オンライン飲み会は深酒しやすいらしいと聞いたことがある。確かに、終電も予算制限もない、いつでも眠れる環境で酒を飲めば際限なく飲んでしまうだろう。飲んでいるときは楽しくて何も考えていないけれど、次の日は朝から後悔しきりではないだろうか。ムカムカする胃とズキズキ痛い頭を抱えてぐったりしてしまうかもしれない。そんな時に体を癒す、あたたかい「ぬっぺ汁」のレシピを紹介しよう。
ぬっぺ汁とは
ぬっぺ汁は、岩手県紫波郡で食べられている郷土料理。ぬっぺい汁、のっぺ汁という呼び方もある。豆腐の入ったおすましの上に、大根のおろし汁でのばしたとろろを乗せた、滋味深い汁ものだ。法事の席で供されることの多い精進料理だが家庭でも広く親しまれている。「ぬっぺ汁」という名前の由来は定かではないが、見た目がのっぺりと白いからとか、「濃餅(のっぺい)」から取られているからとも言われている。
あまりの美味しさに八杯でもお代わりできるとされ「八杯豆腐」という名前でも呼ばれる。山芋や長芋と豆腐の組み合わせは体の弱った人にも食べやすく栄養満点。
とはいえ、山芋をおろすのが面倒という人は多いだろう。今回はパックのとろろを使ったが、フリーズドライのとろろという便利なものもある。楽なやりかたで作るのがおすすめだ。もちろん、負担でない方は山芋をすりおろして作ってみてほしい。
レシピ
材料(一人分)
フリーズドライやパックのとろろ1人前、
もしくは山芋50gでつくったとろろ
酢 少々
大根の絞り汁 大さじ1
卵液 大さじ1
豆腐 1/3丁
刻みねぎ お好みで
刻み海苔 お好みで
かつお出汁 1カップ
醤油 大さじ1
塩 ひとつまみ
作り方
- とろろに酢、大根の絞り汁、卵を加えてよくまぜる。
- 豆腐を長さ2cm、幅1cmほどのサイズに切る。
- かつお出汁に醤油と塩を加え、切った豆腐を入れて煮立てる。
- お椀に煮立てた3を盛り、1の山芋を加えて、ねぎや海苔を好きなだけかける。
実食
ふわふわの山芋と濃いめのだし汁が混ざり、ネギや海苔とともに口の中で渾然一体となる。ごはんにかけるのはもちろん、そうめんやうどんにも合いそうだ。晩酌のアテにもなるだろう。一日で8杯おかわりするのも案外難しくないのではないだろうか。
山芋には胃の粘膜を守るぬめり成分が含まれている。むくみ解消のカリウムも豊富で、食べ過ぎ・飲み過ぎで疲れた身体を癒せるだろう。だしとふわふわとろろのハーモニーをご賞味あれ。