群馬県高崎市の観音山の慈眼院では例年8月第4土曜日に「万灯会」を行い、滅罪生善(めつざいしょうぜん)や諸願成就の祈りが捧げられます。一面に灯篭や灯明が灯され、あたりは幻想的で優しい光に包まれます。会場では円光くぐりや、子どもから大人まで楽しめるイベント、また万灯会にちなんだグッズの販売も行われます。2024年は通常より1ヶ月ほど遅れて開催の「第28回 高崎観音山ろうそく祭り 万灯会」を観音山や慈眼院の魅力とともにご紹介しましょう。
万灯会とは
万灯会は、仏教の儀式であり、灯明を灯して仏を祀る行事です。歴史は古く、744年に奈良の金鐘寺で始まったとされています。近年では夏の風物詩として全国各地で行われています。この行事では、仏に灯明をお供えし、現世の罪を懺悔して善を生じさせること、諸願成就を祈願し観音様への感謝を表します。
「万灯会」とは、仏に一万の灯明を灯す法会から名付けられました。行事は7世紀中頃から始まり、奈良時代には東大寺でも行われました。特に、高野山では8世紀に弘法大師が万燈万華会で様々な仏を供養したことがきっかけで広まり、1966年に慈眼院で白衣観音の誕生を祝い火祭りとして開催され、1997年からはより多くの人に参拝してもらうことを目的に現在の形で行われています。
万灯会は人気観光地の「観音山 高崎白衣観音・慈眼院」で開催
群馬の観光名所観音山に鎮座する「高崎白衣大観音」
高崎市の観音山丘陵に位置する観音山公園は、観光やレジャーが楽しめるスポットが豊富です。公園内には観音山ファミリーパークやプール、ケルナー広場があります。標高190メートルの観音山の頂上には、高崎市のシンボルである「高崎白衣大観音」があります。この観音像は1936年に実業家の井上保三郎により建立され、高さ41.8メートル、重さ約6,000トンの鉄筋コンクリート製です。訪れる人は胎内を拝観し、20体の仏像や僧侶の像を見ながら、観音像の肩の位置にあたる9階まで登ることができます。
地域の安全と幸福を見守る「高野山真言宗 白衣大観音 慈眼院」
高崎白衣観音の近くには「高野山金剛峯寺 慈眼院」があり、学僧の寺院として栄えました。この寺院は鎌倉中期に創建されたとされ、創建に関する文書は火災で失われました。明治時代の廃仏毀釈により衰退しましたが、1941年に高崎白衣大観音の建立に伴い、高野山から移転してきました。
慈眼院は聖観音菩薩を本尊とし、さまざまな祈願に応じています。特に家内安全や交通安全、開運などが祈願され、春には桜が美しく咲くことで知られています。また、東国花の寺百ヶ寺にも数えられています。
光を灯し仏さまに願いを請う「高崎観音山ろうそく祭り 万灯会」
「高崎観音山ろうそく祭り 万灯会」は毎年8月の第四土曜日に行われる祈願行事ですが、2024年は高崎祭りと重なるため、9月21日に変更されました。
当日は観音山麓の護国神社や観音通り、白衣大観音周辺に一万個以上の灯篭や灯明が灯され、幻想的な雰囲気が漂います。
参加者は灯篭に願い事を書いて奉納することができ、事前受付で1基10,000円で申し込むことが可能です。また、万灯会当日にはカップローソクの献灯もあり、白衣大観音前で1基500円で申し込めます。
さまざまなイベントが目白押し
万灯会当日は会場周辺で多彩なイベントが開催されます。白衣大観音では夜の胎内拝観や七仏詣り、山頂駐車場では開会式や津軽三味線、虎舞士のパフォーマンスが楽しめます。
また、慈眼院周辺では円光くぐりや大護摩、ミニコンサートも行われます。特製の護摩やだるまの輪投げ、万灯会だるま、オリジナルTシャツの販売もあり、記念品としておすすめです。
詳細は万灯会の公式ホームページを参照してください。
第28回 高崎観音山ろうそく祭り 万灯会開催情報
開催日:2024年9月21日(土)
時間:17:00〜21:00
場所:観音山 高崎白衣観音・慈眼院周辺
高崎観音山ろうそく祭り 万灯会公式HP