MENU

地方

PR

特集 | 東京の島々から私のお気に入りを見つける、あれこれ特産品座談会開催!

【家に常備したくなる「調味料・加工品」編】東京の島々から私のお気に入りを見つける、あれこれ特産品座談会〈第三回〉開催!

  • URLをコピーしました!
東京都には11の有人離島があります。そこは「東京」でありながらも、思わず息を呑むほど力強い自然や、昔ながらの人の暮らしが息づくオアシスのような場所。島ごとに個性が豊かで、宝物のような魅力にあふれる島々はまさに「東京宝島」。そんな島々に想いを馳せる中、どうにか自宅でも島のよさを体感できないものかと思い立ち、あれこれ感想を言い合うこの座談会がスタートしました!
『東京愛らんど』で扱う各島の選りすぐりの特産品​​の中からセレクトし、関係する方々と“勝手に”盛り上がる本企画。第三回目は「調味料・加工品編」です!

おいしくて実用的! 東京諸島発の調味料&加工品の数々。

日本全国のステキな特産品を、つくり手のストーリーとともに紹介している『ソトコト』編集部が進行役となり、以前、編集部とともに東京の離島を巡った編集者・乾祐綺さん、東京諸島の地域振興を担い、東京諸島のアンテナショップ『東京愛らんど』を運営している『東京都島しょ振興公社』の方々とで、島に思いを馳せる「東京宝島へ誘うチーム」を結成。

日本のローカルの特産品に興味があるゲストや、『ソトコト』が企画・運営に関わっている、 地域と首都圏に住む人々をつなげる「関係人口講座」の受講生とともに「あれこれ特産品座談会その3 テーマ『調味料、加工品編』」を開催しました。

いずれも島で採れる産物を生かした個性的かつ美味な逸品ばかり。意外な使い方の提案があったり、ゲストによって至福の一皿に仕上げられたりと、大いに盛り上がった回となりました。

まずは今回の「調味料・加工品編」の参加メンバーの自己紹介から。「料理開拓人」堀田裕介さんを筆頭に、食べることが大好きな2名が参加。さまざまに話が広がる、楽しい談義となりました。
 (165284)

左から、『東京都島しょ振興公社』の下河辺悠美さん、「関係人口講座」企画・運営メンバーの施依依さん、「料理開拓人」堀田裕介さん、「関係人口講座」修了生の成田昌多朗さん、『東京都島しょ振興公社』の百井陽敏さん、写真家・編集者の乾祐綺さん。
乾祐綺さん
写真家、編集者。昨年はソトコト編集部ともに大島、利島、新島、御蔵島、青ヶ島を巡った。「仕事柄、各地の郷土料理を食べる機会も多いです。今日も島の恵みを楽しくいただきたいと思います!」。
下河辺悠美さん
『東京都島しょ振興公社』事務局長。「公社の仕事は島に軸足を置き、地域振興をお手伝いする団体。今日の座談会から島の新たな魅力を見つけ、発信できたらうれしいです」。
百井陽敏さん
『東京都島しょ振興公社』業務課 課長代理。新島村役場から派遣。「式根島出身です。普段はイベントでの特産品販売や、農業や漁業体験事業などを担当。本日は島の調味料をみんなで食べられる機会と聞き、個人的にも楽しみにしております」。
 (165288)

