づいた、地元の魅力を再発見する方法をお届けします。

魅力の再発見が、なんてことない日々の風景に彩りを添えてくれる。会話のタネが増えることで、気づきをシェアすることで、ちょっぴりおしゃべりが楽しくなる。おしゃべりが楽しくなることで、自分のこともちょっと好きになれる。

地元に心を寄せる余裕のなかったわたしが変化したエピソードを添えて、お話させてください。

目次

ヒントはスーパーの片隅に

わたしがいつも行くスーパーの片隅にある「地産地消コーナー」

限られたスペースのなかには、地元の農家の皆さんが作る新鮮で個性溢れるお野菜たちが所狭しと並べられています。なんだか「わたしたちを見て!」と言いたげに、手に取ってくれる人たちを待っているかのよう。

そんなお野菜たちには、地元の魅力を再発見するきっかけが満ちていました。

お野菜に心を寄せてみる

京都に住むわたしの場合、地産地消コーナーには“京野菜”と呼ばれる子たちが並んでいます。

突然ですが、みなさんは「賀茂なす」をご存知でしょうか。

直径は15センチ程度、まるまると愛らしい形をしているのが特徴。1個がだいたい300グラムほどの重さがあり、私たちが普段口にするなすと比べるとずんぶんと大きな子です。

長なすさんと賀茂なすさん。同じなすさんには見えません。

深く濃い味わいで、肉質がしまって密なため煮ても焼いてもくずれません。京都では、田楽や煮浸しにして食べることが非常に多いのですが・・・こりゃまた絶品です。

京都といえば白味噌。白味噌を使った賀茂茄子の田楽です。肉厚ジューシー。

ルーツを紐解く

「そもそも、どうしてなすがこの地域で?」

ふと疑問を持ったわたしは、加茂なすのルーツを調べてみることに。なすは、水で作ると言われているくらい、高温多湿な環境を好む野菜だそうです。さらに調べていくと、名前の由来である上賀茂という土地は、西は賀茂川、東は高野川に挟まれた扇状地エリア。降水量が少なく乾燥しやすいと言われている京都ですが、賀茂なすのふるさとは、ふんだんな水源に恵まれている地域だということがわかりました。

鴨川が分岐して、加茂川と高野川へ。市民のお散歩コースです。

また、日照時間が長いことでも知られている京都。賀茂なすは、あまり高温になりすぎると、特有の濃い紫色がくすんでしまうよう。日当たりが悪くても色つやが出にくくなるため、こまめに手入れしなければなりません。手間ひま惜しまず現代まで作り続けられてきたのも、きめ細やかな手仕事職人が多くいる京都ならでは。

……なんてことを思うと、地元が誇らしく思えてきました。

地元らしさに、思いを馳せる

ルーツを辿り、作り手さんのお仕事に思いを馳せる。地元らしいから、愛おしいと思える。

そんな風に地元の魅力を再発見するきっかけをお野菜が与えてくれたのです。

同じく地元を愛するひとたちに、遠くに住む友人に、なんだかついついひとに話したくなる。「素敵だね」と言い合う時間もまた愛おしく、そんな自分も好きになる。京都に住んでいて良かったなと思えた瞬間のひとつなのでした。

皆さんのお近くにあるスーパーの「地産地消コーナー」には何が置いてありますか? どうしてその地域で育てられているのかにスポットを当ててみると、地元の魅力再発見に繋がるかもしれません。

ぜひ、目を向けてみてくださいね。

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