MENU

人々

二児ママ×写真家。好きな仕事も家族時間も、安心も冒険も「ぜんぶ叶えたい」私の二段階移住

  • URLをコピーしました!

「いつか自然豊かな場所で心地よく暮らしたい」そう思っていても、仕事や子育てなど何かしらの事情を抱え、なかなか行動できない人も多いのではないでしょうか。今回取材したSOLAさんは、地方へ移住した二児のママであり、写真家として活躍されています。何かを諦めるのではなく、叶えるために行動するSOLAさんのお話は、一歩踏み出す勇気をくれるものでした。

目次

東京から山梨へ。家族のステージに合わせた二段階移住

SOLAさんとお子さん二人
山梨県へ家族で移住したSOLAさん

二児のママであり写真家であるSOLAさんは、東京から山梨へ移住して7年目。最初は山梨県の韮崎(にらさき)エリアへ移住しました。その後子どもの成長とともに再び引っ越し、現在は県庁所在地である甲府市で暮らしています。

好きな仕事も、家族との時間も、安心も冒険も、どれも諦めることなく楽しみながら前に進む姿が印象的なSOLAさん。地方に移住して、二児のママでありながら「ぜんぶ叶えたい」をどう叶えたのでしょうか。地方移住の良さや、地方で子育てをする魅力についても伺いました。

移住のきっかけ

にんじん
お子さんが生まれたことで、食の安全性をより考えるようになったのだそう

東京で商業写真のカメラマンをしていたSOLAさんですが、結婚・出産を機に地方への移住を考えるようになったと言います。

SOLA 当時、原発汚染の問題があって、野菜などの食べ物も安全でないという話を耳にするように。高いお金を出せばオーガニック野菜も買えるけど、お金で買えなくなったときにどうなるのか。もっと実体の見える生活がしたいと、移住を考えるようになったんですよね。

夫婦で自然やアウトドアが好きなことや、お互い独身時代に山梨を何度か訪れていたことで話も合い、暮らしのベクトルも山梨に向いてきたのだそう。「移住したい」という思いを持ちながらも、お子さんがまだ生まれたばかりだったこともあり移住へ踏み切れずにいたそうですが、ある物件との出会いが人生を大きく変えていきます。

自宅周辺の風景
当時0歳のお子さんを連れて山梨へ移住することに!

SOLA 山梨へ旅行に行った時、地元の不動産屋さんに立ち寄ってみたら「昨日入ったばかりです」って紹介された物件があって。賃貸の一軒家だったんですが、山梨は空き家は多いけど賃貸の一軒家はレアなんです。そのまま内見をしたらとっても良くて、大家さんも東京から移住してきたご夫婦で良い方で。広い畑も道具まで貸してくれるとあって、旅行中に主人とたくさん話し合い、勢いのまま旅行の帰りにハンコを押して帰りました!(笑)

山梨への移住が突然決まり、あまり深く不安を抱える暇もなく、0歳の子を抱えながら一か月で引っ越しの準備をしたのだそう。ただ勢いで決めただけではなく、その物件が「自分たちに合っている」と感じたから決めることができたようです。

東京へのアクセスと食の安心感が決め手

とうもろこし
新鮮・安全な野菜が食べられるのも決め手の一つ

SOLAさんたちが最初に移住したのは、山梨県の北部に位置する韮崎(にらさき)エリア。この地域にした理由について伺ってみました。

SOLA 当時主人は週3~4日は東京で仕事があったので、インターが近く東京へのアクセスが良かったことも決め手になりました。野菜も地場で採れたものを安心して食べられるし、他にも寒いのが苦手な私にとって冬もそこまで冷え込まず、日照率が高いところも良いなと思って。田舎の度合いが自分たちの求める条件に合っていたので、この地域を選びました。

あぜ道の夕暮れ
美しい夕暮れの風景

SOLA 韮崎エリアは四方に雄大な山々を望み、畑や田んぼに囲まれた自然豊かな地域。毎日赤ちゃんをおんぶして、日が暮れるまで田舎のあぜ道をゆらんゆらんと歩いて、今思うと美しい日々でした。

梅
ご近所の方から頂いた梅の実

SOLA 周りが農家ばかりで、近所のおじいさんが毎朝玄関にタケノコを置いていてくれたり、梅をいっぱいもらったり、人もとても優しかったです。地方移住というとはじめ人付き合いの心配はあるかもしれないんですが、赤ちゃん連れて「ここが好きで引っ越してきました」って言ったら歓迎してくれて。子どもと散歩しているとおばあちゃんたちから農産物をたくさんいただくので、そのうち子どもにカゴを持たせて歩くようになりましたね(笑)