本日の座談会テーマ「調味料・加工品」で集まってくれたゲストの3名。特産品をおいしく味わいます!
堀田裕介さん
料理開拓人、生産者と生活者を繋ぐ料理研究家。旅やさまざまな活動を通じて出合った食材や、すてきな生産者さんの想いを広めるべく、ケータリングや「EAT BEAT!」などのイベントを通して、 食べることへと人々を誘う活動を行う。2022年5月には広東風粥専門店『Rice Meals FoTan(ライスミールスフォータン)』を大阪府中津にオープン。
施依依さん
“人間の創造性の解放を促す”をテーマにした雑誌『新百姓』発行人。「みずコトアカデミー」3期の企画・運営に関わる。「島といえば、以前沖縄の阿嘉島に一度行って大好きになりました。東京の島は一回も行ったことがないので、今日はすごく楽しみです」。
成田昌多朗さん
一級建築事務所『間絲』代表。豊かな水資源で知られる福井県大野市と首都圏をつなぐ関係人口、「みずコトアカデミー」修了生。「島が大好きで訪れてみたい場所がたくさんあります。東京の離島はNHKスペシャルを観てからずっと行きたいなって思っていました!」。

特製おかゆをベースに、島の調味料を試食!

編集部 まずは島の調味料をみなさんに試食していただきます。堀田さん特製のお粥に、島の調味料を足しながら味わってみてください!
 (165293)

左から御蔵島の「御蔵島かぶつポン酢 かぶつっス」「御蔵島かぶつしょうゆ」、父島の「薬膳島辣油」、大島の「島醤油」。
 (165295)

この日、堀田さんが調理してくれたお粥は超美味! 参加一同、大絶賛の味でした。
成田昌多朗さん(以下、成田) うわ、このお粥自体がうまい!

施依依さん(以下、施) 本当、これだけでおいしい!

堀田裕介さん(以下、堀田) ありがとうございます。広東風のお粥専門店『Rice Meals FoTan』を大阪でやっていて、今日のお粥のベースは店で出しているものになります。乾燥した貝柱やエビ、ナツメ、湯葉などを生米と一緒に3時間ほど炊き上げています。

下河辺悠美さん(以下、下河辺) こんなおいしい仕事、幸せです!

 (165297)

「このお粥、無限に食べられる!」「うん、おいしい!」と施さんと成田さん。
堀田 調味料の味わいをしっかり感じていただきたくてお粥を持ってきました。このお粥に、みなさん好きな調味料を入れて試してください。ベースの旨味と、調味料の掛け合わせでおいしさが何倍にもなります。

成田 「御蔵島かぶつしょうゆ」、めっちゃおいしい。柑橘系の入った醤油なのかな? お粥の出汁の旨味と、酸味、醤油の味のバランスがいいです。

乾祐綺さん(以下、乾) 冷やっこなどにも合いそうな味。さっぱりしているけど、しっかり醤油。

下河辺 「かぶつ」は御蔵島で昔から親しまれてきた柑橘。橙とか、カボスのような酸っぱい味わいが特徴なんですよ。

堀田 実は、僕も「御蔵島かぶつしょうゆ」がお粥にイチオシ。醤油と柑橘を合わせたものだと、多くがポン酢っぽくなりがちなんだけど……そこを、あえて醤油にこだわった味に仕上げている感じがします。

 同じ御蔵島の「御蔵島かぶつポン酢 かぶつっス」。こっちはポン酢なんですね。酸味が結構くる感じで、それがいいです。

 御蔵島の冬を思い出します。料理やお正月飾りをはじめ、暮らしになくてはならない島の味。最近、商品化されたものですよね、これ。

百井陽敏さん(以下、百井) そうです。島の特産品を積極的に開発されている『ふくまる商店』さんがつくってくれました。

堀田 大阪は実はポン酢文化で、ご当地ポン酢も多く、僕も大好きです。これは結構マイルドな味。ベーシックに鍋に合いそう。島のお魚とセットで販売したらもっと売れそうに思いました。

 (165299)

注ぎやすいボトルも好評だった「御蔵島かぶつしょうゆ」。
 (165300)

爽やかな柑橘の風味が食欲をそそる「御蔵島かぶつポン酢 かぶつっス」。
成田 父島の「薬膳島辣油」を試してみます! おー、これ、ケホッて咳き込むくらい辛い! でもうまい! (ちょっとした後に)あ、結構な辛さかも……。

下河辺 そもそも今の量はかけ過ぎですよ(笑)

 辛さの中に山椒が効いていていいですね。

堀田 中華粥は辣油を入れたりしますから、「薬膳島辣油」も合うと思います。でも、ビンの形状からか、中身の山椒などのスパイスが残っちゃうかも?

