MENU

ニュース

【20代の食事内容の悪化が一因か?】腸内細菌生息状況が世代別に大変化

  • URLをコピーしました!

10000例以上の腸内細菌DNA検査データを利用し、トリミングした8804例から日本人の腸内の危機的状況と腸内細菌生息状況(型判定)の世代別変化について新たな知見を得ましたので発表となった。

当社では、次世代シークエンサーを使用した腸内細菌叢のメタゲノム解析結果とライフスタイルデータを組み合わせることで、腸内環境の状態を見える化する独自検査「菌ドック」を2016年より提供しております。世界的にみて日本人の腸内環境は多様性もあり恵まれた状況であると言われてきましたが、今回の解析により、主に20代と50代の男女において、腸内細菌の豊かさ、発散、均一性などを測る「多様性指数」が悪い傾向になっていることがわかりました。特に20代においては男女ともに食事の質が低下していることが示唆されており、腸内の細菌の生息状況を示す「型判定」にも変化が出てきております。

今回の解析は、日本人の腸内の状態を示す資料になるとともに、腸内細菌叢の状態が、生活習慣の変化や病気とまではいえない「未病」の状態を指し示す一つの指標になりうる可能性を示唆するものと言えます。

目次

解析結果サマリー

本解析は2016年〜2023年までに当社検査によって蓄積された腸内細菌叢データ及びライフスタイルデータの情報をもとに行われたものです。腸内の健康度を示す多様性指数と主に食生活についてのデータを用いて判定する当社独自の「腸年齢判定」では、最も良い「A」〜悪い「C」のうち、Cの割合は約20%、5人に1名は腸内の状況が悪い可能性が示されました。

これを年代別に見ると、最も腸内の状況が悪いのが50代、それとほぼ僅差で20代の腸年齢判定が悪くなっています。従来は、年齢を重ねることにより、腸内細菌の多様性が失われていき、悪化傾向を示すと考えられてきましたが、本解析結果では、むしろ若年層である20代において加齢以外の要因がある可能性が示されました。

腸年齢判定の世代別グラフ

 (208042)

加えて、長期の食生活や腸内細菌の生息状況を確認できる「型判定」においても世代別に大きな差異がみられました。
型判定は腸内細菌叢のメタゲノム情報をいくつかのタイプに分類して臨床情報と比較しようという研究から生まれた考え方で、2011年にArumugamらによって提唱された「エンテロタイプ」を基に作成したものです。当社では独自の計算式で、「エンテロタイプ」で最優占種となるバクテロイデス、プレボテラ、ルミノコッカスのいずれかが最優占種と判定された場合に各々1型、2型、3型、そしてそのどれにも該当しない場合は「混在型」とする判定方法を用いて腸内細菌叢を分類しています。

今回の解析では、20代から30代に関しては元来日本人に多いと言われていた3型(ルミノコッカスタイプ)と混在型よりも欧米在住者によく見られる1型(バクテロイデスタイプ)の割合が多い結果となりました。特に20代では1型が過半数を超えています。1型は脂肪の多い食生活との相関が見られるタイプです。今まではお肉中心の食生活の方が多いとされていましたが、コンビニ食など脂肪分が多い食事がメインになっている傾向が伺える結果となりました。

成人男女平均と20代の型判定結果

 (208045)

データを活用した「腸活」の重要性

腸内環境を整え、腸内細菌叢を自分自身にあった形で整えていく「腸活」は近年様々なメディアに取り上げられ、市場も開拓されています。一方で、自分自身の細菌叢がどんな傾向を持っているのか、現在何が足りていないのかを判断しながら実践している方は少ないのが現状です。また、まことしやかに囁かれる腸活の手法の有効性に関してもまだまだ検証段階です。

当社では、「菌ドック」を活用する形で様々な腸活手法の検証や、被験者ご自身にあう腸活方法や補いたい菌種の提案などを行っております。今回のデータを活用し、さらにこの分野への提案を強化する予定です。
また、現在はこの解析結果を基にしたセミナーを企画しております。ご興味のある企業様に対して対応予定のため、下記問い合わせ窓口よりお問い合わせをお願いいたします。
kindock@sheepmedical.com

菌ドックについて

菌ドックは腸内細菌叢から健康を考えるために生まれた、腸内細菌DNA検査サービスです。主に大腸に棲息する腸内細菌のDNAを米粒程度の便から取り出し、次世代シークエンサーを用いて種類と割合、いわゆる腸内細菌叢を検査します。
得られた腸内細菌叢の結果と問診による食生活習慣から、健康増進のための生活環境改善の提案が可能です。
現在までで1万例以上の検査を実施しており、日本でも屈指のデータベースを保有しています。

SheepMedicalについて

「未病領域の課題解決を通して世界中の人々の健康寿命を延ばし、暮らしを豊かにする」ことを目指す企業です。
これまで歯列矯正用のアライナーを主軸とするデンタル事業を展開し、国内シェアトップクラスの実績を誇っています。
今後当社は、「100年楽しく生きる。新しい日常の提案者」として歯科領域だけでなく《未病》という大きなテーマの課題解決に向け、既存事業の拡大と新たな事業の強化を行って参ります。
⚫︎SheepMedical株式会社

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

よかったらシェアしてね
  • URLをコピーしました!

関連記事