アーティストの和田永が中心となり、使われなくなった電化製品を電子的にコントロールし、新たな楽器として蘇らせ、あらゆる人を巻き込みながらオーケストラを目指していくプロジェクト「ELECTRONICOS FANTASTICOS!」が、日本中で夏祭りや盆踊り、花火大会の実施が難しくなった2020年夏、オンライン『電磁盆踊り』を開催する。題して、【電磁盆踊りRETURNS! 2020】。
おなじみの盆踊り曲やオリジナル曲『電電音頭』を、劇団「快快(FAIFAI)」によるレクチャータイムで踊りを練習した後、古家電が奏でる祭囃子にのせて、民謡の歌い手である木津かおりの歌声とともに歌い舞い、誰でも参加できるという番組構成で生配信する。
“興味があれば”の参加者は、地球規模に。
隅田川のほとりで産声をあげた「ELECTRONICOS FANTASTICOS!」は、多種多様に関われるチーム<Nicos Orchest-Lab>として東京、日立、京都、オーストリア・リンツなど、各地で展開されている。参加条件は、「興味があれば誰でもOK」という、入り口が広過ぎるプロジェクトだ。これまでに、茨城県北芸術祭「KENPOKU」、瀬戸内国際芸術祭2019への出演など、アートフェスティバルでは地域との関わりを生み出し、その土地でそこに暮らす人々との協働を続けてきたが、今回もそのときに出会ったメンバーたちがこのオンライン『電磁盆踊り』のつくり手になっている。楽器、踊り、演奏。全てがプロジェクトのなかで、和田永が出会ってきた人と起こしてきたことだ。
そんな和田永は2020 年、「日産アートアワード2020」ファイナリストにノミネートされた。ノミネート作家は、2020年7月より新作を展示している(ここからファイナリストが決定され、グランプリが決定する)。彼の展示作品は《無国籍電磁楽団紀元前》(2020年)。世界5カ国にさまざまな素材と指示書を送り、現地の人々がそれらを楽器として組み立て、演奏する。展示会場では、遠隔で合奏する様子が映し出される(なお、作品は一部、コロナのため現地に素材が届かず、未完成状態で、展示はスタートしていた)。
これまでの彼の取り組みの背景もあり、この『電磁盆踊り』は、ただの1度きりの、“このコロナ禍でこそのオンラインイベント”にとどまらない可能性は高い。ローカルをオンラインでつなぐ次の一手、つないでいくパイプ(それは糸なのかもしれない)を確かにするなにか、そんなヒントがそもそもあるのかないのかは、当日視聴しなければわからないが、オフラインとオンラインについて、この『電磁盆踊り』を通して与えてくれる気づきは確かだ(補足すると、3年前の2017年、『電磁盆踊り』は東京タワーの下で行われている)。
8月22日当日は、トークも実施。家電楽器の最前線と未来像を和田永はプレゼンテーションを行う。また、死者への供養として生まれたとされている盆踊りだが、2020年のコロナ禍においてどのような役割を果たすのか。ゲストに世界各地の音楽・地域文化を追いかけるライターで、旅と祭りの編集プロダクション「B.O.N」のメンバーでもある大石始さん、『WIRED』日本版前編集長で、現在黒鳥社代表の若林恵さんと共に、考えていく。
世界各地で活動しているプロジェクトチームとも中継をつなぎ、オンライン配信中の画面上で、オンライン中継も実施される予定だ。番組時間は5時間。夏の終わりの盆踊り行事の時間と比較すると、大体それぐらいという感覚。8月22日は浴衣を着て、ラップトップやスマートフォンの画面を前に、『電磁盆踊りRETURNS! 2020』で納涼するのもいいかもしれない。
<開催概要>
和田永 ELECTRONICOS FANTASTICOS! presents【電磁盆踊りRETURNS! 2020】
開催日時:2020年8月22日(土曜日) 19:00-24:00
場所:S/U/P/E/R DOMMUNE ※無観客生配信
TALK出演者:和田永 + Nicos Orchest-Lab、無国籍電磁楽団員、若林恵、大石始、清宮陵一(MC)、山口三平(通訳)
LIVE出演者:快快(FAIFAI)、木津かおり、家電祭囃子隊2020(和田永、山本颯之助、安宅晃、青山真以子、川島里香、多田愛美、市原えつこ、山口三平)
DJ:DJフクタケ(ヤバ歌謡)
視聴方法など詳細はこちら ▶︎ https://www.dommune.com
ELECTRONICOS FANTASTICOS! プロジェクト オフィシャル・ウェブサイト
https://www.electronicosfantasticos.com
本リリース内容に関するお問合せ先
NPO法人トッピングイースト / VINYLSOYUZ LLC 清宮陵一
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