下河辺 スパイスだけが残ったら、瓶にほかの辣油を注いで使ってます、私(笑)。

堀田 確かに。そういう使い方はいいですね。

 (165302)

パッケージの表記通り、「薬膳島辣油」をしっかりと振る施さん。オイルとスパイスをよく混ぜて使うのがコツ。
 (165303)

「薬膳島辣油」はかなりの辛さだが、クセになる旨味がある。
下河辺 大島の「島醤油」もいいですよ。島の唐辛子を使った、たまり醤油。ちょっと、とろみのあるような感じ? お粥とすごく合う。

堀田 醤油の味がしっかりあって、ほどよい辛味もある。肉系、卵料理によさそうですね。

 これ、なんにでも合いそう。卵かけごはんで使ってみたいかもです。

百井 自分も好みの味ですね。アジフライなど、揚げものにかけて食べたい。

成田 これ、薄めたら、みたらし団子のタレにもなりそう!

 斬新ですね、さすが成田さん!

 (165305)

さまざまな料理にもかけて食べたい「島醤油」。

シンプルな島の塩は、欠かせない基本調味料。

 (165307)

左から青ヶ島の「ひんぎゃの塩」、父島の「小笠原の塩」。
編集部 塩もぜひ。今日は、青ヶ島の「ひんぎゃの塩」と父島の「小笠原の塩」を用意しました。

成田 「ひんぎゃ」ってなんだろう。

下河辺 火山の島である青ヶ島では、地熱によって水蒸気が噴出する噴気孔がたくさんあって、そこを「ひんぎゃ」と呼びます。「ひんぎゃ」は火の際(ひのきわ)が語源と言われています。「「ひんぎゃの塩」は、その蒸気を活用し、海から汲み上げた海水を使ってつくります。

成田 水蒸気なんですね。青ヶ島には温泉もあるんですか?

 温泉はないんですが、蒸気を使ったサウナがあって最高でした!

 お塩で食べるお粥もおいしいですね!

成田 「ひんぎゃの塩」は粒が細い感じ。「小笠原の塩」は結晶というか、粒を感じる。どっちもお粥に合いますね。ミネラル分を感じられる豊かな味です。

百井 どちらもですが、「小笠原の塩」は天ぷらにも合いますよ!

下河辺 日本酒との相性も最高です。甘みが引き立つんです。「ひんぎゃの塩」をつまみに延々飲めます(笑)

 (165309)

お粥との相性も抜群な「ひんぎゃの塩」。
 (165310)

「小笠原の塩」は舌触りが評判。使い勝手がよい塩。
 (165311)

真剣に、かつ楽しみながら特産品を試食する参加者たち。

島の唐辛子と麺で、さらに調味料を深める。

 (165313)

左上から時計回りに大島の「あしたばそば」、御蔵島「あしたばうどん」父島の「からいっす(酢)」と「からいっしょ(酢醤油)」、「薬味島唐がらし」。
編集部 大島の「あしたばそば」が茹で上がりました!

成田 あ、香りがする! 明日葉って、島に自生している植物なんですよね?

百井 はい、小笠原は聞いたことがありませんが、それ以外の東京諸島のどの島にも生えています。お浸し、ツナマヨ和え、天ぷらなど、さまざまな料理でいただきます。

 島の暮らしになくてはならない植物ですね。取材で行った際、それこそ毎日食べていました。これ、パッケージもかわいい。大島の「あんこさん」ですね。

下河辺 「あんこさん」は、大島では目上の女性に対する敬称。この着物と前掛けのスタイルが特徴的です。

成田 明日葉は少しヨモギのような感じかなあ。「あしたばそば」、いい香り。

 「あしたばそば」に「ひんぎゃの塩」を付けて食べてみます。うん、これもおいしい。

堀田 塩、いいですねえ。ワサビを加えたら、もっと香りがたつかも。先ほどの「かぶつっス」も合いそうですね。

下河辺 今、ペアリングを思いつきました! 先ほどの「かぶつっス」と「薬膳島辣油」を混ぜて「あしたばそば」に和えたら……。あ、これおいしい!

