ブナの原生林が広がる白神山地の麓に、人口3200人ほどの秋田県・藤里町がある。雪深い冬に家にこもる時間が長いからか、何でも手作りする器用なお母さんたちが多い。そんな町に地域おこし協力隊としてやって来た小原拓万さんは、町で飼育される羊の毛が捨てられていると知り、これで町の名物をつくることをお母さんたちに持ちかけた。「羊毛フェルトの小物を作って、カプセルトイで販売しませんかと呼びかけました」。これが話題となり、町外や県外からも買いに来るようになったという。
町のコミュニティスペースで週に一度活動してきたが、カプセルに入らないものは作れないなど、問題が発生した。そこで、自由に作って販売もできるよう自分たちの工房を持つことに。町の目抜き通りのシャッターの下りた店を協力隊の仲間と改修し、今年8月に『羊毛ハウスちくちく』が完成した。「名物にするからにはお母さんたちに時に厳しいことを言うけれど、集まって作る楽しさを大事にしていきたいです」。
『羊毛ハウスちくちく』
住所:秋田県山本郡藤里町藤琴字藤琴4-4
営業時間:月・水・土曜10:00〜15:00(お盆・正月休みあり)
問い合わせ:tel.090-6982-2776 (小原さん携帯)