10000例以上の腸内細菌DNA検査データを利用し、トリミングした8804例から日本人の腸内の危機的状況と腸内細菌生息状況(型判定)の世代別変化について新たな知見を得ましたので発表となった。
今回の解析は、日本人の腸内の状態を示す資料になるとともに、腸内細菌叢の状態が、生活習慣の変化や病気とまではいえない「未病」の状態を指し示す一つの指標になりうる可能性を示唆するものと言えます。
解析結果サマリー
これを年代別に見ると、最も腸内の状況が悪いのが50代、それとほぼ僅差で20代の腸年齢判定が悪くなっています。従来は、年齢を重ねることにより、腸内細菌の多様性が失われていき、悪化傾向を示すと考えられてきましたが、本解析結果では、むしろ若年層である20代において加齢以外の要因がある可能性が示されました。
腸年齢判定の世代別グラフ
型判定は腸内細菌叢のメタゲノム情報をいくつかのタイプに分類して臨床情報と比較しようという研究から生まれた考え方で、2011年にArumugamらによって提唱された「エンテロタイプ」を基に作成したものです。当社では独自の計算式で、「エンテロタイプ」で最優占種となるバクテロイデス、プレボテラ、ルミノコッカスのいずれかが最優占種と判定された場合に各々1型、2型、3型、そしてそのどれにも該当しない場合は「混在型」とする判定方法を用いて腸内細菌叢を分類しています。
今回の解析では、20代から30代に関しては元来日本人に多いと言われていた3型(ルミノコッカスタイプ)と混在型よりも欧米在住者によく見られる1型(バクテロイデスタイプ)の割合が多い結果となりました。特に20代では1型が過半数を超えています。1型は脂肪の多い食生活との相関が見られるタイプです。今まではお肉中心の食生活の方が多いとされていましたが、コンビニ食など脂肪分が多い食事がメインになっている傾向が伺える結果となりました。
成人男女平均と20代の型判定結果
データを活用した「腸活」の重要性
当社では、「菌ドック」を活用する形で様々な腸活手法の検証や、被験者ご自身にあう腸活方法や補いたい菌種の提案などを行っております。今回のデータを活用し、さらにこの分野への提案を強化する予定です。
また、現在はこの解析結果を基にしたセミナーを企画しております。ご興味のある企業様に対して対応予定のため、下記問い合わせ窓口よりお問い合わせをお願いいたします。
kindock@sheepmedical.com
菌ドックについて
得られた腸内細菌叢の結果と問診による食生活習慣から、健康増進のための生活環境改善の提案が可能です。
現在までで1万例以上の検査を実施しており、日本でも屈指のデータベースを保有しています。
SheepMedicalについて
これまで歯列矯正用のアライナーを主軸とするデンタル事業を展開し、国内シェアトップクラスの実績を誇っています。
今後当社は、「100年楽しく生きる。新しい日常の提案者」として歯科領域だけでなく《未病》という大きなテーマの課題解決に向け、既存事業の拡大と新たな事業の強化を行って参ります。