千葉県東庄町で、最新鋭のドローン4機が小学校・中学校に“常駐”し、子供たちの下校を見守る実証実験がついにスタートしました。目的は子供の安全だけではありません。実は、疲弊する先生たちの「働き方」を劇的に変える救世主でもあるというのです。東庄町の画期的な取り組みに迫ります。

まるでSF！学校の敷地内に現れた「ドローンドック」の正体

千葉県東庄町の小学校と中学校の校庭に、見慣れない近未来的な装置が出現しました。その正体は、最新鋭ドローン「DJI Matrice 4」を格納する専用基地「DJI Dock 3」です。

2025年12月15日から始まったこのプロジェクトでは、なんと計4機ものドローンを町内の各校に2機ずつ配備。有資格者の管理のもと、遠隔操作による「自動運航」で子供たちの下校時の様子を見守ります。学校にドローンが“常設”されるという、全国的にも極めて珍しい光景が現実のものとなりました。

狙いは一石二鳥？「子供の安全」と「先生の働き方改革」

今回のプロジェクト、実は教育現場が抱える切実な悩みがきっかけで誕生しました。それは、放課後の見守り業務による「教職員の負担」です。これまで先生たちが自ら足を運んでいた見守り業務を、ドローンが代替。空からの広い視野で児童・生徒の安全を確認することで、業務の効率化を狙います。「子供たちの安心」を守りながら、同時に「先生たちの働きやすさ」も創出する。地方自治体がテクノロジーを駆使して挑む、新しい時代の持続可能な教育支援モデルといえます。

徹底したプライバシー配慮。フェーズ2では通学路全域へ！

「空から撮影されるのは不安」という声にも、東庄町は丁寧に向き合っています。今回の「フェーズ1」では、飛行エリアを学校敷地内に限定。さらに常時録画は行わず、必要に応じた条件付き撮影のみを実施するなど、プライバシー保護を最優先しています。

今後は、職員室からリアルタイムで映像を共有できる体制や、AIによる異常検知機能の活用も検討中。2026年度以降の「フェーズ2」では、いよいよ通学路全域への展開が予定されています。「ドローンがあるから安心」と言われる町へ。東庄町の挑戦は、地方創生の新たな“空”を切り拓こうとしています。