「美容室で捨てられるあのチューブ、実は宝の山だった……?」私たちが何気なく通うヘアサロンの裏側で、今、とんでもない革命が起きています。カットカラー専門店「チョキペタ」が、これまでゴミとして捨てられていた「使用済みカラー剤のアルミチューブ」を100%リサイクルする活動を本格始動。わずか数グラムのチューブが集まり、やがては飛行機や鉄道の一部へと生まれ変わる。美容業界を揺るがす「静脈産業」とのタッグ、その全貌に迫ります。
まさに「ちりも積もれば山となる」!現場の情熱が生んだリサイクル網
全国約370店舗を展開するアルテグループの「チョキペタ」。カラー専門店という特性上、日々大量に消費されるのがアルミ製のカラー剤チューブです。

これまでは「中身が残っている」「臭いが気になる」といった理由で、リサイクルが極めて難しいとされてきました。しかし、2025年3月からの半年間にわたる実証実験で、スタッフ一人ひとりが分別を徹底。累計62kg、本数にして数万本ものチューブを回収することに成功しました。「環境のために何ができるか」という現場のボランティア精神が、不可能を可能にしたのです。
50万本のチューブが再生地金に!静脈産業のプロと挑む「資源の循環」
今回タッグを組んだのは、長野県松本市でアルミニウム再生を行う「株式会社カンノ」。回収されたチューブは溶解炉で800℃まで加熱され、不純物を取り除いた「再生アルミニウム地金」へと姿を変えます。

アルミニウムは、新たに精錬するよりもリサイクルする方が圧倒的にエネルギー消費が少なく、CO2削減効果も絶大です。「300kgの地金を作るには約50万本のチューブが必要」という気の遠くなるような数字。しかし、チョキペタはこれを「美容業界のニュースタンダード」にするべく、本気で取り組んでいます。

「エシカルな選択」が当たり前に。美容業界の未来を塗り替える一歩
なぜ、手間もコストもかかるリサイクルに、あえて挑むのでしょうか。そこには「動脈産業(作る側)」だけでなく「静脈産業(再資源化する側)」との連携こそが、真のSDGsを実現するという強い信念があります。
「チョキペタ」で髪を染めることが、そのまま地球環境を守ることにつながる。そんな、消費者にとっても嬉しい「エシカルな美容体験」が始まっています。この取り組みは、今後グループ全体、そして美容業界全体へと広がっていく予定です。あなたが次にサロンを訪れる時、そのチューブの行く先に思いを馳せてみませんか?


















