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サスティナビリティ

連載 | スマイルアフリカプロジェクト

ナイロビ郊外のスラム街にある小学校でシューズ寄贈を実施。1700人の笑顔と会えました。

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先月号でレポートした、ケニア・ナイロビ郊外でのランニング・イベント「ソトコト 10キロ&5キロラン 2018」に先立ち、スラム街であるマザレ地区にある小学校でシューズ寄贈を行いました。約1700人の児童たちが、日本からのシューズを心待ちにしてくれていました。

目次

ケニアでのシューズ寄贈レポート。

 ケニアの「スマイル アフリカ プロジェクト」協力者たちによって、年間を通じて実施されているシューズ寄贈。プロジェクトのフロントランナーである高橋尚子も、ケニアを幾度となく訪れ、子どもたちにシューズ寄贈を行ってきた。

 6月29日、高橋とプロジェクトスタッフはナイロビ近郊のスラム街の一つ、マザレ地区の子どもたちが通う小学校を訪ねた。

 スラム街は総じて人いきれでむせ返っているが、ここも食料品店や日用雑貨店、理髪店などが所狭しと軒を並べ、一歩、脇道に入れば長屋住宅が連なり、生活臭を漂わせる迷路となる。そんな人とモノが交錯、密集するなか、一角だけ聖域と化したマザレ小学校がある。キリスト教の精神に基づき、寄付で運営されている小学校だが、十分に教育環境が整っているとはいえない。子どもたちは支給された制服やシューズを身につけているが、壊れかけたシューズと穴だらけの靴下、もしくは、鼻緒の切れかかったゴム草履の子もいる。

 高い壁に囲まれ、さらに校舎に囲まれた正方形の中庭がグラウンドを兼ねた集会場で、約1700人の全校児童が“おしくらまんじゅう”をしているかのような密度で、整然と並んで我々を迎えてくれた。

マザレ小学校(HEIDEMARIE MATHARE 4A SCHOOL)で。マザレ・スラムから通う子どもたちも多い。
マザレ小学校(HEIDEMARIE MATHARE 4A SCHOOL)で。マザレ・スラムから通う子どもたちも多い。

日本の子どもたちの思いを届けに来ました!

 「ジャンボー!(スワヒリ語で『こんにちは!』)」

 高橋の呼びかけに、大きな声で「ジャンボー!」と返ってきた。

 「私たちはみなさんに会うため、日本から来ました。私はマラソン選手としてオリンピックで走り、一番になりましたが、そのためにもシューズはとても大切なものでした。日本からこの大切な贈り物を預かって、みなさんに届けにきました」

シューズを受け取った子どもたちと校内を走る。
シューズを受け取った子どもたちと校内を走る。

 大きな拍手と笑顔が弾けた。

 「シューズの一足一足には日本のお友達からみなさんへのあたたかい思いが込められています。『これを履いて元気に走ってほしい』という思いです」

 子どもたちからの拍手と笑顔はさらに大きく広がった。

寄贈に訪れたスタッフたちに伝統的な歌や踊りを披露してくれた。
寄贈に訪れたスタッフたちに伝統的な歌や踊りを披露してくれた。

 我々一行は、ケニア流の歌と踊りで楽しい歓迎を受けた後、各学年を代表した子どもたち約100人に、それぞれの足に合ったサイズのシューズを選び、履かせてあげた。

 プロジェクトスタッフのほか、プロジェクトの協賛社であり、シューズ回収や寄贈に協力をしてくれている三菱商事からも、現地及び日本から社員が駆けつけ、シューズをとおした笑顔の交歓をした。この2日後に開催される「ソトコト 10キロ&5キロラン 2018」を走る、アテネパラリンピック・男子マラソン(視覚障害)の金メダリストである高橋勇市さんも子どもたちといっしょに触れ合った。国境だけでない、まさにバリアフリーな寄贈シーンが実現した。

高橋勇市さんも寄贈に参加。
高橋勇市さんも寄贈に参加。

 シューズを履いた瞬間、子どもたちは誰もがその場で跳びはね、駆け出し、白い歯を覗かせた。つられて、我々からも思わず笑みがこぼれる。

 最後は高橋の呼びかけで、みんなでいっしょに日本に届けとばかりに、日本語とスワヒリ語で大声で叫んだ。

 「ア・リ・ガ・ト・ウ!」

 「アサンテサーナ!(ありがとう!)」

寄贈を受けた子どもたち、先生も入って記念撮影。
寄贈を受けた子どもたち、先生も入って記念撮影。

 

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