富山ローカルかまぼこの赤巻き、昆布巻き。赤と白の色合いだし、昆布だし。こんなにめでたい素材なので、みなさん、おせちに使いませんか!
富山のかまぼこは、うどん、、チャーハン、サラダに入るデイリー食材
12月に入り、全国各地のスーパーでかまぼこの占有面積が増えてきました。
お重箱の中に入った紅白の板付きかまぼこ。お正月の風物詩ですね。
さて、日本海に面したここ富山県でも、かまぼこはたくさん売られています。なんといってもかまぼこの消費量全国3位のかまぼこ好き県です。
(総務省:家計調査魚介類)
みなさんも北陸新幹線のおかげで全国区になった富山ローカルかまぼこを、お土産などでみたことがあるかもしれません。
あの独特な風貌がとてもキュート、赤のぐるぐる通称「赤巻き」と、黒のぐるぐる「昆布巻き」です。
富山県民にとって、赤巻き、昆布巻きかまぼこは、とても身近な食材。
富山の友人いわく
「赤巻きはデイリーの食べ物。旨味があるから切って焼きそばに入れたりチャーハンに入れたりする冷蔵庫の常備品。ちょっと焼くのもいいですよ。昆布巻きは切って酒のさかなにすることも。」
赤巻きかまぼこって、なんとなく、ソーセージのような扱いですね。
一方、4〜5年前にJターンした夫(富山寄りの石川県能登半島出身)は、「赤巻きは、うどんに入ってるものでしょう。なると?いや、だから、それがかまぼこだってば」
そのぐるぐるのビジュアルには、なんの疑問も抱いていないようです。
でもまあ、確かにうどんに入っている赤巻きはおいしい。煮込んでしまっても旨味がしっかり残っていて、スカスカにならない強い味わいがあります。
板に載ってる必要性がある?富山かまぼこは、なんか自由だ!
ところで、赤巻き、昆布巻きかまぼこをよーく見ると、かまぼこにあるべきはずのものが見当たりません!
富山かまぼこ、どれをみても、板つきではないのです。昆布や、シート状の赤いかまぼこでくるっと巻いているだけ。
巻いてあるから、板はいらない!
きっと「板わさ」も通用しないでしょう。
さらには、使いやすく2~3mmにスライスされた赤巻きかまぼこをスーパーで見かけたときは、衝撃が走りました。チェダーチーズや生ハムのスライスを見たイタリア人の気分です。
板の上から離れられず、切り口の断面や飾り切りで勝負する小田原タイプのかまぼこと違って、富山かまぼこは形も自由。色も自由。素材が魚のすりみなら、ある意味なんでもあり。
ナチュラル派が驚く青巻きかまぼこもあれば、今話題の竹を模したかまぼこも。
富山駅の「とやマルシェ」をぐるっと回れば、お土産用に棒状のスナックかまぼこが売られていたり、白えびやチーズ風味のもの、小さな鯛や、チューリップ、季節の果物や動物が描いてある細工かまぼこもあります。
全部ひっくるめて富山かまぼこです。
結局、正月にかまぼこはあり?なし?
あまりにも身近な富山のかまぼこ。お正月には食べるのでしょうか。
富山市内のかまぼこメーカー、梅かまさんに電話取材をしてみたところ、「もちろんふだんから買われますが、お正月の売れ筋も、やっぱり赤巻きと昆布巻きです。グレードの高いものや、少し大きなものを正月用に買われますね(梅かまU-mei館)」とのこと。やはり富山の食卓には、かまぼこは欠かせない!
ちなみに、「細工かまぼこ」と呼ばれる鯛の絵や寿などの文字が書かれたかまぼこは、おめでたいときに使われ、結婚式の定番。お正月には登場しないそうです。
富山ローカル巻きかまぼこ、次の野望
そもそもお正月のおせちにかまぼこが使われるのは、その紅白の彩りあればこそ。
富山のぐるぐる赤巻きかまぼこだけで、条件を満たしちゃうのでは!と思うのは私だけでしょうか。
それから、やはり重箱のレギュラーである、身欠きにしんなどを巻いてかんぴょうで結ぶ昆布巻き。
かわりに昆布巻きかまぼこでもいいかもしれません。
富山のかまぼこが、北陸新幹線開通でメジャーデビューを果たしてから5年。
20XX年、「正月用かまぼこ」にも、赤巻きかまぼこと昆布巻きかまぼこが全国進出する日が来る?かもしれません!
ということで、今度のおせちには富山ローカルかまぼこを採用しようと思います。