秋田県大仙市大曲でアロマとハーブのお店『美ら肌庵(ちゅあらきあん)』を営む深澤ちふみさん。体を温めることで内面からキレイで健康な女性を目指した温活できるサロンとして人気です。日々のサロンワークと並行して、今年は「Beauty Japan 東北 2023大会」に出場し、ウェルビーイングな女性の生き方や考え方の普及に尽力しています。ちふみさんのこれまでの経験や今後の目標を伺いました。
今回、お話を伺った深澤ちふみさん
ちふみさん「お店自体は15年前から母と2人で経営しています。当初は、フェイシャルエステ専門だったんですが、時代の変化に合わせて、女性が求めるものを取り入れてきました」
現在は、これまでのエステやリラクゼーションのほかに、温活できるサロンとして体質改善よもぎ蒸しをメニューに加えました。お店のコンセプトやメニューは、すべてちふみさんご自身で何年もかけて効果を体感してから提供しているこだわり。リラックスして居心地の良い時間を過ごせるようにサロンづくりをしています。
母の病気をきっかけに温活に注目
ちふみさん「私が23歳の時に母のガンが発覚しました。母は、病弱だった幼少期の私を支えて、手を尽くしてくれたので、今度は私がなんとか母の病気を治したかったんです。そこからは、薬に頼らずに、元気になる方法を必死に勉強しましたね。生活を見直して、試せるものはなんでもチャレンジしたんです。とにかく忙しくて頑張り屋の母だったので、食生活や睡眠を改善しました。その中のひとつが温活だったんです。
『体温が低いと病気にかかりやすい』ということを知ってからはとにかく体を温めることを意識しました。私自身も水泳をしていたし、若い頃は生足で過ごすことが多かったので、平熱は35度4分くらい。でも、温活をスタートしたら36度5分まで上がって、不調が減り健康に過ごせています。母も、病気が見つかって20年以上経ちますが温活をとり入れたこともあって今でもとっても元気です」
「冷えは万病のもと」特に女性は、体を温めることで心身のバランスを整え、健康な体を手にすることができるそうです。サロンでも温活メニューを主軸にし、SNSを駆使して多方面に発信しています。
「BeautyJapan東北大会」への挑戦
「BeautyJapan」は、女性の持つ多方面の美しさにフォーカスし、各方面における本当の日本一の美を発掘・支援しようと開催されている大会。外面・内面の美しさではなく、これまでのキャリア、発信力の高さなど総合的な美を重視するプログラムです。
ちふみさんのこれまでの活動が主催者の目にとまり、6月に開催された東北予選に秋田県代表として出場。「BeautyJapan東北」への挑戦についても伺いました。
ちふみさん「お誘いいただいた時は本当にびっくりでした。こんな田舎から私が⁉︎ と。でも、実は少し前に、温活の本を出版したこともあって、自分の想いを発信できる場を探していたんです。子育て真っ只中ですが、これまでの経験やこれからの目標をたくさんの人に知ってもらいたいと出場を決意しました」
ちふみさん「『BeautyJapan』では、3か月で計5回のワークショップがおこなわれます。メイクや茶道など、さまざまな分野のプロフェッショナルから座学やレクチャーを受けてインプットしました。そして、6月のコンテスト本番では、これまで学んだことのアウトプットやスピーチで審査が行なわれます。本番まであっという間でしたが、私がこれまで経験したこと、温活を通して実現したい夢など伝えられたかなと思います。今回の経験や新たにできた仲間はこれからの活動の支えです」
今、考えているのは「小学生に正しい生理を伝える活動」
ちふみさん「私の夢は、『小学生に正しい生理を伝える活動をする』ことです。温活を通して、女性特有の不調や悩みに寄り添いたいと思うようになりました。私が住んでいるような田舎では、生理の話って学校や家庭では敬遠しがち。だから、正しい知識をつけないまま大人になっている人が多いと思うんです。生理を伝えるお母さんも実は間違っている知識を持っている可能性も。もっとオープンに生理の話ができればもう少し女性の暮らしが楽になって、男性も女性に自然に優しく接することができると思います。
『BeautyJapan』に出場したことで、地域の方にも少しは私の活動が認知されたかなと思います。いいきっかけになったし、自分にも自信がついたのでしっかり前進していきたいです。学校や病院の先生ではなく、セラピストの私だからこそ伝えられること、田舎に住んでいるからこそできることから始めたいと思います」
セラピストの経験を、まちおこしや地域活動に還元
ちふみさん「これまでサロンワークのほかに、まちおこしの地域活動にも参加してきました。商工会のメンバーとして、地域の一員として、地元の魅力を全国に発信してきました。私の住むまちでは、大曲の花火競技大会が全国的に有名なので、全国を巡って宣伝したり、留学生を受け入れたり、活動はさまざまです。一度秋田を離れて暮らしましたが、帰ってきた時はやっぱり地元が好きだなと感じました。田舎だからこそ味わえる自然や人の魅力『大仙市いいとこだよ』ということを、今の活動を通してこれからもたくさんの方に広めていきたいです」
秋田県大仙市は四季折々の美しい景色が楽しめますが、冬は寒冷で大雪が降るため、環境の変化に慣れるまでは苦労するかもしれません。しかし、大雪で寒いからといってこの地域の女性の体温が低いわけではないそうです。
温活は、寒くなったからやるのではなく日頃のトレーニングが大切。女性の社会進出や活躍が広がってきた大仙市で、女性の健康を願う深澤ちふみさんの活動は、とても心強くこれから必要とされる存在です。今回の「BeautyJapan」をきっかけに、今後はこの大会をバックアップするために、後継者の育成にも尽力するそう。大仙市から、全国で輝く女性が増えることが期待されます。
【サロンアロマとハーブのお店 美ら肌庵】
秋田県大仙市大曲住吉町4-14
https://instabio.cc/3062601aeKxv0
https://www.instagram.com/churakian123/
文・撮影 高橋蕗子