地域を結び伝える味。
干満差6メートルにも及ぶ日本でも珍しい海「有明海」の傍に、見渡す限り広がる平野がある。佐賀県杵島郡にある白石平野だ。潮風と土の匂いに誘われて出合ったのは、“農漁業家”がつくるおむすびだった。
白石町で米と海苔の生産を行う森卓也さんは「食べること、生産することが隣り合う仲間のようにつながっている」をテーマに佐賀県の食文化を伝えている。「しろいしもりの御結び」に使うお米は、育苗期から酵素を使ったこだわりの栽培。粒が大きくもっちりとした食感、噛んだ時の甘みがくせになる。具材は、しろいし牛や唐津産しらす、塩など佐賀県産ばかり。最後に巻くのはもちろん森さんの風味豊かな有明海苔だ。「海の干出とミネラル豊富な土壌。この豊かな環境を食を通して知ってもらいたいんです」と森さん。
コンビニのおにぎりが当たり前になった今、日本の原風景を思い出させてくれる味に贅沢さえ感じる。おむすびを口いっぱいに頬張るとそれは至福の時間だった。
白石町を舞台にしたおとぎ話がパッケージとなり、具材ごとにさまざまな動物が登場する。有田町「うちやま百貨店」や江北町「ベリーボタンのファーマーズマーケット」など各イベントにて販売中。
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