発酵食を通じて心と体をより美しく、より楽しく、より健やかにすることをテーマに活動を続けている発酵食作家の園山真希絵さん。いまでは発酵フーズという会社を興し、代表取締役を務めながら、日々新しい食との縁を紡いでいると言います。そんな園山さんが新たに手掛けるのが「糀♡チーズケーキ」なのだそう。おいしく、健康的で、さらにはフードロス削減にもつながるというサスティナブルなロマンティックな一品だということです。いったいどんなチーズケーキなのでしょうか。ソトコトオンライン編集部でお話をうかがいました。
さまざまな縁、想いと洒落が織り込まれた糀♡チーズケーキ
園山真希絵さん(以下、園山) よろしくお願いします。
園山 糀♡(こうじあい)にはもちろん「糀への愛」を込めましたが、それだけでなく「幸慈愛」、「乞う自愛」といった、たくさんの意味を込めました。私たちの健康を支えてくれている発酵食品に愛を注ぎ、もっともっとヒーローのような存在にできればと思っています。
ソトコト チーズが発酵食だというのはもちろんですが、今回はコンセプトに「日本の素晴らしさと楽しさを伝える」とあるように、和洋折衷のチーズケーキになっているとうかがっています。「和」の部分のこだわりについてお話しいただけますか。
園山 使用する食材は北海道、釧路牛乳のクリームチーズ、十勝のおから、出雲の大納言小豆・藻塩・米糠、レモンは広島の瀬戸田、奄美大島の素焚糖など、日本全国からこれまで私と縁を結んできた食材を選び抜きました。特に出雲の大納言小豆は、私が子どものころからずっと食べている老舗菓子店の『坂根屋』さんで餡にしていただいています。
さらに、米糀が原料となる甘酒や白味噌を使用し、小麦粉や白砂糖を使わずに、いわゆるチーズケーキらしい甘みと酸味を楽しめる和洋折衷の一品につくりあげました。スイーツの華やかさは残しつつも、どこかに和を感じてホッとできて、罪悪感なく甘いものを食べられて、地球や人に優しいチーズケーキです。
もちろん、おいしさや味のバランスにも気を配っていて、味噌などを取り入れていますが、あくまでチーズケーキとしておいしく召し上がっていただけるようにしています。ニューヨークチーズケーキがよりなめらかになったような口あたりを想像していただければと思います。
ソトコト さまざまな発酵食を取り入れ、「和」のテイストを含んでいても、しっかりチーズケーキとして楽しんでもらえるようになっているわけですね。
スーパーフードが捨てられてしまっている現状。おいしく食べてもらう取り組みを続ける
園山 これは今回のチーズケーキだけでなく、日本の食の問題でもあるのですが、日本では豆腐を製造する際に、豆乳の搾りかすとなるおから(卯の花)が大量に発生します。おからは豊富な食物繊維や栄養素を含むスーパーフードと言ってもいい食材なのですが、大量の水分を含むため劣化しやすく、食材としての再利用率はわずか1パーセント程度に留まっています。米糠や米粉についても同様です。
なので、今回のチーズケーキなどを食べていただくことで、あらためて糀などの優れた発酵食を取り入れてもらいたい、そして発酵食の素晴らしさが伝わればいいなと考えています。スイーツをおいしく、楽しく食べることで、気づかないうちに健康になったり、フードロスの削減につながっていたりすれば、そんなにいいことはないですよね。
渋谷スクランブルスクエアで6月21日(水)までポップアップストアを出店
園山 ぜひいらしていただければうれしいです。私たちの会社『発酵フーズ』では、日本の風土を感じ、探求の旅を続け、ひとつひとつ未来へ積み重ねていくことが大事だと考えています。日本で古くから食文化として定着している発酵に着目したのもそれが理由です。ただ伝統を残すだけでなく、現代のライフスタイルに合わせてリブランディングをすることで、日本の食文化と健康を同時に守ることが目標です。
また、今回チーズケーキというかたちにしたのは、この考えをもっと海外の食文化とも結びつけていければと思ったからです。今回、私がこれまで結んできた縁でこの「糀愛♡チーズケーキ」ができたように、発酵食を通じて世界中と縁結びをして、心身を健やかに育んでいければと考えています。
場所:渋谷スクランブルスクエア1F Space1
開催期間:6月8日(木)~21日(水)
糀♡チーズケーキ
瀬戸田レモン:1個入り1,180円(税別)
抹茶:1個入り1,350円(税別)
2個入り(瀬戸田レモン1個、抹茶1個):2,380円(税別)
4個入り(瀬戸田レモン2個、抹茶2個):3,880円(税別)
1978年1月5日生まれ。島根県出雲市出身。高校卒業時に「食」に目覚め、肥満・ニキビ・アトピーを克服。70kg近くあった体重を、1年間で、食べながら約30㎏のダイエットに成功。2006年より約15年、紹介制飲食店『恵比寿 園山(そのやま)』経営者として店舗に立ち続ける。2022年7月に“人間もより良く発酵”をテーマに掲げた『発酵フーズ株式会社』を設立。数ヶ月後『カフェ・カンパニー株式会社』CHOに就任。数々の試練や苦悩の経験をバネにし、“人を良くする”と書く“食”を通して、良縁を結び、世の中に美しい意味と笑顔をもたらすことを生き甲斐としている。