8月14日(月)に「無添菓宣言│/0(スラッシュゼロ)」を宣言。ユーハイムは、日本での創業100周年を迎えたことを機に、お菓子を「無添菓(むてんか)」と名付け、100周年記念キャンペーンを実施します。
ユーハイムが50年前に見つけた菓子作りの哲学「純正自然」
しかしある時、ユーハイムは食品添加物の使用をやめようと決めます。そのきっかけは、創業者カール・ユーハイムの妻であり、カールの死後はユーハイムの社長ともなったエリーゼ・ユーハイムが、工場の巡回中に怒りをあらわにしたことでした。
当時のユーハイムは、生産性と効率に重きを置いていました。そんな工場の様子をエリーゼは見るなり「コンナ菓子、ワタシオカシイ」と言って、帰ってしまったそうです。それは「もっと純正な材料を使って、一つ一つちゃんと手作りを大切にして、自然な味わいを追求しなさい。それが、創業者カール・ユーハイムが作ったお菓子であるはずです。」という社員たちへのメッセージでした。この時既に亡きカール・ユーハイムが作ってきた菓子は、確かに彼の技術を活かし、生産性よりも丁寧な仕事ぶりを大切にしていました。
社員たちは彼女の思いを汲み取り、1969年には「食品添加物を使わず、自然の原料だけで作る」という菓子作りの哲学を「純正自然」という4文字の言葉で表現し、取り組むことを決めます。それは当時の世の中の常識に対する挑戦であり、食品添加物に頼らない、職人による菓子作りを復活させようという決意表明でもありました。
困難を極めた「純正自然」への道のりと菓子職人の挑戦
1990年代半ば、ユーハイムはバタークリームケーキの「フランクフルタークランツ」から乳化剤と膨張剤を抜きました。すると、お客様の舌は敏感で「生地がボソボソになったのでは?」という指摘をいただくことがありました。職人たちはこの状況を受け「菓子職人の誇りにかけて、何としてもおいしさを取り戻そう」と、菓子の作り方を見直し、技術を取り戻そうと改善に努めました。その結果、社内でも「むしろ以前よりもおいしくなった」と自信を持って、フランクフルタークランツを販売することができるようになりました。また、2011年には、ユーハイムの定番商品であるバウムクーヘンに使っているバニラ香料をバニラビーンズに変更。職人たちは、まじりけのない自然な味わいを出せる材料の選別にもこだわりました。
こうして一つ一つの菓子を見直していきましたが、この頃に純正自然「未達」として残されたのは、様々な理由から食品添加物を使わないことに踏み切れずにきた商品ばかりになりました。
代々の職人たちがトライ&エラーを繰り返し、「おいしさ」という正解に辿りつこうと日々もがき続けました。それでも純正自然の壁を乗り越えるには、まだまだ時間がかかるのだと、社員皆が痛感していました。
ユーハイムが100年目に辿り着いた菓子「/0(スラッシュゼロ)」と「無添菓(むてんか)」
菓子に食品添加物を使わないことで、職人は素材の味わいを引き出しました。しかし、例えばパウンドケーキは食品添加物を使用しなくなったために、製造ロットによって出来上がりのサイズに差が出てしまうことがありました。バウムクーヘンのチョコレートコーチングでは、乳化剤を使用していないためドロドロになりやすく、工場の機械に支障が出ることもありました。
それでも50年という長い月日の中で抱え続けた「純正自然」という哲学を捨て去ることはできませんでした。代々の職人たちが継承してきた技術を使って「おいしさ」を進化させるにはどうすればいいのか。職人たちは疑問を抱えながら、ひとつひとつの菓子と向き合いました。
例を挙げれば、食品添加物がなく安定しない生地なら、少ないロットで生地を作ることを繰り返すことにしました。また、ただ食品添加物を使わないということに満足はせず、焼き菓子に大切なバターや卵の香りやコクが感じられるレシピを研究しました。更にお菓子を口にする時、一番おいしく、満足感を感じられる最適なサイズや厚みは何かも検証をしました。材料は厳選、ユーハイムオリジナル仕様の原料はメーカーと微調整を繰り返すなど、食品添加物の有無に関わらず、工程・レシピ・材料・味・形といった菓子のすべての要素を見直したのです。
更に、日々の製造ラインの中で、昨日よりも今日、今日よりも明日と、お菓子のおいしさを絶えず磨きこみ続けました。
そうして生まれた、油脂はバターオンリーで、卵の持つ起泡力を活かしたしっとり・ふんわりした生地のパウンドケーキ「純正バターパウンドケーキ」の発売を皮切りに、2022年の日本創業100周年のタイミングで数々の商品をリニューアルしました。
8月14日、ユーハイムは「無添菓宣言│/0(スラッシュゼロ)」を宣言します!