成田 うん、まぜそばのお店の味みたい! プロの味になりますね。

堀田 普通につゆで食べるより、ピリ辛にして食べるのもいいですね。明日葉担々そば、とかおいしそうです。

百井 勉強になります! レシピとセットで販売したいです。

 (165315)

茹でる前も茹でた後も緑色が鮮やかな、「あしたばそば」。
 (165316)

「御蔵島かぶつポン酢 かぶつっス」と「薬膳島辣油」を混ぜて「あしたばそば」を食べるなど、島の特産品を使った即興アレンジを楽しむみなさん。
 (165317)

アレンジを試す百井さん。「島の暮らしの味を特産品にしたアイデアがいいですね」。
編集部 次は「御蔵島 あしたばうどん」が茹で上がりました! いろいろ薬味や調味料を試してみてください。

堀田 せっかくなんで、さっきの「島醤油」で出汁をつくってみました。

 平打ちの麺で、スルスル食べられて好き〜。

堀田 太い麺にしなかったのはなぜだろう? 食べやすさ重視かな。

下河辺 「御蔵島あしたばうどん」、温かいのもいいですね。

堀田 そうなんです。冷たいのも試したのですが、僕も温かいほうが好きでした。

 (165319)

キッチンで話すゲストたち。「御蔵島あしたばうどん」は味や麺の形状が好評価だった。
 (165503)

「御蔵島 あしたばうどん」を「島醤油」の出汁で。
成田 父島の「薬味島唐がらし」もかけてみよう。(うどんを一口食べて)うどんに合うなあ。これなら、たくさんかけてもいいかも。

 「薬味島唐がらし」は山椒や柚子の風味がいいですね。

堀田 香りがいいですよね。温かい食べものにかけると、さらに香りが立ちます。シンプルな和の料理には、これ(薬味島唐がらし)が合うと思います。

 父島の「硫黄島 一味唐がらし」というのもありますね。あれ、硫黄島って、小笠原にあるんですね?

下河辺 はい、映画『硫黄島からの手紙』でも有名ですね。今は人は住んでいませんが、自衛隊の基地などがあるんです。式根島でも島唐辛子を食べていました?

百井 はい。ワサビが採れませんから、刺身には唐辛子が基本。白身の魚との相性がばっちりなんです。

 (165505)

山椒や柚子の風味が高い「薬味島唐がらし」。
編集部 硫黄島唐辛子を使った「からいっす(酢)」「からいっしょ(酢醤油)」もぜひ試してください。

百井 島唐辛子を酢に漬け込んだのが「からいっす(酢)」、酢醤油に漬け込んだものが「からいっしょ(酢醤油)」です。

下河辺 「からいっす(酢)」は沖縄のコーレーグースのような感じでしょうか。

成田 なるほど! ソーキそばみたいな、ちょっと油っぽい感じの料理に合いそうですね。

下河辺 タンメンにかけてもいいかもですね。

 「からいっす(酢)」は餃子で食べたいかなあ。「からいっしょ(酢醤油)」は春巻きとか?

堀田 中華系との相性はいいと思います。

 酸っぱいけど甘みもあって……。肉料理にアレンジしたらおいしそうですね!

 (165507)

 (165508)

「からいっす(酢)」、「からいっしょ(酢醤油)」の可能性を探る参加者たち。

島の特産品をふんだんに使ったパスタ料理が登場!

