千葉県房総半島の郷土料理として親しまれている、さんが焼き。漁師がとれたての魚を使って船の上で料理したものが「なめろう」。それに火を通したものがさんが焼きです。焼きたてがおいしいので、お弁当などの作り置きには不向きでしたが、試行錯誤を重ねておいしいさんが焼きを作り、全国へ届けている有限会社青倉商店。日本初のさんが焼き専門店「伏姫(ふせひめ)さんが焼」も経営する青木則文社長に、家庭でもおいしく作れるさんが焼きの作り方を教えてもらいました。
化学調味料、合成保存料・合成着色料無添加。身体に優しくておいしいさんが焼きができるまで
できたてのさんが焼きはおいしいけれど、持ち帰ると硬くなったり、パサパサになったり、魚の油臭さが出たりしてしまうことが原因で、ほとんど地元でしか食されていなかったそうです。「何とかさんが焼きを他地域へと持ち出すため、20年前に商品開発を始めました」と青木社長。
卵やヤマトイモを加えて商品化したときの価格は、1枚100円以下。百貨店で販売したときに、お客さんが原材料を気にしていることを知り、合成保存料や合成着色料、化学調味料を抜こうと決めました。試行錯誤して出来上がったさんが焼きの価格は、3倍に跳ね上がりました。茶色で地味な色のさんが焼きに彩を添えてくれたのが、オオバです。通常火を通すとオオバも茶色くなってしまいますが、青倉商店のさんが焼きは、鮮やかな色を保っているのが特徴です。
食の安全と地産地消を目指した青木社長の食品作りは、アレルギーの子どもたちも食べられて、見た目もかわいい魚形のさんが焼きにも姿を変えました。
キンメダイやクジラのさんが焼き!? 伏姫さんが焼のさんが焼きは種類が豊富
10種類の野菜とヒジキ、コブだしなどが入ったさんが焼きのおいしい食べ方は、よく混ぜて粘りと旨味を出すこと。表面に軽く焦げ目が出るくらい焼きます。店内はお好み焼き屋さんのようにテーブルに鉄板があるので、自分で焼きながらいろいろな魚のさんが焼きを楽しむことができます。
次のページでは、青木社長に教わった家庭でできるさんが焼きの作り方を紹介します。
残り物野菜を入れていろいろなさんが焼きを作ってみよう!
1.包丁で好みの食感になるまで魚をたたく。
2.三辛(ショウガ、ネギ、オオバ)と野菜、みそ、だしを加えてたたく。
3.ハンバーグと同じように練って形を整える。好みで油を加えてもいい。ゴマ油で中華風、オリーブ油で洋風へと変身する。
4.テフロン加工のフライパンなら油なしで、鉄製フライパンなら油をひいて両面を焼く。
5.ポン酢で食べたり、みそで食べたり、お好みで召し上がれ。
おいしくなるポイント
・卵を加えるとパサつかないが、入れすぎると魚の味が味わえないので注意。
・野菜の酵素と旨味、水分で油を使わずに保湿できて臭みも消せるが、割合は50%以内に押さえる。
・米粉を加えるともっちりする。
カボチャを入れると甘味が出て、色もきれいになります。キノコを入れたり、納豆入りにしたり、お豆腐を加えたり、冷蔵庫にあるものと相談してトッピングを楽しめます。トマトやレタスと一緒にパンに挟んで、さんが焼きバーガーにしてもおいしいですよ。
魚のフードロスを失くすために
青木社長「うちのさんが焼きとなめろうは、尾頭(おかしら)もつけてこの魚のなめろうだよって分かるようにして出しています。大きめの骨はあら汁に、小さめの骨はカリッと揚げて骨せんべいにして出している。手間はかかるけれど、できるだけ全部食べられるようにしている」
そういった取り組みを行って、6~7割を食べられるようにして提供しているそうです。新鮮な魚を独自技術で加工して95%食べられる商品、「丸ごとサラダ金目鯛」を開発しました。旨味が濃縮されたこのキンメダイを野菜と和えて食べるとサラダになる、魚一匹そのものがドレッシングだという発想。そのあと、ご飯に混ぜる「丸ごと混ぜ込みご飯」も完成しました。
お家時間に家族でさんが焼きパーティーを楽しむのもあり。急速冷凍した伏姫のさんが焼きを取り寄せるのもあり。機会があれば、直接伏姫さんが焼店舗を訪れてみるのもありですよ!
伏姫さんが焼全国配送情報:https://www.aokura-sanga.com/publics/index/18/
※ご紹介した商品は記載当時の情報のため、販売の有無・価格などが異なる場合があります。
取材協力:伏姫さんが焼(有限会社 青倉商店)