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どこにでもある未来を飛び出して。『どこにでもあるどこかになる前に。』

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 アラサー、未婚、子ナシの女性が東京の暮らしに見切りをつけ、実家のある地方都市に戻ってきた。そこにはどこかで見たような画一的な街並みと、どこにでもあるようなショッピングセンターが広がり、友人たちは結婚し子どもをつくり、家を買う。共同体のように他人と同じ価値観を求められる日々と無個性になっていく街のなかで、まだまだ個性的な人々が生息していて、おもしろいことがあるんだぜ、と地元の情報誌のライターとなった彼女はユニークな人々に出会い、新しい価値観を見つけていく。何もないことが何でもあることだったり、何でもあることが何もないことと同義になる。そう、すべてはぼくやあなた次第なのだ。地元富山に帰省し、「ピストン藤井」のペンネームで活躍するライターの藤井聡子さんが出版した『どこにでもあるどこかになる前に。』には、地方都市が個性を失っていく儚さと、閉鎖性に息もつけなくなっている苦しみと、それでも新しい価値観や個性を持った人物やコミュニティ、団体や店舗に光を当て、もう少し先のまだおぼろげで不確かな地方の未来が描かれている。

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