 (165510)

左から、新島の「ぺぺろんおいる」、父島の「硫黄島一味唐がらし」、利島の「明日葉椿油ソース」と「食用つばき油」。
編集部 堀田さんがおいしい組み合わせを考えてきてくださったそうです! 新島の「ぺぺろんおいる」に、父島の「硫黄島一味唐がらし」、利島の「食用つばき油」をブレンドして、まずはペペロンチーノ風のパスタをつくり……

 え! なんだか、これだけですでにおいしそう!

成田 調理風景、見ているだけで癒されます(笑)

堀田 そこに、さらに利島の「明日葉椿油ソース」を入れちゃいます!

百井 え、一瓶丸ごと?!

堀田 はい。こういうのはお土産でもらったら贅沢に使うのがいい。だいたい、一回開けて、残ったりしますから。最後に、仕上げにまた「食用つばき油」をかけます。

下河辺 キラキラしてます!

堀田 ちなみに今日のこれ、フライパン1つでパスタができる「ワンパンパスタ」です。SNSで結構話題になっていますよ!

 (165512)

「ぺぺろんおいる」と「食用つばき油」、「硫黄島一味唐がらし」を合わせ、ソースのベースをつくり……。
 (165513)

そこへと「明日葉椿油ソース」を投入! 一瓶丸ごと入れる大胆さが肝。
 (165514)

仕上げに「食用つばき油」で“追いオイル”。
 オイルたっぷりな感じがしたんですが、かなりさっぱりしてます! おいしいです!

堀田 一つは乳化がうまくいったことがあります。水分と油分がうまく混ざったんですね。あとは、明日葉の風味かな。

下河辺 明日葉の香りもすごくする。おいしい。いい感じに全体の味を締めていますね。

堀田 明日葉感は、この「明日葉椿油ソース」が一番すごかったかも。

成田 個別で味わってみますね。「明日葉椿油ソース」は、さっぱりだけど深い味がします。舌触りは海苔みたいな感じかな。でも、食感は残っていて…。

堀田 焼いたバゲットに、にんにくペーストと、この「明日葉椿油ソース」を載せて食べてもおいしそうです。

 それ、食べたい。

成田 「ぺぺろんおいる」は、あれ、これは結構辛め。見た目からはそんなイメージないのに(笑)

堀田 一見、ハチミツみたいにマイルドなパッケージだけど、これかなりパンチありますよね(笑)

 (165516)

この日のパスタ。味のまとまり、オイルの絡み具合など、すべてが完成された味。

酸味系調味料と島らしいカレーを楽しむ。

 (165517)

左から父島の「オガスコ」、三宅島の「島スコ」、「三宅島のあしたばカレー」。
編集部 また違う調味料たちを。パスタに父島の「オガスコ」、三宅島の「島スコ」を入れてみてもいいかもです!

下河辺 「オガスコ」、「島スコ」どっちもパスタに合いますねえ。

堀田 ピザ、パスタ用として、どちらも開発したのではと思う味です。「オガスコ」は辛味もあるけど程よい酸味。トマトやチーズと合いそう。「島スコ」は酸味が強めなので、ドレッシングにしてみたいかなって思いました。

成田 島のタバスコですね。そんなに辛くない。旨味を追加するのにいいです。

 どっちも島レモンのほかに、パッションフルーツを使っていますね。ほんのり、味わいを感じられる。

堀田 結構、この2つが家にあったら、いちばん使用頻度高そう。使い勝手がいいですね。

成田 「オガスコ」も「島スコ」も、ハイボールに入れてもよさそうじゃない?

施 それいい。成田さん、冴えてますね!

百井 勉強になります! 東京・竹芝のアンテナショップ『東京愛らんど』が各地のイベント出展する際に、「島ハイボール」というメニューで、島の焼酎に小笠原レモンを入れて提供することもあります。そこに入れてもいいかもしれませんね。

編集部 堀田さん、先ほどパスタで使った「食用つばき油」の使い勝手は?

