「日常」。それはありきたりであればるほど、当たり前ではないと思うのです。今日は下関でお仕事。山口県下関市は、対岸の福岡県北九州市と関門海峡でへだてられていて、船でわずか5分の距離にあります。下関に行くなら、ランチは「おかもと」で。これがわたしの日常です。
下関駅から歩いてすぐの「おかもと鮮魚店」。この味のある看板文字が大好きです。その名の通り、鮮魚を買うことができるお店ですが、ランチができる居酒屋でもあります。
ずらりと並ぶ魚、魚、魚……。びっしりのショーケースに胸をおどらせながら席につきます。唐戸市場から仕入れたのでしょうか。ちなみに市場はこんなところ。
いろんなランチメニューがあるのですが、おかもとに来たら海鮮丼一択です。仮に定食を頼む人がいたら、ちょっとカッコイイと思えてしまうほどです。……さて、来ました!
ドンッ。海鮮丼、味噌汁と漬物付き。1000円! 100点! しばらくは目で楽しませてもらいます。これって当たり前と思っちゃダメだよね。おかもとで海鮮丼を食べるたびにそう思います。こんなに豪華なのに、人の心を謙虚にしてくれる海鮮丼。尊いです。
じつは、もっとスゴいメニューもあるんです。
ドドン。こちらが名物「おかもと丼」です! 刺し盛りでしょうか? いいえ、海鮮丼です。お値段2500円。これは、夜に出直すべきでしょう。もちろん車は置いて。勇気のある人はランチで頼んでみてください。
食事を終え、またショーケースの前を通り過ぎます。あの一杯を食べ終えたあとは、どうも彼らに頭が上がりません。
「わたし、この街が好き」。魔女の宅急便のキキのようなセリフを、誰に言うでもなく心のなかでつぶやきながら帰路につきました。
翌日も下関で仕事があり、仲間におかもとに誘われました。さすが、みんなの「おかもと」。もちろん、即答しました。