家族のステージが進むにつれて、再び移住を決意

お子さん二人
子どもの成長につれて、家族のステージも変化していきます

二人目のお子さんができたことや幼稚園に通い始めるようになったことで、再び居を移したSOLAさん。自然豊かな韮崎エリアから、ある程度の利便性も求めるようなり、街も自然も近い甲府市を選びました。

SOLA せっかく田舎に来たから自然とのふれあいや食育を大事にする幼稚園に入れたいなと思って、甲府にあるどろんこ遊びで有名な幼稚園を選んで、ちょっと遠いけど韮崎エリアから通っていたんです。でも下の子はまだ0歳だったので送り迎えの間ずっと泣きっぱなし。その道のりが遠く感じたのと、他にも用事や上の子の友達づきあい、私も仕事復帰をしていく中で、社会との接点が増えてくると、結局町の方へ行くことが多くなって。もう少し市街地に近い、だけど自然の多い場所に移り住みました。

山登り
街にも自然にも近い場所へ引っ越し

家は住宅街にありながら、徒歩圏に鹿も出る森林が広がっているのだそう。仕事や家事の合間に、トンビの鳴き声を聞きながら空を眺めるのが大好きというSOLAさん。街にも自然にも近いこの立地が気に入っていると言います。

SOLA 都会の暮らしも山の暮らしも選べるのが好きなところ。WIFIを持ってれば、静かな湖畔でも、標高600mの岩の上でも仕事ができるし、おしゃれなカフェの気分の時は、それも選べる。同じ町の中で、今日の自分の居場所を自由に決められるんです。

湖
今日はここでイベントの企画を練る

また移住する時は、“二段階移住”がおすすめとのこと。

SOLA 子供が大きくなるにつれて、こんなにステージや価値観が変わるのかと思いました。移住する時は賃貸の物件などに一度住んでみて、ある程度地域のことを知ってから住まいを定着させるのが良いと思います。

家族のステージの変化に合わせて柔軟に住まいも変えられるよう、環境を整えておくことは大事なポイントかもしれません。

「地方暮らし・ママ」がハンデにならない仕事へシフト

お子さんと
地方にいて子育てをしながらできる、新しいスタイルで仕事を再開

移住当初はほぼ子育てに専念していたSOLAさんですが、次第に「やっぱり自分のスキルを社会で活かしたい」と思うようになったのだそう。

SOLA 再び仕事をしたいと思った時、「地方にいてママでもできる、かつ私だからこそできる仕事って何だろう」と考え始めたんです。前みたいに東京で刺激的な毎日を送るカメラマンに戻りたいわけではなく、今の自分だからこそ表現できること、関われる人とともに、自分や家族の時間も大切にした働き方をしたい。そこへ、ちょうど時代的にもオンラインの波が来たこともあり、オンラインでの写真講座を準備し始めました。

写真や発信の重要性が増す中、写真表現とインスタグラム発信力を両軸で磨いていくオンライン講座を2020年にスタート。SOLAさんのお写真は、地方ならではの美しい風景やお子さんの自然な表情がとても魅力的。Instagramでも様々な写真が投稿されています。

Instagram画像
Instagramやオンライン講座では、お子さんの自然な表情や躍動感を撮影するためのポイントも発信中!

移住したことで、仕事の仕方だけでなく、写真に対する捉え方も変わっていったのだそう。

SOLA 東京にいた時は広告用の商業写真が多く、クライアントが求める綺麗でカッコいい写真を撮っていましたが、移住してからはその世界に一旦距離を置いたのもあって、写真についてまた違った角度から考えるようになったんですよね。“撮る人の視点”から、“撮る人を見る視点”へ変わっていったような気がします。オンライン講座ではカメラを持った人が写真や発信を通してどう変わるかを見るようになりましたし、自分の写真も俯瞰で見れるようになりました。家族写真を撮影することもあって、商業広告は成果物がすべてだけど、家族写真は満足する体験や思い出をも提供しているイメージ。同じフォトグラファーでも、自分の状況が変わったことでそれに対する想いや対峙の仕方も変わっていきました

地方で子育てをすることの魅力

お子さん
地方暮らしで子育てをする良さとは?

