千葉県内から、美しく迫力のある富士山が望めることをご存じでしょうか? 「ダイヤモンド富士」と呼ばれる富士山頂に沈む夕日を撮影するために、千葉県を訪れる人たちがいます。どこで、どんな写真を撮ることができるのか、南房総で写真を撮り続けているカメラマンに聞いてみました。千葉を訪れる前にこれを読めば、あなたも美しい富士山の写真を撮ることができるかも? 写真:富津市マザー牧場からのダイヤモンド富士と、右側に東京湾観音 写真提供:小宮晃
夕やけに染まる空に浮かび上がる富士山
国土交通省が選定した「関東の富士見百景」には、船橋市、館山市、木更津市、富津市、南房総市など千葉県内からも多くの場所が選出されています。南房総エリアからは海越しに富士山を見ることができ、夕やけに染まる空に浮かび上がる富士山を堪能できます。

天候で昼間に富士山が見えていなくても、夕暮れどきに富士山が浮かび上がることがよくあります。富士山が見えないからと早々に諦めることなく、夕日が沈むころに富士山が見えないかチェックしてみてください。

ダイヤモンド富士はいつ、どこで見られる?

南房総エリアをフィールドに、美しい夕日や満月の写真などを撮り続けている小出一彦(こいでかずひこ)さんは、地元の新聞でも「夕日の小出」と称され活躍しています。小出さんに、ダイヤモンド富士の撮影時期と場所について聞いてみました。
小出さん「ダイヤモンド富士は、朝日が富士山頂に出てくるときや夕日が富士山頂に降りるときに見られます。南房総では夕日のダイヤモンド富士で、4月下旬の鋸南町(きょなんまち)からだんだん南下し、館山湾は5月中旬、6月初めの白浜根本海岸まで見ることができます。これとは逆の北上が7月上旬の白浜根本海岸から始まり、鋸南町の8月中旬まで続きます。人気のスポットは、桟橋のある富浦町原岡海岸や北条海岸です」
富士山が見える場所で天候がよければ、冬至から夏至に向かう時期と夏至から冬至に向かう時期の年に2回、ダイヤモンド富士を見られるチャンスがあるということです。

小出さん「富士山に近いと太陽や月が小さく見えます。逆に富士山に遠いと太陽や月が大きく見えるので、南房総から見る富士山の眺めはちょうどいいバランスだという人もいます」
たしかに南房総から眺める富士山には迫力がありますし、そこに沈む太陽や月は、富士山に対して小さすぎることもなくきれいに見えます。考えたこともありませんでしたが、見る場所が変わればこのバランスもまた違って見えるのですね。
次のページでは、美しいパール富士の写真とともに「パール富士の撮影は難しい?」を紹介します。