小豆島全土に伝わる郷土料理「かきまぜ」。集ってつくり、集って食べる味。

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 300年以上続く「農村歌舞伎」など、古い文化が数多く残る香川県・小豆島。農村地帯の肥土山地域をはじめ、小豆島全土に伝わる郷土料理「かきまぜ」は今でも島で親しまれている。醤油やだし醤油などでちくわ、あげ、ごぼう、干し椎茸、干し海老、人参などの具材を炊き、炊きたてのごはんによく混ぜ込む。昔は魚や肉類は貴重で野菜中心だったが、漁師町では穴子を焼いて載せることもあったそうだ。


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 かつて、「かきまぜ」はハレの日の料理だった。稲作をする肥土山地域では、忙しい収穫時期には近所で協力し合い米を収穫した。そんなとき、一気にたくさんつくり大勢にもてなすことができる、「かきまぜ」がうってつけだった。祭りの日、集落の女性たちは早朝に集まり、かきまぜのほか、煮しめや、フライなどを班に分かれてつくり持ち寄ったのだとか。集うことを制限される今、共に分かち合う時間に豊かさを感じる。皆でつくった「かきまぜ」を一口頬張ると、出汁の味が口いっぱいに広がった。

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