【ソトコト×日本ワーケーション協会連載】ソトコトと日本ワーケーション協会がコラボして、各分野、各地域で活躍するワーケーション推進者をゲストに迎えて、毎回対談。ワーケーションにおける現在地や未来の展望を語ります。
第2回目(後編)。前回の第2回目(中編)に続いて、今回は後編。引き続き、立科町の地域ワーケーションを推進する渡邉岳志さんが語る、ワーケーションと地域の未来とは⁉
あえてワーケーションの売上計画を立てない…その理由とは⁉
ソトコト 前編、中編を通じて、立科町で800社以上の企業がワーケーションを実施されている理由がよくわかりました。渡邉さんの立科町ワーケーション事業計画も、毎年右肩上がりの拡大路線ですか?
渡邉 実は立科町のワーケーションの売上予算は0円で事業計画してるんです!
ソトコト えぇぇ⁉ ゼロ…0円⁉
渡邉 理由は明確で、「無理な受け入れ」をしないためです。 数字を追って、売上計画に当てはめてしまおうとすると、キツキツなスケジュールでワーケーションを受け入れ、無理矛盾が生じてきます。数字に追われて、地域側の受け入れ体制の体力がすり減っていく。それは絶対に避けたいところです。
ソトコト 地域側がワーケーションの受け入れに疲弊したら、そもそも論として本末転倒ですね。観光面では、オーバーツーリズム…受け入れ過ぎが大きな課題になっていますよね!
渡邉 そうなんです! 地域も企業も参加者も三方良し、ハッピーハッピーでいてほしい…だからこそ余裕を持ったワーケーションの受け入れが重要だと! 企業からの問い合わせは増えてますので、あえて、売上予算計画は立てないんです。

無理に受け入れないことが、
企業に提供するワーケーションコンテンツの
質の維持にもつながる。
協会のコンシェルジュネットワークが、地域ワーケーションを加速させる!
ソトコト 企業からのニーズや日程が合わないときはどうしているんですか?
渡邉 企業側のニーズと立科町の受け入れ体制がマッチしない時は、日本ワーケーション協会のネットワークを活かして、マッチしそうな地域をご紹介しています。私は日本ワーケーション協会公認の「ワーケーションコンシェルジュ」としても活動しています。日本各地にワーケーションコンシェルジュとして協会から認定された仲間が80人近くいるんです! コンシェルジュが活動している地域をご紹介しています。皆さん、実績がありますので、企業に安心してご紹介でき、ウィンウィンで企業にも喜ばれています。
ソトコト 日本ワーケーション協会のネットワークは、素晴らしいですね!
渡邉 この日本ワーケーション協会のコンシェルジュネットワークを使えば、企業側の目線に立てば、立科町だけでなく、他の地域でのワーケーションの選択肢が広がる。私みたいにワーケーションの達人がいれば、企業にとっても安心。立科町だけでなく、新たな地域でワーケーション体感してほしい。
ソトコト なるほど。同じ地域ばかりでワーケーションしていると、新しい発見や発想、新鮮さが薄れて、社員の成長が鈍化しそうですよね!
渡邉 おっしゃる通りです。だから、実際に、3年連続で立科町でワーケーションを計画されていた企業さんには、「3年目は立科町も良いですけど、この地域もどうですか?」と言って、茨城は阿字ヶ浦でのワーケーションをご紹介しました。
ソトコト 立科町だけでなく、他地域に企業を紹介してしまう…まさにワーケーションコンシェルジュですね! ワーケーションで関係人口化ですね!

公認ワーケーションコンシェルジュとしても活躍。
2024年に、80人いる認定者の中でグランプリを獲得。
各地域にワーケーションの輪を広げていくことが重要!
渡邉 私がワーケーション参加者だったら、立科町だけでなく他の地域でのワーケーションも体験してみたい。新鮮さが大事で、日本の地域をいろいろ巡って、違う体験や経験をしてから、また立科町に戻ってきてくれたら、いいなと…。成長した姿で戻ってきたら、地域としてすごく嬉しい! この循環こそが、企業も地域も参加者も新しい知見、発見ができる三方良しスタイル。レベルアップできる座組みなんです。
ソトコト まさにワーケーションで地方創生、関係人口作りですね! 日本の各地域にいるワーケーションコンシェルジュの誘客的なネットワークが、三方良しのワーケーションを推進するのですね!
渡邉 そうですね。実際に茨城や宮崎など公認ワーケーションコンシェルジュがいる地域から、立科町に企業をご紹介いただける…誘客いただけるケースも出てきました。
ソトコト 立科町がハブとなって、全国の各地域と企業を繋いでいく…これが立科町が描くワーケーションの未来ですか?
渡邉 はい! 別に立科町がハブでなくてもいいんです! 日本のどの地域でもハブとなって、ワーケーションの入り口となって、日本全国をワーケーションで巡る…結果、地域も企業も人も成長する三方良しシステムを構築。それが次の目標ですね。

他の地域も紹介していくことで、
日本全国にワーケーションの輪を広がっていく…。
前編
企業に立科町ワーケーションを提案! 地域PRにもなるワーケーションとは⁉【ローカル×ワーケーション⑤】
中編
立科町の地域ワーケーションに、企業が殺到する理由とは⁉ 社員の仕事意識はどう変わる?【ローカル×ワーケーション⑥】
【渡邉 岳志プロフィール】
株式会社信州たてしなDMCで、立科町のワーケーション「立科WORKTRIP」を推進。元々は広告代理店に勤務。その後、立科町に移住し、地域のワーケーション推進業務に従事。ワーケーション利用者の要望に沿ったプランを最小のやりとり&最速で、これまで延べ1,500名の企業合宿型をコーディネート。ワークマシマシ、成果がっつりの開発合宿、オフサイトミーティング、アイデアソンなど、企業に稟議を通しやすいワーケーションを企画、提案。
【一般社団法人日本ワーケーション協会プロフィール】
ワーケーションを通した「多様性が許容される社会実現」を目指し、2020年7月に発足。300を超える会員(自治体・企業・個人)とともに、様々な取り組みを行っています。












