高島屋大阪店では「四代 田辺竹雲斎展 守破離」を開催いたします。今展は、近年のテーマである「守破離」の集大成の展覧会として、歴代竹雲斎代々の技術を継承する作品をはじめ、8人の各作家とのコラボレーション作品、伝統とテクノロジーの融合作品など、竹工芸の新たな可能性を模索する新作の数々、150点を一堂に展観いたします。
伝統的な竹技術を継承し、異分野とのコラボレーション、現代アートとしての新たな一面も見せるという活動は、国内外の美術館やアートイベント、ラグジュアリーブランドなどから高い注目を集め、発表の機会が拡大しています。
さらには年々進化するインスタレーションや、竹を編み込む緻密な技術によって生み出される造形オブジェ、数理モデルを応用した作品など、新しい工芸の魅力を感じさせます。また、全国から門弟が集まり、伝統と革新を生み出すハイブリッドな工房として、大型作品の共同制作や地域振興の領域まで、持続可能な未来を見通した活動をされています。
展覧会構成と作品紹介
[Ⅰ]「守」“伝統”を継承した作品
〔Ⅱ〕「破」異分野とのコラボレーション作品・現代的アート作品
シンガポール在住の建築学者・デジタルアーチストの貝島佐和子氏の構造計算による設計図をもとに、編み上げられた「伝統工芸とアルゴリズム幾何学の融合」を表現した次世代の挑戦的作品(11点)。今回は、ドローイング図もご覧いただき、制作工程にも迫ります。
近年、精力的に取り組む制作活動の中で、異分野との若手工芸作家との多彩なコラボレーションが大きな反響を呼んでいます。平面作家との融合作品は今回初の発表となります。
コラボレーション作家:小黒アリサ(木彫)、貝島佐和子(建築・デジタルアート)、笹井史恵(漆藝)、加藤亮太郎(陶芸)、鈴木翔太(彫金)、田島周吾(日本画)、若杉聖子(白磁)、若宮隆志(漆)など計37点予定
海外での美術館やギャラリーでの発表を通じ、彫刻的なオブジェ作品への期待が高まっています。今展では、虎竹・黒竹等を用いた彫刻的オブジェ作品を15点~20点を展覧します。
〔Ⅲ〕「離」巨大インスタレーション
略歴・活動
1999年 東京藝術大学美術学部彫刻科卒業
2006年 田辺小竹を襲名
2016年 インスタレーション(フランス国立ギメ美術館)
2017年 四代田辺竹雲斎を襲名
インスタレーション(メトロポリタン美術館/NY)
2019年 インスタレーション(オドウンパザル近代美術館開館記念展/トルコ)
2021年 アートフェアにて東京史上最大のインスタレーション(東京アートフェア)
2022年 インスタレーション・個展 Gucci並木(東京)
インスタレーション Casa Loewe Barcelona (ロエベバルセロナ/スペイン)
(受賞歴)
2007年 COSTEN bamboo prize
2012年 内閣官房 国家戦略室より「世界で活躍「日本」を発信する日本人プロジェクト」に選出
2015年 公益信託タカシマヤ文化基金タカシマヤ美術賞受賞(2015年度)
2022年 芸術選奨文部科学大臣新人賞、大阪文化賞を受賞
(収蔵先)メトロポリタン美術館、シアトル美術館、ボストン美術館、大英博物館など
イベント
・5月20日(土)午後2時~ 「-工芸の未来- 四代 田辺 竹雲斎 × 前﨑信也ギャラリートーク」
[前﨑信也]1976年生まれ。京都女子大学生活造形学科教授。龍谷大学部卒業後、英国に留学。
・5月21日(日)午後2時~「-融合の可能性- 四代 田辺 竹雲斎 × コラボレーション作家ギャラリートーク」
前﨑先生をMCにコラボレーション作家との作品制作秘話を交えたトーク
※出演作家/笹井史恵、鈴木祥太、田島周吾、若杉聖子
・5月26日(金)午後2時~ 高島屋史料館「百貨店美術部モノガタリ」連動企画
「四代 田辺竹雲斎ギャラリートーク&制作パフォーマンス」
今展覧会の代表作品についての解説と作品制作のパフォーマンス
・5月27日(土)午後2時~ 「四代 田辺 竹雲斎と三人の子供たち デモンストレーション」
2023年7月20日(木)より 東京・日本橋高島屋にて開催 ※詳細は日本橋高島屋ホームページへ