MENU

ニュース

【地域コミュニティと防災】楽しく学ぶ防災運動会から自治体DXまで!つながりが生む防災力の新しいかたち

  • URLをコピーしました!

阪神淡路大震災では助かった人の9割が自分や周りの人の助け(自助・共助)によるものでした。災害が多発する日本において、地域コミュニティの絆こそが最強の防災インフラ。多世代参加型の「防災運動会」から地域コミュニティアプリまで、楽しみながら防災力を高める革新的な取り組みが全国で展開されています。つながりが生む新しい防災のかたちをご紹介します。

目次

9割が自助・共助で救われた現実

阪神淡路大震災における調査結果(兵庫県南部地震における火災に関する調査報告書)によると、助かった人の9割は自分や周りの人の助け(自助・共助)が重要だったとされています。災害時には、インターネットや電話回線、交通手段が途絶え、長時間家族や地域の人々と連絡が取れない可能性があります。

このような状況下では、日頃からの地域コミュニティとのつながりが生死を分ける重要な要素となります。しかし、従来型の防災イベントには参加しない、忙しくて防災を学ぶ機会を設けられないビジネスパーソンが多いという課題もあります。

誰もが参加したくなる「防災運動会」

株式会社IKUSAが開発した「防災運動会」は、老若男女が一緒に参加できる「防災」をテーマにした災害体験型アクティビティ。必要だとわかっているけど学ぶきっかけがない防災知識を、楽しみながら身に付けることができる画期的な取り組みです。

各種目は災害の各フェーズに分かれ、事前準備から災害発生、避難時、避難所生活まで順番に競技を行うことで防災理解を深められます。防災クイズラリー、災害脱出救済リレー、防災借り物競争、救援物資ジェスチャーゲームなど、知識を詰め込む前に必要な姿勢や考え方を楽しみながら学べる設計になっています。

デジタルが支える地域コミュニティ

地域コミュニティアプリ「ピアッザ」を運営するPIAZZA株式会社は、愛媛県松山市と地域コミュニティの活性化を目的とした連携協定を締結。中国・四国地方初の導入として、地域住民同士の交流促進やコミュニティ活動等の情報発信を支援しています。

ピアッザでは、エリア専用のタイムラインでまちの情報を投稿・閲覧でき、防災・防犯情報や自治体ニュース等も閲覧可能。町内会・自治会等の地域コミュニティ組織では電子回覧板としても活用でき、会員同士による情報共有はもちろん、未加入の地域住民との新たな接点づくりとしても機能します。

自治体の9割が重視する初動対応

株式会社Specteeの調査によると、自治体の防災・災害担当者の9割以上が「初動対応が重要」と回答する一方、4割近くが「対策が不十分」と感じています。災害発生時の被害状況をどこよりも速く、正確に把握することの重要性が明らかになっています。

このような課題に対し、AIを活用した情報解析により、TwitterやFacebookなどのSNSに投稿された情報から、自然災害や火災、事故などの緊急性の高い情報を100以上の事象で、市区町村、空港や駅、商業施設、観光地周辺といった対象と組み合わせて、「どこで何が起きているか」をリアルタイムで確認できるシステムが開発されています。

地域イベントが繋ぐ防災ネットワーク

PIAZZA株式会社の調査では、地域のイベントに興味がある人は9割を超える一方、3人に1人が近所のイベント情報を「見つからない」問題を経験していることが判明。この課題解決のため、地域住民が街中で見つけた地域密着のイベント情報をWebで公開する「ピアッザ 地域のイベント」が開発されました。

防災訓練や避難所見学会なども含む地域イベントへの参加機会を増やすことで、地域の新たなつながり創出を目指しています。今後も地域イベントを継続するため、自らが担い手となってイベントに参画したいと前向きな人は約8割に上り、地域コミュニティの自主性も高まっています。

パートナーと確認したい防災チェックリスト

フタリノ株式会社とKOKUAの調査では、災害時に別の場所にいるパートナーと会える”自信アリ”の人は、わずか5%という驚きの結果が判明。約6割の人は、無事に合流できる自信がないと回答しています。

このため、日頃から夫婦・パートナーと災害時の行動や防災について確認しておく「ふたりで話したい防災のこと10」のチェックリストが作成されました。ハザードマップの確認、防災グッズの準備、緊急時の連絡方法など、身近な人との防災コミュニケーションの重要性が注目されています。

コミュニティラジオが支える地域防災

とまこまいコミュニティ放送株式会社(FMとまこまい)では、防災アナウンスシステム設備(緊急割込システム)の資金調達をクラウドファンディングで実施。コミュニティラジオ局が地域の防災情報発信の要として機能する取り組みが進んでいます。

地域密着型メディアとしてのコミュニティラジオが、災害時の情報伝達手段として重要な役割を担い、地域住民の安全確保に貢献しています。

つながりこそが最強の防災インフラ

地域コミュニティと防災の関係は、単なる情報共有を超えて、日常的な支え合いの関係性構築にあります。楽しみながら学べる防災運動会、デジタルツールを活用した情報共有、地域イベントへの参加促進など、様々なアプローチで地域の絆を深めることが、いざという時の共助力につながります。

「自分が生かす、他人を助けられる人」を増やしていくことは社会的な課題であり、地域コミュニティの力こそが災害に強い社会の基盤となるのです。

参照元

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

よかったらシェアしてね
  • URLをコピーしました!