堀田 高級だから、こんな機会じゃないと思い切って使えない(笑)。そして香りもきつすぎず、料理に支障が出ない。香りもツヤ感も出ます。ちょうどいいオイルだと感じます。実際、島ではみんなどう使っているのですか?

下河辺 オイルフォンデュで提供するお店などはあります。すりゴマなどと混ぜ、自家製のドレッシングとして出すところもあるようです。

 (165520)

成分表を確認しながら料理とのマッチングなどを解説してくれた堀田さん。
編集部 最後は締めにカレーを! 「三宅島のあしたばカレー」です。これはそのままでどうぞ。

成田 このカレー優しいおいしさ……。

 ほうれん草のカレーみたい。インドのサグカレー的な。

堀田 これ、完成されていますね。僕は、これを出汁で延ばして、とろみ付けて、カレーうどんにして食べましたけど、そういうアレンジも楽しいです。

下河辺 久しぶりに食べましたけど、やっぱりおいしいです、これ。

 明日葉って、個性的な味ですけど、本当にいろいろな料理に合うんですね。しかも、東京諸島ならではの植物ですし、お土産にいいですね。

 (165542)

カレーの中にほのかに明日葉を感じることができる、優しい味わい。

今回、好きになった特産品は……。

編集部 島が誇る調味料と加工品の数々、いかがでしたか? 今日の振り返りをお願いします!

 まず、堀田さんがつくってくださったお粥自体がおいしかったです! それに合わせてかけた「かぶつしょうゆ」が、私は一番だったかなあ。これを使うと、醤油なんだけど、ちょっと柑橘っぽくなる感じで好きです。日常使いができそうだなって思いました。あとは、悩ましいけど……「島醤油」! これも日常の食卓で活躍しそう。下河辺さんが発見した「からいっす」と「薬膳島辣油」のペアリングもやばかったです。まぜそば、おいしかったです。

 堀田さんが島の特産品をさまざまにミックスして、いろいろな味わいをつくりだしてくれたのが楽しかったです。秀逸だったのは、やはりパスタ。椿油は以前、天ぷらの揚げ油で食べたことはあったのですが、パスタに使うという意外性。そして「明日葉椿油ソース」を瓶丸ごと使う大胆さだったり。まぜそばのペアリングも本当においしくて、島の特産品を使ったメニューをどこかの店で出してほしいと、本気で思いました。

 (165525)

「どれもおいしくて驚きました。まぜそばみたいなアレンジは家でもやってみたい!」と施さん。
成田 僕は「薬膳島辣油」。ボトルはちょっと使いにくいけど、辛味、風味、全部がよくて、いろいろな使い方をして楽しみたいと思いました。難しいこと考えないで、なんでも使えちゃいそうですし。普段の生活に一番寄り添ってくれる感じがしました(笑)。あとは、僕も島醤油。スーパーで買ってきた安い刺身なんかも、よりおいしく食べられそうだし。そして「ぺぺろんおいる」。意外性っていうか、ギャップがすごい。おとなしい顔して、なかなかに辛いやつでした(笑)

百井 自分は、堀田さんが調理してくださったパスタが最高でした。明日葉の素材の味もしっかりあって、でも、ちゃんとペペロンチーノのパスタになっている。椿油もたっぷり使って、小笠原の島唐辛子も入って、「ああ、島の特産品を食べているんだ!」って感じが、すごくよかったです。「あしたばそば」を「ひんぎゃの塩」で食べたのもおいしかったです。こういう食べ方をしていませんでしたが、塩の粒が麺に絡んで非常に味わい深かったです。

 (165527)

