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ちょうどよい距離感が心地よい、秋田県鹿角市

ソトコト事業部

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こんにちは!関係人口講座の企画・運営などを担う事業ディレクターの川村と申します。今回は、私が講座の運営を通じてでであった秋田県鹿角市のことをご紹介させてください。とってもあたたかく、優しく、居心地のよい地域で、たくさんの方に知っていただけたらうれしい場所です。

ローカルに根差した食文化が好きで、毎年秋に新潟県村上市の郷土料理「塩引鮭」を仕込むのが趣味です。

昔から、山に囲まれた中に田んぼや畑のある景色を見ると「これが日本の原風景なんだろうな」と感じ、おだやかな気持ちになります。東北に行くと自然と心がゆるんだり、居心地のよさを感じたりするのは、それが理由のひとつかもしれないなと感じています。

北東北の中心に位置するまち、秋田県鹿角市とであったのは2024年。首都圏在住の方と鹿角のつながりをつくり、継続的に地域に関わる関係人口を育てる講座「かづコトアカデミー」の事業ディレクターを務めることになったのがきっかけでした。

秋田県は、過去の仕事で何年も前に一度秋田駅前のイベント会場に行ったことがあるのみで、ローカルにしっかり入っていくのは初めてでした。

鹿角市っていったいどんな地域なんだろう?と調べて、現地に行く前に事前知識として得たのは、

・きりたんぽ発祥の地であること
・「北限の桃」というブランド桃をはじめ、「鹿角りんご」や「かづの牛」といったグルメの宝庫であること
・「大湯環状列石」という縄文時代のストーンサークル群があること
・「花輪ばやし」「毛馬内の盆踊り」「大日堂舞楽」という3つのユネスコ無形文化遺産に登録された祭りがあること
・「尾去沢鉱山」という、かつて国内最大級だった鉱山があったこと

などなどでした。

実は私、

・おいしいものを食べるのが大好き
・縄文文化にロマンを感じる
・お祭りの熱気にワクワクする
・宮沢賢治の童話が好きで、石や鉱物にときめく

こんな人間なので、地域の特徴を知れば知るほど「鹿角市最高だな!」という思いが強くなっていきました。

知らない土地に行って気の向くままにふらふら歩く散歩が趣味なので、鹿角でそんな散歩をすることも楽しみにしていました。

講座「かづコトアカデミー」の現地フィールドワークで、初めて鹿角に足を運びました。事前準備などのために、受講生より一日早く現地入り。実際に鹿角を訪れて最初に感じたのは「散歩するのにいいサイズ感のまちだな」ということ。JR鹿角花輪駅を中心に、商店街やローカルスーパー、飲み屋街や朝市会場、地元の人に愛される大判焼き屋さんなどが、歩いて回れるいい感じの距離感にあるのです。まちの中に小さな川が流れているのも心地よいし、りんごの季節には直売所の店頭にたくさんの赤い丸が並んでいい香りがするのも風情があります。見るものすべてから「知らないまちに来たんだな」という旅情を感じて、よい散歩ができました。

散歩中に商店街の和洋菓子店に立ち寄った時に感じたのは、人の距離感がちょうどよくて居心地がよいことでした。旅行先で立ち寄ったお店など地元の方とお話ししたいという気持ちがありつつも、生来の人見知り気質が邪魔していい感じのやりとりができずちょっと落ち込むことがよくあるのですが、鹿角の方はつかずはなれずの距離で話してくださるんです。ちなみにこの心地よい距離感については、このお店の方だけでなくこの後鹿角で出会った方皆さんに等しく感じました。文面ではうまく説明できないので、この感覚をぜひ現地で体感してもらいたいです。

翌日、いよいよ現地フィールドワークが始まって、地域に根差した活動に取り組むローカルプレイヤーのもとを訪れると、知識として得た鹿角とはまた異なる面が立体的に見えてきました。

地場産の野菜を活用して映えるサンドイッチを作っている方、祖父の代からのりんご園を受け継ぎ鹿角市の農業を盛り上げようと奮闘している方、大阪から移住してきて鹿角への移住希望者をサポートするNPOに勤めつつ燻製屋を開業し二足のわらじで活躍する方、地元毛馬内商店街活性化のための団体を立ち上げイベントの企画運営などに取り組む方……

