次の世代を担うフランチャイズオーナーを積極的に募集し採用している日本マクドナルド。マクドナルドが持続可能な成長とともに社会に貢献し続けるためには、各地でお店を支える、多様性のある新しいフランチャイズオーナーたちの存在が欠かせません。今回、小誌編集長・指出が沖縄県で3店舗のフランチャイズオーナーを務める佐伯杏菜さんのもとを訪れ、マクドナルドのフランチャイズビジネスについて、その魅力や未来について語り合いました。
宝塚歌劇団を退団し、故郷・沖縄で マクドナルドの仕事をスタート。
佐伯憲一さん(以下、憲一) 私としては、マクドナルドの仕事に就かせたいという気持ちで教えたわけではなく、合理的なシステムを自慢したくて(笑)、一つひとつ説明した覚えがあります。
杏菜 人生を左右する大きな決断って、考えすぎると躊躇しがちになります。だから、あえて考えすぎないように、軽い気持ちで「やってみようかな」と決断しました。ただ、マクドナルドの仕事の経験は一切なかったので、アルバイトからのスタート。25歳のときです。フランチャイズオーナーの娘ということで気を使ってほしくなかったので、他のフランチャイズ法人の店舗で雇っていただきました。
持続的に働けるよう、 女性の働く環境づくりに取り組む。
杏菜 チームワークです。宝塚では初舞台にラインダンスを踊るのですが、足を上げる高さや顔を向ける角度など、全員がすべての動きを揃えなければ美しく見えません。心を一つにすることが何よりも大切になります。マクドナルドでの仕事も同じです。また、私は仕事のなかでフロアーサービスがいちばん好きなのですが、お客様に喜んでいただくための態度やフロアーでの立ち居振る舞いも、宝塚で学んだ経験が生きています。
指出 若手オーナーとして杏菜さんへの期待を感じることはございますか?
杏菜 沖縄へ戻ってきた頃は、私のような若手で、かつ女性候補が少なかったので、そのパイオニアになりたいという気持ちはありました。12年が経ち、女性である私がオーナーになった今、周囲からは女性が働きやすい環境をつくることを期待されているように思います。
指出 そのためにどんなことが必要でしょうか?
杏菜 私はまだ結婚も出産も経験がありませんが、女性は結婚・出産の過程で仕事に対する価値観や向き合い方が変化していくことは想像がつきます。そんな女性スタッフの要望をなるべく聞き入れ、働き方を考慮するようにしたいと思っています。でなければ、女性が持続的に働いたり、管理職に就いたりすることは難しくなるでしょうから。
憲一 ある店舗には、出産休暇と育児休暇を3回ずつ取得し、そのたびに復職して、タイトル(役職)を昇進させ、現在は店長になって働いている女性もおられますよ。
指出 おそらく、お店には子育て中の母親もいらっしゃることでしょう。そんなお客様とのやり取りからも、女性が働く環境づくりのヒントが得られるかもしれませんね。
杏菜 女性を含め、多様なスタッフやお客様が集う店舗づくりをしていきたいです。地域の方々がマクドナルドという場所を自由に使える、地域に開けたコミュニケーションの場になることを願っています。
若手のオーナーとして大切にするもの。 それは、人。
杏菜 今、父から3店舗を承継しています。そこでのメインの仕事はオペレーションに関するコンサルティングで、店舗のセールスと利益の最大化を、店長を介して行うことです。ただ、父と比べると私はまだ未熟なので、スタッフの尊敬を集めてリーダーシップを発揮するまでには至っていません。私は、スタッフから共感を得られるようなリーダーになりたいです。共感を得るには、強制しないことが大事。また、店長は私より年上でキャリアも長いので、そんな方々の心に響くアプローチの仕方を取るよう心がけています。
杏菜 スキルと言うより、大事なのはパッションだと思います。どんなに優秀なキャリアがある方でも、「この店で働きたい」「こんな仕事がしたい」という熱意がなければ人を引きつけることはできません。
指出 お仕事をされていて、どんなときに喜びを感じますか?
指出 お父さんは1995年からオーナー業を務められています。その貴重なご経験の中で、杏菜さんが受け継いでいきたいと思っていることは何でしょう?
杏菜 受け継ぎたいのは、父がいつも口にしている、「ピープルビジネスを構築して、ハッピービジネスを実現する」というビジョンです。いいビジネスを実現するには、「関わるすべての人を大切にすること」を意識しながら、コミュニケーションを取るようにしています。
指出 それは、ウェルビーイングの実現という面でも大事な視点だと思います。お父さんから思いを受け継ぎつつ、ご自分流にバージョンアップしていきたいと考えていることもあるのでしょうね。
杏菜 時代の変化やお客様のニーズの変化には柔軟に対応していきたいです。たとえば、販売チャネルが増えたこともその一つ。これまでは、ご注文はカウンターかドライブスルーで受けていましたが、今はモバイルオーダーやデリバリーなど多様な形があります。スタッフにおいても、以前は昇格や昇給に重きを置いていた方が多かったと思いますが、最近の世代は「休みをしっかり取りたい」とか、「プライベートも充実させながら働きたい」といった働く環境を重視する方も増えています。そういった変化も意識しながら仕事に向き合っています。
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