来たる2023年の11月1日には、現在本店を構える神戸での100周年を迎えます。
100年を迎えるに当たり、 代々の職人の系譜の中で磨き込まれてきた「純正な素材を使った、自然な味わいである、/0のお菓子」を「無添菓(むてんか)」と名付け、「ユーハイムのお菓子は無添菓である」と宣言します。
そしてお客様へ向け「昨日より今日、今日より明日と次の100年に向けて更にお菓子をおいしくし続けていく」と誓うことを決めました。
100周年記念キャンペーン Twitterで応募!「無添菓宣言│/0 フォロー&リツイートキャンペーン」 ユーハイムの原材料表示を拡散してくださった方の中から、ユーハイムのお菓子が毎月3名様に当たる!
・応募期間:2023年8月14日~11月30日 23:59まで。
・当選商品:ユーハイムのお菓子 毎月3名様(合計12名様)
※応募期間により、当選商品が異なります。
・応募方法:①ユーハイム公式(@juchheim_1909)をフォロー
②所定の投稿をリツイート
※詳細はURLよりご確認ください。 https://www.juchheim.co.jp/3954
【/0(スラッシュゼロ)とは】
食品表示の「原材料名」に「/(スラッシュ)」がないこと。食品添加物を表記する場合は、「/」などで区切ることが一般的なルール。つまり「/0」は食品添加物が使われないことの証です。
ユーハイム100年の歴史について
・第一次世界大戦中の1919年に作られた日本初のバウムクーヘン
・1922年に横浜に店をオープン 関東大震災で店舗を失うも神戸で再起
順調な日々もつかの間、関東大震災の被害をうけ店舗を失ってしまいます。廃墟となった横浜から避難船に乗り込み神戸へと向かいましたが、先の見通しが立たない状態でした。菓子屋以外の仕事をするほかないと諦めかけていたとき、ばったりロシアの有名な舞踏家アンナ・パブロバ夫人に遭遇しました。震災の話から近況まで話すうちに、彼女から「それなら、この家で店をひらきなさいよ。」と言われます。
この会話をきっかけに1923年11月、神戸に「Juchheim‘s」が開店しました。設備が整わない中での開業ではありましたが、機械がなかったとしても手仕事で丁寧に作るユーハイムの菓子は多くの人々に好まれたのです。神戸のユーハイムはこの店から始まりました。
・第二次世界大戦 終戦前日のカールの逝去、エリーゼの社長就任
終戦後、エリーゼらユーハイム一家はドイツへと強制送還されました。しかし、戦争を生き延びたカールの弟子の職人たちが再結集し、何とか「ユーハイム」を再興しようと会社を設立します。そしてドイツにいるエリーゼへ「日本に戻ってきてください」と願いをしたためた手紙を出しました。
彼らの熱意にこたえたエリーゼは、60歳を過ぎて再来日、ユーハイムの社長に就任し、以降亡くなるまで日本で暮らしました。
エリーゼはカールの菓子作りの在り方を大切にしていました。彼女が残した言葉「身体のためになるから美味しい」「お母さんの味、それは自然の味」(お母さんが子どもに与えるような味こそが、自然な味わいである)は、創業者カールの姿勢に並び、今でもユーハイムの社員の指針となっています。
カール・ユーハイムとエリーゼ・ユーハイムという創業者夫妻から始まり、2022年に日本創業100年を迎えた当社は「お菓子には世界を平和にする力がある Peace by Piece」というパーパスを掲げました。
次の100年へ向け、このパーパスを胸に、「無添菓」のおいしさを追求し続けます。
【お菓子のこだわりをお伝えしている ユーハイムのnote】 https://note.com/juchheim_1909
【オンラインショップはこちらから】 https://e-shop.juchheim.co.jp/