夏、汗ばむ体を冷やすために喫茶店に入って、アイスコーヒーをゴクゴクと飲み干す。暑い日のあの瞬間は、なんともたまりません。
初めてコンパルを訪れる人がアイスコーヒーを注文すると、「えっ?」と驚かれることもしばしば。それもそのはず、カップに入ったホットコーヒーがテーブルに置かれるのです。氷の入ったグラスに自分で注ぎ、自分でアイスコーヒーにするのがコンパルのスタイル。なぜ、このような飲み方が定着したのでしょうか?
他とは一味違う!自分で冷やして完成させるアイスコーヒー
卓上のメニュー表にも紹介されているおいしいアイスコーヒーの飲み方は、次の通り。
1. まず、温かいままのコーヒーにお好みで砂糖を入れてよく溶かします。
2. 氷の入ったグラスにコーヒーを注ぎます。
3. 最後にクリームを入れて召し上がれ。
ドリップコーヒーならではのまろやかな深みがありながらも、すっきりした味わい。豆本来の香りがふわりと鼻に抜けます。
たしかに、ドリップコーヒーを急速に冷やすとおいしいというのは聞いたことがあります。しかし、“冷やされた状態”ではなく“自分で冷やす”スタイルは、他店では見かけられません。コンパルではいつからこのスタイルでアイスコーヒーを提供しているのでしょうか?
「アイスコーヒーは昭和22年の創業時からメニューにありました。当時はコーヒーといえばホットが主流でしたが、創業者である先代社長がアイスコーヒーを商品化したと聞いています」
「ホットコーヒーをそのまま冷やしただけでは、味が落ちてしまいます。アイスコーヒーの場合は、ホットコーヒーと同量の粉に対して湯量を減らした濃厚なコーヒーを抽出しているのです。氷が溶けると、ホットコーヒーと同じ濃度となります」
飲む直前に冷やすことでおいしくなるのはもちろん、自分で最後の一手間を加えるという行為もなかなか乙なものです。
「もちろん、厳選された豆を使用していますし、創業以来の独自配合でブレンドしています。ただ、豆の詳細については会社の幹部数人しか知りません。店長の私もまだ知ることのできない企業秘密です」
そう教えてくれた播磨さん。店長さえも知らない企業秘密、気になります…!
コンパルに来たら、アイスコーヒーと一緒にエビフライサンドも!
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齊藤 美幸|まちと文化が好きなライター。広告制作会社での勤務を経て、2020年からフリーランスとしてソトコトオンライン他で執筆中。地元・名古屋を中心に、都市の風景や歴史、地域をつくる人の物語などを伝えている。