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県南と県北で異なる岡山雑煮を食べ比べ。北は○○○で出汁を取る

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全国各地、さまざまな雑煮があるが、岡山県もまた例外なく地方によって作り方が異なる。岡山県は天気予報をはじめ様々な事柄で「県南」地域と「県北」地域に分けられることが多く、各家庭での伝承もあるので一概には言えないが、雑煮もまた県南と県北で特徴が違うようだ。そこで、県南と県北の雑煮を作って、食べ比べてみた。

目次

岡山県南部の雑煮はオーソドックス

福岡県から岡山県へ移り住んだ筆者。せっかく岡山に住んでいるのだから、土地ならではの雑煮を食べてみたい。そこでまずは、自宅のある岡山市、つまり「県南」の雑煮を作ってみた。県南の雑煮は、出汁に醤油などで味付けし、餅や鰤、ほうれん草、人参などが入って具沢山だ。地域や家庭によっては百合根を入れるところも多いようなので、今回は百合根入りに初挑戦。

【材料】(分量は人数や好みで調整)

  • 丸餅
  • 百合根
  • 人参
  • 大根
  • ほうれん草
  • 出汁(かつおぶし・昆布)
  • 醤油
  • 料理酒
岡山県南雑煮の材料
左上の百合根は花びらのように重なっていることから、「歳を重ねる」「子孫繁栄」といった縁起のよい野菜といわれている。

【作り方】

  1. 人参、大根はいちょう切り、鰤は一口大に切る。百合根は外側からはがしていき、根の部分は切り落とす。茶色く変色した部分などは削りとる。ほうれん草は3cmくらいに切って下茹でしておく。
    ゆりね
    百合根の根は切り落とし、一片が大きい場合は食べやすい大きさに切る。

  2. 出汁に人参、大根を入れて灰汁を取りながら柔らかくなるまで煮たら鰤を入れ、醤油と酒で味を調える。最後に百合根を入れる。
    岡山県南雑煮の作り方
    百合根は火が通りやすいので最後に入れる。ホクホクした食感になればOK。

  3. 別の鍋で丸餅を煮る。 
  4. お椀に丸餅を入れて具材を盛り付け、汁をかけて完成。
岡山県南雑煮
下茹でしていたほうれん草は盛り付け時に加える。

 

岡山県北部は出汁にも具材にもスルメ!

県北の雑煮はスルメで出汁をとり、身も具材として使う。こちらも具沢山で、県南と同じく丸餅に鰤、人参、大根、ほうれん草。これに百合根が入るところもあれば、ハマグリが加わる場合もある。今回はスルメ出汁の味わいを堪能するべく、具材は控えめにした。

【材料】(分量は人数や好みで調整)

  • 丸餅
  • 人参
  • 大根
  • ほうれん草
  • 出汁(スルメ・昆布)
  • 醤油
  • 料理酒
岡山県北の雑煮の材料
スルメは1枚、昆布は10㎝程度で出汁を取る。

【作り方】

  1. スルメは軟骨以外の部分を細切りにし、昆布は濡れふきんなどで汚れをとる。鍋に水を入れて昆布と一緒に入れ、30分以上おく。人参、大根はいちょう切り、鰤は一口大に切る。ほうれん草は3cmくらいに切って下茹でしておく。
    岡山県北の雑煮の作り方
    余裕があれば前日の晩からおいておくと良い。

  2. 1の鍋を火にかけて、沸騰直前で昆布を取り出す。
    岡山県北雑煮の作り方
    昆布のみ沸騰直前に取り出す。

  3. 人参、大根を入れて灰汁を取りながら柔らかくなるまで煮たら鰤を入れ、醤油と酒で味を調える。
  4. 別の鍋で丸餅を煮る。 
  5. お椀に丸餅を入れて具材を盛り付け、汁をかけて完成。
岡山県北部の雑煮
出汁に使ったスルメも盛り付ける。

【食べ比べ】
県南の雑煮は、やさしい味わいに食べ応えのある鰤と餅、野菜の滋味が感じられる。百合根のホクホクとした食感もよく、正月の朝からしっかり元気になれる1杯だ。県北の雑煮は、スルメ出汁ならではの香ばしさ、メリハリのあるしっかりとした味わい。具材としてのスルメも煮込まれていて食べやすい。しっかり噛んで食べると、健康な1年のはじまりによさそう。

 

ほかにもいろいろ、岡山雑煮

今回紹介した以外にも、味噌仕立てのものや特産品を使ったものなど、岡山県内各地、家庭によってもさまざまな雑煮が作られている。例えば真庭郡新庄村には、伸びのよい「ひめのもち」を使った「新庄ひめっ子雑煮」がある。また瀬戸内市牛窓町にはかぼちゃを使った「南瓜雑煮」という郷土料理があり、昔から冬至に無病息災と厄除けを祈念して食べられていたそうだ。

新庄ひめっこ雑煮
新庄ひめっ子雑煮(c)岡山県観光連盟

筆者の出身地・福岡県福岡市は「博多雑煮」がおなじみ。だが特徴的な具材のひとつ、「かつお菜」が岡山ではなかなか手に入らない。今年の年越しは岡山雑煮の材料をいろいろ準備して、新年を食べ比べから始めるのも楽しいかもしれない。

お雑煮の知らない世界はこちら

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