印象的だったのがどの方からも、鹿角のいい面だけでなくネガティブな面もあることを受け止めつつ、この地で生きていくことを選んだというお話しがあったこと。少子高齢化が進んで活気がなくなった、住んでいる人たちが鹿角に誇りを持っていない、若者は鹿角には何もないと言って都会に出ていく。そんな危機感を抱えながらも「それでも自分は鹿角で生きていく」という思いを大事に、今鹿角にいる人たちが楽しく暮らせるように、一度出て行った人たちがまた戻りたいと思える鹿角であり続けられるようにと悩みながらも日々活動されていることが伝わってきました。おそらく受講生も、初対面の相手にこれだけ心を開いて地域への思いを熱く語ってくださるローカルプレイヤーの方々の言葉に強く心を打たれたと思います。懇親会ではたんぽ鍋やおいしいおばんざい、地元の日本酒を囲んで、話が尽きませんでした。

フィールドワークを終えて受講生は、鹿角で見聞きしたもの、感じたこと、聞いた話を振り返り、今後自分が鹿角とどのように関わっていきたいかを考えて「私と鹿角の関わり方プラン」を練り上げ、講座の最終回で発表します。プランを考える時に受講生にお伝えしているのが、自分が好きなことや得意なこと、やってみたいことを大切にしてほしいということ。

「WEBマガジンを立ち上げて地域の魅力を発信することで、『鹿角には何もない』という人の地域への肯定感を高められたら」
「将来料理人になりたい。きりたんぽパエリアを考案して、地域の生産者や食材の応援につなげたい」
「鹿角出身、首都圏在住の立場を生かして、鹿角と首都圏を行き来し、交流の場づくりに取り組みたい。かづコトマルシェもやってみたい」

「鹿角のためにやらなきゃ」という義務感ではなく、受講生自身がワクワクすることを出発点にすると、たくさんの楽しい「関わり方プラン」が生まれてきました。

講座でつながった仲間たちは、まるでずっと前からの知り合いだったかのように、今もゆるやかに関係を持ち続けています。鹿角の方が東京に来る際には会いに行ったり、鹿角のおいしいものを仲間と食べて交流するイベントを企画・運営したり、メンターの方が還暦を迎えた際には鹿角を再訪してお祝いの会を開いたり……無理なく、楽しく、できることややりたいことでつながっています。これもひとえに、鹿角が何度でも訪れたいと思う魅力的な地域であること、そして鹿角の方々がよそから来た私たちを気持ちよく迎え入れてくれたからこそだと思います。

目次

かづコトアカデミーの仲間を募集中です

今年度も、9月20日(土)にかづコトアカデミーが開講します。東京での座学で鹿角について学び、好きなことやいつかやってみたいと思いつつ実現できていないことなどを掘り下げることで自身の内面と向き合い、現地フィールドワークでは五感で鹿角を感じ、最終的に「私と鹿角市の関わり方プラン」に落とし込んでいく。

昨年度の受講生複数人から「かづコトで人生が変わった」との言葉をもらいました。鹿角は、それだけのパワーを秘めた場所です。どんな風に変わるのかはきっと人それぞれ。地域との接点を持ちたいけれどその方法が分からない人、今の仕事や生活に何か足りないものがある気がする人、ふるさとのように迎えてくれる場所がほしい人。そんな人たちにとって、きっと何か得るものがある講座になると思います。

私は事業ディレクターとして鹿角と関わってきましたが、何度か足を運ぶたびに少しずつ新たな面を知っていって、それでもまだまだ知らないところがたくさんあるだろうなと感じて「また行きたい。次はまだ行ったことのない季節に」と毎回思います。関係人口を増やし育てるのが私の仕事ですが、自分自身も鹿角の関係人口となりました。

ネットで調べたり人から聞いたりしただけでは分からない鹿角の素敵なところ、自分自身の目で確かめに行きませんか?あなたが感じた鹿角のことも、聞かせていただきたいです。鹿角好きトークができる仲間が増えることを心より楽しみにしています。

「かづコトアカデミー」受講に関心を持った方はこちら

鹿角市内在住の方からも受講生を募集しています!
首都圏からの受講生との交流や、地域で活躍するローカルプレイヤーの方とのつながりづくりがしてみたい方、お待ちしています。

鹿角でであったおいしいかわいいスイーツについても記事を書いています

(事業部・川村)

写真:奥崎有汰、ソトコト

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