自然豊かな山梨で二児の子育てをしているSOLAさんですが、地方ならではの子育ての魅力や選択肢があると言います。お話を伺うと、ただ“自然のなかで伸び伸びと育てる”という一言には収まらない魅力が伝わってきました。

豊かな自然との時間が日常の中にある

乗馬
乗馬も習い事の一つの選択肢に

豊かな自然体験や生きものと触れ合うことができるのも、地方暮らしの魅力の一つ。SOLAさんのお子さんは、2歳で乗馬を始めたのだそう。

SOLA 格安で乗馬を体験できる市営の乗馬センターもあれば、本格的な森歩きができるクラブもあります。初めて乗った時は固まってましたけど、すぐに慣れて「お馬さん乗りに行きたい!」と言うように。乗馬は体幹を鍛えつつ、情緒も安定させる効果があるので、この感覚を小さい頃から気軽に感じさせてあげられるのは嬉しいです。

田植え
お子さんと一緒に田植えに参加!

その他にも幼稚園で田植えや稲刈りのイベントをしたり、近所の農家さんが農作業や果物狩りをさせてくれたりと、収穫だけではなく、栽培の過程も自然と学ぶ機会が多いとのこと。生の実体験が日常の中にあることは、地方ならではの良さではないでしょうか。

SOLA 家の近くにキャンプ場もあるので、例えば週末に今日どこ行こうと思った時、「じゃあ今からキャンプに行こっか」と思いついた時に行けるんです。月曜日にキャンプ場から登園したこともありました。子供の感性にとって大切な時間が、非日常やレジャーでなく、ごく身近にあるのが嬉しいところですね。

教育の選択肢が多い

ひつじとお子さん
地方だからこそ学べることも

自然体験を大事にする幼稚園を選んだSOLAさん。地方では「子どもの教育環境の選択肢は多い」と言います。

SOLA 幼稚園・保育園の待機児童がないので、ほぼ希望したところに入れるんですね。様々なスタイルの園がありますが、望めば入れることが多い。例えば、「森のようちえん」という野外活動を軸にした園もいくつもあるし、お勉強やお稽古事をしっかりさせたい人が行くような園もあります。

幼少期の体験は、大人になっても心に残っていたり、自分の基盤を形作るもの。様々な選択肢があり叶えられる環境があるのは大きなメリットかもしれません。

心を揺らし、土台を育てる

お子さん
五感が動く森の中で、心を揺らす

SOLA 森の中に行くと、木漏れ日や森林の香り、手ざわりなど、とっても五感が動くんですよね。幼少期には、良質な心の揺さぶりが大事だと思っていて、「その中で安定した心の土台を作ってあげたい」と思っているんです。自然の中で子ども同士でいろんなことを体験して、心を揺らして、それを大人がしっかり受け止めてあげる。そうすることで安心して次の挑戦ができるんじゃないかなって。ただ「田舎でのびのび育てる」って一言で言うとそうですが、日々何を選ぶか、どこで過ごすかで、全然違う生活になる。そう言う意味では、ここにはオリジナリティのある人生を創るチャンスがいっぱい詰まっていると思います。

地方にいても、ママでも、きっと叶えられる

家族写真
叶えたい方向に舵を取りながら、柔軟に変化していくSOLAさん家族

今後SOLAさんは、同じように地方にいる人や母親世代のビジネスの後押しができるよう、写真やインスタ発信力を磨くオンライン講座、そして個人のイメージ撮影にもさらに力を入れていくそう。

SOLA 自分のいる場所に悩んだ時期もありましたけど、今は置かれた状況でゼロから作ることが怖くなくなったし、地方にいることをマイナスだとも思わない。時代ともに変化しながら、楽しみながら、新しい挑戦をしていきたいです。

もう地方にいることや母であることは、不利ではない時代になってきているのかもしれませんね。

そして、もし何かに踏み切れない人がいたら「冷静に判断すべきことはあると思う」と前置きした上で、「もやもやと漠然とした不安を持っている人はやってみたほうが良いと思います。私はハンコをぽーんと押しちゃって本当に良かったです」と笑顔で話す姿が印象的でした。「叶えたい」に向かって行動を続けるSOLAさんだからこそ、その言葉が清々しく胸に刺さります。

進みたい方向に踏み出すことは不安が伴いますが、きっと行動しなければ何も変わりません。動き出した時に、きっとチャンスや縁が巡ってくるのではないでしょうか。

▼SOLAさんのInstagramはこちら!

𝗦𝗢𝗟𝗔 📷 写真家/フォト×インスタ発信力 講師 (@sola_pht) 

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

よかったらシェアしてね
  • URLをコピーしました!

関連記事