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ソトコトペンクラブ

まちの呼吸音

志賀諒太

志賀諒太

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ここは、前回に引き続き「ゆめが丘」。

ゆめが丘。

生まれたての赤ん坊のようなまち。

ついこの間まで鬱々と電車に揺られていたのはどこへやら。

すっかり芝に寝ころび、まちの音に耳を傾ける余裕すらできた。

かんかんかん。ういーん。ばりばり。工事のにぎやかな音。 

ぶーん。たたんたたん。忙しそうに走る車や電車の音。

たったったった。見知らぬ誰かが足早に駆けていく音。

きゃっきゃきゃっきゃ。おぎゃー。ちびっこのはしゃぐ音。

ひゅー。さらさら。ざわざわ。季節を運ぶ風に、木々が揺らぐ音。

音。

姿かたちは様々あって、ひとつひとつが言わば

まちの息づかい。まちの呼吸音。

このまちは、すくすくと成長している。

そんなことを日々考えながら、

ワクワクと電車に揺られる今のわたし。

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