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山から里まで、静岡のおいしさがぎゅっとつまったお茶が好評です

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静岡県に9つあるJAの統一ブランドとして昨年発売されたのが『静岡茶 揉一ひとえ つゆひかりブレンド』だ。県内の茶産地のおいしさを合わせながら、現代の生活スタイルや嗜好性にマッチしたこのお茶が生まれた背景をうかがいました。

目次

鮮やかな緑色で渋みが少なく、若い世代にも好評なお茶品種「つゆひかり」を採用

全国随一のお茶の生産量、流通量を誇る静岡には、県内のいたるところに茶産地がある。それぞれに特徴的な産地の良さを織り交ぜた「静岡茶」をつくり、お茶のおいしさを多くの人に届けたい。そんな思いで、静岡県にある9つのJAが協力して生み出したのが「静岡茶 揉一(じゅういち)()(じゅういち)ひとえ つゆひかりブレンド」だ。

採用されたのは、静岡生まれの「つゆひかり」という品種で、一番茶を深蒸しにした茶葉が使われている。

「現在、静岡を始め全国で飲まれているお茶は、やぶきたという品種が多く、全体の90%近くを占めています。もちろんいいお茶なのですが、生産の現場では収穫する時期が同じになってしまうなどの不具合も生じてしまうとともに、若い世代にはやぶきた特有の渋みが敬遠されるという傾向にもあります。

その点、つゆひかりという品種は渋みが抑えられ、ほんのりとした甘さも感じられるお茶。そして、なんといっても鮮やかな緑色がこの品種の特徴です。静岡生まれの品種なので、各産地で栽培されたつゆひかりを厳選してブレンドすることで、選りすぐりのおいしさを味わってもらえるのです」とJA静岡経済連 茶業課課長、加用智之さんは話す。

つゆひかりの新芽には、うまみ成分であるアミノ酸が多く含まれている。
鮮やかな緑が目を引く「静岡茶 揉一ひとえ つゆひかりブレンド」の水出し茶。

茶葉がティーバッグになっているというのもポイントだ。

「これまでお茶は、急須を使って淹れ方にこだわった飲み方を推奨されることが多かったのですが、今はどちらかというと手軽に飲めるほうが好まれます。朝、水筒やマイボトルにお湯や水と一緒に、ティーバッグを入れておでかけをする。そんな飲み方を推奨したかったので、ティーバッグにしました」と言う加用さんも、実際、マイボトルで「揉一ひとえ つゆひかりブレンド」を飲んでいるとのこと。

「夏の暑い時期は、冷蔵庫で冷やしておいた水とティーバッグをいれたマイボトルもって仕事にでかけます。時間が経っても渋くならなくておいしいんです。水出しは、つゆひかりのうまみがわかりやすく出るからお薦めしています。でも、お湯で淹れても実はおいしいんです(笑)。水で淹れるより、香ばしさが広がる味の設計になっています」

香ばしさの秘密は隠し味として、焙煎した一番茶の茎茶をいれているから。さらには、お湯の場合でも、マイボトルの中にティーバッグを長時間入れっぱなしにしていても、苦みはでてこないというから驚きだ。冷たくても、温かくても、鮮やかな緑色になるのも特徴だ。

また、その年のシーズン最初に摘み取った品質のいい一番茶のみを使用しているのは、JAとして品質にこだわりたいから。

「一番茶は冠婚葬祭をはじめとした贈答品として用いられてきた高級茶葉なのですが、現在は需要が減少。とはいえ、シーズンが始まって最初に摘採されたお茶にはうまみとなるアミノ酸がたっぷり含まれていて本当においしいのです。こうしたお茶の良さをもっと知ってもらい、需要を拡大したいという思いもあります」

JA静岡経済連 茶業課課長、加用智之さん。
冷たい水で淹れると、つゆひかりならではのうまみがほんのりとした甘さが際立つ。
お湯で淹れると香ばしい風味が感じられるのは、焙煎した茎茶が入っているから。

山間地と平坦地、静岡の茶産地の特徴とは?

静岡はお茶の産地がたくさんあるが、大きくわけると「山間地」「平坦地」のふたつに分類でき、それぞれ味や香りの特徴も違っている。

「揉一ひとえ」には山間地と平坦地、それぞれの特徴をもった「揉一ひとえ 山育ち」と「揉一ひとえ 里育ち」というお茶もある。こちらは、各産地の一番茶初期の原料茶葉を厳選してブレンドした商品で、急須で淹れてじっくり味わいたい旨味たっぷりのお茶だ。

「山育ち」の原産地は、沼津の愛鷹山山麓、富士市、富士宮市、静岡市清水区、静岡市駿河区・葵区、川根本町、浜松市天竜など。山霧が立ちこめる冷涼な土地で育った一番茶を使用し、香り豊かな浅蒸し煎茶として仕上げた。

急須で淹れて味わいたい「揉一ひとえ 山育ち」(左)と「揉一ひとえ 里育ち」(右)。

一方、「里育ち」の産地は、島田市、牧之原市、掛川市、菊川市、遠州森町、袋井市、浜松市など。太陽の光をたっぷり浴びて育った肉厚な茶葉を、まろやかなうまみをもつ深蒸し茶に仕立てた。

冷たい水で淹れてもおいしい「揉一ひとえ 山育ち」(右)と「揉一ひとえ 里育ち」(左)。

飲むとほっとするお茶の良さを、現代のライフスタイルに溶け込ませるために

お茶の産地だけあって、静岡の人たちは日常的によくお茶を飲んでいる。「確かに子どもの頃から当たり前のように、食事の最後にはみんなでお茶を飲んできました。私が小さな頃は、小学校でも給食の時間に大きなやかんでお茶をつくり、先生も生徒もお茶を飲んでいたのですが、今は少なくなってきたようです」と加用さん。

とはいえ、やっぱり子どもの時からお茶のおいしさを知ってほしい。

そんな思いで、静岡県は2016年に「小中学校の児童生徒の静岡茶の愛飲の促進に関する条例」を制定して、静岡茶を飲んだり学んだりする機会を積極的に提供。お茶をマイボトルで持参する取り組みなどを積極的に行っている学校も多い。

「こうした愛飲促進運動にも、ティーバッグのつゆひかりは、手軽においしいお茶がいれられるので便利なのです」と加用さんは言う。

一口飲めば、すがすがしい香りに包まれて、ほっと一息つけるのがお茶のいいところ。

「飲んだときにほっとしてリラックスするという情緒的な良さとともに、健康を保つという機能的な側面もお茶にはあります。こうした昔からのお茶の良さを活かしながら、現代の生活にあった提案を今後もしていければと思っています」と加用さん。

そう。お茶は香りや味わいとともに、飲んでほっとする時間もセット。

水でもお湯でも、その時々の気候や気分に合わせて手軽にお茶を淹れられる「揉一ひとえ つゆひかりブレンド」を飲めば、静岡の山や里の風景とともに、景色が溶け出したようなおいしさが広がって、さらに心地良いひとときが過ごせるはず。

『静岡茶 揉一ひとえ つゆひかりブレンド』

静岡生まれの「つゆひかり」の一番茶をティーバッグでご用意。ティーバッグは環境にやさしい植物由来の天然素材を使用。

『静岡茶 揉一ひとえ山里セット』

山霧が立ちこめる冷涼な場所で育ち、香り高い「山育ち」と、太陽の光をたっぷり浴びて育ち、まろやかな味わいが特徴の「里育ち」がセット。それぞれのおいしさを味わえます。

JAタウン しずおか『手しお屋』
https://www.ja-town.com/shop/c/c2374/

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