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ろくでなしが作る、正統派の豚骨ラーメン【福岡ローカルラーメン】

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福岡県福津市。
福岡市と北九州市の間に位置しており、玄界灘の海に面した街だ。
今回はこの街にある「福間ラーメン ろくでなし」をご紹介したい。

(店舗外観)

(店舗外観)

福間ラーメン ろくでなし

「ろくでなし」という名前はインパクトがある。
初めて聞いた時は「あぁおもしろい名前だ!」とワクワクした。
そんな「ろくでなし」は昼間はお客さんが店頭に並ぶことも多く、文句なしに地域で一番の人気店である。

ラーメンは味が「こってり」「あっさり」の二種類がある。
こってりは「呼び戻し熟成豚骨」と銘打っている。
あっさりラーメンのベースのスープを更に豚のゲンコツと背脂で追い炊きをしている。

刻々と変化するスープの状態を見極めながらの、スープの追い足し、古い骨と新しい骨の出し入れ、火入れと寝かせなど様々な工程により豚骨独特の香りと深みを演出している。

一度食べたらクセになるパンチ十分のラーメンだ。

(こってり味の「呼び戻し熟成豚骨)

(こってり味の「呼び戻し熟成豚骨)

もう一方はあっさり味の「フレッシュ一番絞り豚骨」だ。
丁寧に下処理をした豚頭骨を合計16時間強火で炊き上げている。
異なる炊き時間の3種類のスープを独自の配合で合わせることにより豚骨の旨み、コク、風味を最大限に引き出している。

小麦本来の風味豊かな細麺は製麺屋さんに何度も足を運んでもらい当店のスープに合うように、ろくでなしだけの配合、製法で作ってもらっている特注麺だそうだ。

(あっさり味の「フレッシュ一番絞り豚骨」)

(あっさり味の「フレッシュ一番絞り豚骨」)

味へのこだわり、創業の想い

通常であれば、二種類の味を創作する際には、「濃い」か「あっさり」の味付けをコントロールするところだが、
オーナーの中村氏曰く「豚骨臭い」と、「豚骨臭くない」相反した豚骨スープを追求した結果こうなったのだとか。

こうした中村氏の豚骨ラーメンへの本物を追求するこだわりは、
地元客だけでなく福岡のラーメン通をも唸らせており、口コミによって評判となっている。

そんな当店が創業した経緯を中村氏に尋ねてみた。
東京でのラーメン修行から帰省して、ラーメン店を始めようとしたことがきっかけとのこと。
地元福津で育った中村氏が、この場所で地元に愛されるラーメン屋を開きたいと思ったことで、
「福間ラーメンろくでなし」を始めたのだとか。

お客さんにとって居心地の良い場所を作りたいという想いが根底にあり、
紆余曲折を経ながら今も経営に根付いている。

(オーナーの中村氏)

(オーナーの中村氏)

地域の活動を通じて気付いたこと

そんな中村氏だが、今では地元の同業種の同志が集まって、一緒に活動している。
先日は地元のコーヒーショップとのコラボイベントの中で、こどもラーメン店を開いていた。

訪れた子どもたちがラーメン屋さんになって実際に自分たちがラーメンを作る体験ができるというものだ。
1日限りのイベントだったが行列ができて大賑わいだった。

今までは、地域やまちづくりに関心を持っていなかったという中村氏だが、
このイベントで子どもたちにラーメンを作る楽しさを伝えたことで、
経営とは別に自分たちができる新しい価値の存在に気付いてきたそうである。

最後にどうしても店名の由来が気になり中村氏に尋ねてみると、
THE BLUE HEARTSのロクデナシから名付けたのだとか。

ろくでなしの意味は「役に立たない者」、「どうしようも無い人」という意味なのだが、
愛嬌のある中村氏には人を引き付ける魅力がある。

お客さんは地元の常連さんが多く、皆に親しまれている。
彼が名付けた「ろくでなし」という言葉だが、今では最高にかっこいい意味になっている。

中村氏は「こどもラーメン店はまたやりたい」と言っている。
「コロナが明けたらみんなが喜んでくれて街が盛り上がるようなおもしろい祭りをやりたい!」
と目を輝かせていた。

(こどもラーメン店)

(こどもラーメン店)

写真・文:牛島博臣

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