まずは電話注文
山梨県は石和温泉、下部温泉をはじめとする温泉県である。その中でも、山梨県でおそらく初となる温泉宅配をはじめたという「草津温泉」から宅配温泉を頼んでみた。(ちなみに山梨県なのになぜ草津温泉という名前なのかというと、創業者が群馬県草津出身だから。)
宅配エリアは草津温泉から10km圏内で2,000円、それ以上は1kmにつき+200円。ホースで供給するため、2階までの宅配ということだ。さっそく電話で注文し、住所と名前・住宅のタイプ・希望の日時を伝えて温泉が届くのを待つ。
予約当日
家の前に温泉トラックが到着。宅配してくれたのは代表の堀内美保さんと息子の達也さん。簡単に挨拶を交わしたあと、お風呂場の位置を確認して作業がはじまった。
温泉が入ったタンクから青いホースをお風呂場まで伸ばす。この光景をみてまさか温泉がこれから我が家に運ばれるとは誰も思わないだろう。
お風呂場の窓から伸びたホースによって温泉が湯船に運ばれる。草津温泉特有の緑がかった温泉が勢いよく湯船にためられ、ほんのりと温泉独特のにおいがお風呂場をかこむ。およそ5分ほどで完了。湯船すれすれまで入れてくれた。片足を突っ込んだだけで溢れそう。もったいない。バケツが欲しくなる。
入れてすぐの温度は47.7度。その日の気温や浴室環境によって1~2度の低下もあるそうだが、ほぼ源泉そのままの温度で加温・加水は一切なし。ラドン含有、ぼうしょう、重曹、食塩泉の4つの泉質でできた温泉は美肌の湯とも呼ばれ、皮膚の表面を柔らかくする効果が期待できるとか。美保さんいわく、この温泉で顔を洗うのもオススメらしい。
さらに温泉気分を味わうために柚子を投入してみた。緑色の温泉と黄色の柚子のコントラストが映えてさらにテンションがあがる。普通のお湯よりもすこしトロっとした肌触り。温泉は2日ほど利用できるそう。もっと自宅で気軽に温泉をたのしみたいという方は、月4回以上を前提にお得な定期コースを契約することもできる。とくに小さなこどもがいる家庭や、足腰が悪く外出がむずかしい方などにうれしいサービスだろう。
実際に入浴してみて
今回は13:00に温泉を入れてもらったのだが、サービスでエアクッション(プチプチ)を保温材にもらい風呂釜をしておいたところ21:00になっても42度と追いだきする必要なく入浴できた。お風呂の設備にもよるが、入浴時間より前に頼んでもよさそうだ。お風呂に温泉を入れただけでどこまで温泉そのものを感じられるのか不安だったが、色やにおいが温泉の存在をしっかりと強調してくれた。柚子の香りや温泉のにおいに囲まれながら目を閉じて大自然を思い浮かべたり、お風呂場の窓を開けて外の空気を感じながら、約1時間の入浴が終了。とても贅沢なひと時を味わえた。
世の中には入浴の際、お風呂場にプラネタリウムやミュージックをかけるなどといったさまざまな贅沢な楽しみ方があるが、温泉宅配も大いにそのひとつとして成り立つだろう。この温泉宅配、東京をはじめ全国各地で行われている。ぜひ「温泉宅配」を検索して実際に楽しんでみてほしい。
草津温泉公式HP
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