【ソトコト×日本ワーケーション協会連載】ソトコトと日本ワーケーション協会がコラボして、各分野、各地域で活躍するワーケーション推進者をゲストに迎えて、毎回対談。ワーケーションにおける現在地や未来の展望を語ります。
前回の第10回目(中編)に続いて、今回は第10回目の後編。引き続き、ゲストは一般社団法人官民共創未来コンソーシアム上席理事の箕浦龍一さん。これまで官民連携ワーケーションについてお聞きしてきました。最後の締めくくりとして、個人的にワーケーションで一番大切にしていることについて語っていただきました。
ワーケーションで会社や組織への依存を脱却し、「人間らしさ」を取り戻そう!
ソトコト これまで、官民連携ワーケーションを推進してきた箕浦さんですが、箕浦さん自身はワーケーションは個人にどのような影響を与えると思いますか?
箕浦 一番は「人間らしさ」を取り戻せることだと思います。私が総務省にいた頃、休憩中に職場で定年間近の職員から「来年で卒業だ」と寂しそうに言われたことがありました。その人の発言を聞いて、「会社内や組織内でしか生かされていない」と感じているんだなと…。その人のキャリアが全く生かされていないと感じたんです。
ソトコト 他の定年前の方の話を聞いていると、定年した後、組織の看板が外れることに怖さを感じている人も多いようです。
箕浦 そうです、働くことは「生きること」でもあります。しかし、会社で働いていることは、いくつかあるライフステージの1つでしかありません。自分の生き方がブレていなければ、会社や組織の外に出ても怖さや寂しさは感じないかと思います。会社や組織以外でも、社会から必要とされる喜びを感じることができれば、怖さや寂しさを感じることはありません。私はワーケーションを通じて多様な世界に触れることで、自分自身の生き方を見つめ直す大きなきっかけになりました。自分の足で外の社会と関係性を築くことで、会社や組織への過度な依存から脱却できるのです。

今いる場所から一歩抜け出すきっかけに!
ソトコト 箕浦さんはワーケーションによって人生が変わり、ワーケーションによって、地域のいろいろな方と交流を楽しんでいるんですね!
箕浦 実は私自身は人見知りで、ワーケーションに行っても知り合いがいない場所だと積極的に繋がりを作れなくて…。ホテルに缶詰になって小説家のようにひたすら仕事をすることもあるんです(笑)。ワーケーションには「これをやらなきゃいけない」という強制はありません、自由ですから!
ソトコト 組織や会社に束縛されないのが、ワーケーションの良さでもありますよね!
箕浦 逆に知り合いがいる地域だと、そこから別の繋がりが生まれたりして、思いがけない「セレンディピティ(偶然の幸運な出会い)」が起きることが多いです。今はデジタル時代になり、リアルとオンラインが融合したハイブリッドなコミュニティが関係性を継続させてくれます。だからこそ、自らが外に出ていろんな人と繋がっていくことが重要なんです。

「熱中小学校」の取り組みに参加したときの写真。
さまざまな地域を訪問することで
思いがけない出会いが!
人は皆それぞれ違う…ワーケーションでは、いろんな人の話を聞いて認め合うことが大事!
ソトコト 最後に、官民連携ワーケーションで一番大切に考えているポイントについてお聞かせください。
箕浦 「多様性を認め合う」ことです。人はそれぞれ皆異なる価値観を持っていると理解すること…自分と周りの人は考え方は違うんだと! そして、人は皆、自分の知らない何かを持っており、自分とは違う何かを感じているんだ、お互いが認め合うことが重要です。地域の中の人と外の人が混じり合い、相手にリスペクトを持って真摯に耳を傾ける。そこから生まれるプロセスを私は「学び合い」だと思います。これこそがワーケーションの本質的な価値だと思います。私は毎回ワーケーションを振り返った時に、自分はもう知っていると常に驕らずに、若い人たちの意見にも耳を傾けて学び続けることを大切にしています。これが、人間的な成長、精神的な若さを保つ秘訣だと思います。
ソトコト 常な話を聞く姿勢、学ぶ姿勢が大事だということですね!
箕浦 ワーケーションを実践すると、ワーケーション先で出会う人たちとの間には、会社や肩書きなどに関わらずにフラットな関係が生まれます。いろいろ話をして盛り上がって、後から名刺交換して…「あ、こんなことしてる人だったんだ…」みたいな…。旅先という非日常性の場だからこそ、会社や組織、肩書きの鎧を脱いだ関係ができやすいのも、ワーケーションの魅力であると思います。
ソトコト 示唆に富んだ内容をありがとうございます!

異なる立場の人に耳を傾けることが、
新たな一歩に!
前編
ワーケーションを推進するために国家公務員を辞職! 官民連携ワーケーションの新しい夜明けは、ここから始まった!【ローカル×ワーケーション㉗】
中編
待ってるだけではダメ! 官民連携ワーケーションのカギは、いろんな地域に自ら足を運んでできる濃厚なコミュニケーション【ローカル×ワーケーション㉘】
【箕浦龍一プロフィール】
1991年総務庁(現総務省)入庁。働き方改革等で実績を上げ、2021年に退職し、独立。一般社団法人官民共創未来コンソーシアム上席理事、一般財団法人地域活性化センターシニアフェローとして全国の地域活性化や人材育成に尽力。
【一般社団法人日本ワーケーション協会プロフィール】
ワーケーションを通した「多様性が許容される社会実現」を目指し2020年7月に発足。300を超える会員(自治体・企業・個人)とともに、様々な取り組みを行っている。