「東京の島々にこんなに調味料や加工品があること自体知らなかったのでおもしろかった」と成田さん。
下河辺 どの商品も島を近くに感じられる、すばらしい商品だと、今日改めて思いました。調味料って一つ買うと結構残ってしまうこともある。そういう意味で、汎用性を考えると「かぶつ醤油」、「薬膳島辣油」はずっと使えそうだと思いました。個人的には「オガスコ」。最後にもう一回味わって復習しましたが、これを焼き鳥にかけて食べたいと思いました。あとは「三宅島のあしたばカレー」も、単体で食べておいしいなあって思いました。

堀田 「かぶつ醤油」は僕も衝撃。ポン酢でなく、柑橘を混ぜた醤油って斬新だったし、こだわりを感じました。お粥を柑橘系で合わせると、どうしても鍋っぽくなってしまうのですが、これはアリかなって。調味料は“思い出ツール” みたいなもので、食文化を家に持って帰ってまた島を楽しめるものだから、島でずっと食べられてきたものを商品化して、それを買えるとうれしいです。あと、意外ともらっても「これ、どう使うの?」ってものも多いので、レシピなんかと一緒に販売するのもいいかもしれませんね。

 (165529)

「調味料などは使い方とともにレシピなどがあると買いやすいかも」と堀田さん。

今回の島紹介は、「三宅島」&「御蔵島」!

「三宅島」
本土側から6番目に位置する三宅島。珍しい野鳥が多く見られる「バードアイランド」として、野鳥愛好家の間では知られており、雄山を中心に集落が形成された火山島です。普段は立ち入ることのできない国立公園内をオフロードバイクで疾走するレースの開催をはじめ、近年では有名クライマーも絶賛したボルダリングの島として知られたりするなど、「スポーツの島」としての動きも注目です。
 (165532)

「御蔵島」
東京・竹芝桟橋から大型船、またはヘリでアクセスが可能。御蔵島は島の周囲にミナミバンドウイルカが約130〜150頭定住し、イルカウォッチングができる島として世界的に知られています。春から夏にかけて、イルカを楽しみに多くの観光客が島を目指します。他方、島内には圧倒的な原生林が繁茂。一カ所ある集落を除けば、島のほとんどが深い森に覆われ、多くの巨樹も確認されています。世界最大規模のオオミズナギドリの繁殖地として、また年間降水量が3000mmを超える、水の豊かな島という特徴もあります。
 (165534)

東京諸島をもっと知ろう!【塩と唐辛子編】

島ならではの調味料として、結構つくられているのが塩。今回ご紹介した「ひんぎゃの塩(青ヶ島)」や「小笠原の塩(小笠原・父島)」はその一部で、最近では新島でも塩をつくり始めています。江戸時代は年貢として塩を納めていたという歴史もあります。各島の塩を食べ比べると味わいが全然違っておもしろいです。刺身や天ぷらなどもいいですが、私が好きなのはゆでたまご。はまっています。
島唐辛子もよく使います。赤唐辛子も食べますが、青唐辛子のほうが好まれているようで、お刺身も、醤油に青唐辛子を割って入れ食べるのが一般的です。東京諸島の代表的な郷土料理で各島個性豊かな「島寿司」がありますが、大島の「べっこう寿司」は、唐辛子を醤油に漬け込んでお寿司にしています。結構辛いですがやみつきになるおいしさがあります。
 (165537)

みなさんはどの特産品が気になりましたか? ぜひお家で試してみたいと思った方、ギフトに良さそうと思った方は、『東京愛らんど』のECサイトから購入して試してみてくださいね!
次回のテーマは【海の食編】を2023年2月下旬に公開予定。どうぞお楽しみに!
東京11島の魅力を掘り起こし、磨きをかけ、広く発信する「東京宝島」のHPはこちら。
また、ゲストの堀田さんが今回のご縁をきっかけに、以前より気になっていた“くさや”に挑戦。その様子(堀田さんのYouTube)はこちらから。
photographs & text by Yuki Inui

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

よかったらシェアしてね
  • URLをコピーしました!

関連記事