幹線道路沿いに急にド派手な黄色のスクールバスが現れたのが令和5年の夏過ぎ、何のショップなのか施設なのかさえ分からず横目で通り過ぎる日が続いた。その施設はキッチンカー、ドッグラン、RVパークと設備を徐々に増やし令和6年春にタコス専門店、セルフドッグSPA、RVパークの複合施設としてグランドオープンしたのは知っていた….しかし！いざ入ろうとする勇気が出ずに今に至っていたが、（勇気を振り絞って）ご縁を頂いてお邪魔させて頂いた。

まずはやはり目を引く黄色いバスから。実はイートインスペースとして使っているのだと。早速おすすめのタコスが運ばれてくるが、これまた同じバスの容器に入っている。これはお子さん同伴だと喜ぶことは承知済み。高砂市とタコスは本当は縁もゆかりもない訳であるが、アウトドア経験豊富なスタッフさんが本場のテクスメクスタコスの提供を考案し新メニューの開発にも携わっているらしい。厚切りライムを絞って、種類に応じたソースをかけでガブリ。こりゃうまい。※テクスメクスタコスはテキサスとメキシコの造語で、メキシコ生まれのタコスがアメリカで進化したものらしい。

施設を奥に進むとゲージに囲まれたドッグランが出現、こちらは利用する犬同士が接触する機会を避けるため時間制の貸切利用で入口・出口も別に設定する徹底ぶりである。犬社会においても誰とでも仲良くなれない所謂“犬見知り”があるらしい。また、一つのエアストリーム（銀色のキャンピングカー）をドッグSPA専用に改装しており、自宅では大変な入浴作業もブロアー完備で楽ちんにこなせるとのこと。

キャンピングカーの宿泊施設として知られるRVパーク、こんな街中にも要件を揃えれば許可を受けたRVパークとして運営が可能だ。区画をゆったり取った駐車スペースは牽引したままの駐車が可能である。また、長期移動者には有り難い下水へ直接汚物を流せるスポットも完備している。また、24時間利用可能なトイレやシャワールーム、どちらも冷暖房完備で滞在中嫌な思いをする事は無さそう。そして、次のSTEPに繋がる仕掛けが。

有事を意識して、ナンバー交付さえ受ければ施設全体がトレーラーとして牽引可能だという。つまり、施設のトイレ、シャワールーム、コインランドリーをそのまま牽引して被災地等へ向かう事も可能であるという、これには驚いた。更にもう一つ、施設の設備一つ一つが売物として価格設定してあるので、気になった設備や車両があれば是非スタッフさんに問い合わせてもらいたい。

謎施設に足を踏み入れて分かった事は、スタッフさんは親切で話上手、そしてタコスがほんと旨かったこと。タコスだけのオーダーやテイクアウトも利用出来るので、まずは気軽に訪ねてみてください。きっと新たな刺激がそこにあるだろう。