寄木細工を知っているだろうか。さまざまな樹種から挽いた木片を組み合わせて模様をつくり、仕立てた伝統工芸品だ。
OTA MOKKO おちょこ、トレー、道具箱
実は小田原・箱根エリアが日本で唯一の産地で、江戸時代から技術が継承されてきた。その世界に魅せられた若き職人が、太田憲さん。以前は店舗などの施工現場で働いていたが、ものづくりが好きで、小田原・箱根の寄木細工の独特な技法に惹かれて2003年から修業を始め、2012年に独立した。
「やっていくうち、寄木細工の奥深さが見えてきました。いろいろな木材を使うので、樹種や木の部位による特徴、木目などをつかまないといけないんです。自然の色合いを生かしてつくるため、木を選ぶところから職人の感性が出ます。木の個性が寄せ集まったとき、どういう表現になるか考えるのが寄木のおもしろさの一つです」。同系色でまとめたり、濃い色をアクセントにしたり……、彼の色合いの感性や技術による木々の表情を、ぜひ手にとってみて。
1979年生まれの小田原・箱根の寄木細工職人・太田憲さんによる、『OTA MOKKO』の日用品。「ふだんから使ってもらえる身近なものをつくるようにしています」と太田さん。おちょこ、トレー、道具箱など日常の暮らしで使いやすい道具を中心に制作をしている。小田原市板橋にある『OTA MOKKO』の実店舗を中心に販売中。●4860円〜(OTA MOKKO https://ota-mokko.com)
\ここがオススメ/
30種類弱の木材から、さまざまな表情が生まれる。
木材は北海道から沖縄までの国内産がほとんどで、海外産も少し取り扱っている。使っている木材は、実に30種類弱になるとか。