千葉県の三大ラーメンといえば、勝浦タンタンメン、竹岡式ラーメン、アリランラーメンの三つが挙げられる。
今回はそのなかから、千葉県富津市竹岡が発祥とされる竹岡式ラーメンを食べてみた。
目次
竹岡式ラーメンとは……
千葉県に住んでいると、なんとなく竹岡式ラーメンについての情報が耳に入ってくる。竹岡式ラーメン発祥の店の前を通ると、いつもすごい行列ができているのも目にしている。それでも今まで竹岡式ラーメン店に足が向かなかったのは、冒頭でもお伝えした通り断然豚骨派だからだ。
そんな私が、地元の人から「おいしい竹岡式ラーメンの店だ」と聞いて訪れた場所がある。が、「うちは竹岡式ラーメンではない」と店主に言われてしまった。竹岡式ラーメンとは、いったいどういうラーメンのことをいうのか。忙しい店主に変わって、店を訪れていたライダーチーム「48(よんばち)ライダー」の皆さんに聞いてみた。竹岡式ラーメンを含め、いろいろなラーメン店を食べ歩いているという、ラーメン通の人たちだ。
「竹岡式といえば、千葉県産の醤油を使ってチャーシューを煮た煮汁を薄めたまっ黒なスープに、タマネギが盛られていて、その昔漁師が体を温めるために飲んだもの」だと言う。竹岡式ラーメンは乾麺を使うと聞いていたが、店によって乾麺だったりそうでなかったり、タマネギを入れたりネギを入れたり、その辺の違いはあるようだ。「店舗によって味の濃さが違うから、しょっぱいのが苦手な人は合わないかもしれない。だいたいネギ派とタマネギ派に分かれる」とのこと。
竹岡式ラーメンの店「ラーメン佐武(さぶ)」訪問
竹岡式ラーメン店「ラーメン佐武(さぶ)」
本物の竹岡式ラーメンを食べにラーメン佐武を訪れた。メニューには、スタミナラーメンやチャーシューラーメンなどと書かれている。「すみません、このメニューに書いてあるのは全て竹岡式ラーメンですか?」と恐る恐る尋ねてみると、竹岡式ラーメンという返事が。安心してチャーシューラーメンをオーダーして、席に着いた。
ラーメン佐武のチャーシュー麵
まずはスープを一口。濃厚で、これで煮卵を作ったらおいしそうだし、ご飯を入れて食べてもよさそうだ。それなのに、もっと濃いのが好きな人用に、付け足せるスープダレがテーブルに置かれている! ほかに、酢、ブラックペッパー、一味、豆板醬もあり、好みで味を変えながら楽しめるようになっていた。ためしに酢を足してみるとまろやかな味わいに。濃厚スープとサクサクしたタマネギの食感が止められなくて、意外とふつうに飲めてしまう。
まだ、ネギが盛られたトッピングの竹岡式ラーメンを食べたことはないが、それでも私はタマネギ派なのではと思う。タマネギと醤油のコンビネーションが、竹岡式ラーメンの鍵なのではないかと、ネギ派を敵に回すようなことを思ってしまった。いつかネギ盛り竹岡式ラーメンを食べてみたいものだ。
写真・文:鍋田ゆかり
取材協力:ラーメン佐武(さぶ)南房総市千倉町白間津1278-1、48(よんばち)ライダーのみなさん