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サスティナビリティ

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「自分ごととして楽しい」から始まる。「白い森」と暮らしの サスティナビリティ。

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山形県・小国町を舞台に、まちの持続可能性を考える連続講座「白い森サスティナブルデザインスクール」が2年目を迎えました。都市部から参加した受講生は、まちがおもしろくあり続けるための秘訣を小国町の大人たちから学んだようです。

目次

初めてのまち、まずは体感してみる。

「白い森」の愛称で親しまれるブナ林をはじめとした森林資源や水資源に恵まれた山形県・小国町を舞台に、まちの未来や暮らしのあり方を考え実践する「白い森サスティナブルデザインスクール」が開講された。
第2期となる今回は、まちづくりに関心の高い都市部在住の学生や若手社会人を中心に、延べ20名の受講生が集まった。

2022.July in Oguni 小国町を見る・知る・体感する。

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右上/受講生同士も初めての対面となった第1回。オリエンテーションではワクワクと共に緊張も伝わってくる。右下/小国駅を中心とした市街地を歩いて散策。左上/日本酒の蔵を改装して造られた『カモスク』を通じた小国町のまちづくりについて、店長のムラカミユリさんから伺う。左下/メイン講師・指出一正の講演。
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夜はキャンプファイアを囲みながら、町民との交流を深めた。
初回の講座では2022年7月2日と3日の2日間で小国町を訪問。オリエンテーションでまちの概要を学んだ後、自分たちの足で実際にまちに出てみる。市街地に流れる川や由緒ある神社、数年前まで使われていた和洋折衷のデザインが魅力的な社員寮などを歩いて回った。その後、メイン講師である弊誌編集長・指出一正の講演を聞き、半年間の講座で目指すものを再確認した。
2日目は、小国町内で活躍する人々を訪ねる。クルミの樹皮やアケビの蔓を使った雑貨を手掛ける『kegoya』の熊谷茜さんや、農業・酪農を営む『髙橋農場』の江口ちひろさんといった、自然と共生しながら暮らす方々の話を聞いた。さらに、2022年3月にオープンしたカフェとコワーキングスペースを兼ね備えた施設『カモスク』を訪問。小国町のまちづくりのリアルな動きを見ながら、受講生の表情は好奇心に満ちあふれていた。

自分の好きなことから、関わりの種を見つける。

小国町を訪れてから約1か月後、東京都内で再び集まった。ここでは、最終発表会で提案する「小国町との関わりプラン」の作成に向けて、次回訪れる際に深めたい自身の問いを整理していく。小国町の人々のニーズや前年度の受講生のプランをヒントとし、頭を悩ませながらも「自分の好きなこと」を軸に楽しく考えた。

2022.August in Tokyo 「関わりプラン」の 土台をつくる。

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小国町との持続的な関わりを築くべく、自分の好きなこと、できること、やってみたいことと、まちのニーズを掛け合わせてプランのアイデアを出していく。
そして迎えた2回目の現地実習は、2022年10月7日から9日までの3日間行われた。町内に暮らす人々の仕事を学ぶ「弟子入り体験」でそれぞれが興味・関心のあるテーマについて深め、エネルギーの地産地消を考えるイベント「再エネ☆フェス」では、弟子入り先のお手伝いをしたり、受講生自ら企画を持ち出して実験的に行ったりと、各々が自分サイズでチャレンジする時間となった。

2022.October in Oguni 小国町のローカル プレイヤーに “弟子入り”する。

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右上/マタギの本間義人さんに“弟子入り”。地元の方と少人数でしっかり関われるのも本講座の特色だ。右下/小国町南部に位置する樽口峠で自然の雄大さを体感。左上/「再エネ☆フェス」では、前日にお世話になった『kegoya』の熊谷茜さんの出店をお手伝い。左下/「再エネ☆フェス」を主宰する髙橋泰弘さん(左)と高橋睦人さん(右)。
また、「白い森」の由来であるブナの森を散策したり、小国町らしい雄大な景色を眺めたりと、自然も満喫。最終日には、講師やメンター、ほかの受講生に相談しながらプランをブラッシュアップしていった。
講座を通じて、小国町のこれからを「自分ごと」として考えてきた受講生は、約1か月後に東京都内で最終発表会に臨んだ。
小国町でレンタルピクニックを行うツアーや、フルマラソンを行う案、「白い森」のロゴを使用したワイシャツを製作し、サスティナブルにファッションを楽しむ案など、個性光るプランが挙がった。

2022.November in Tokyo 小国町とのこれからの関わり方を発表する。

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右上/受講生が製作した小国町での暮らしの一年を表現した絵本。右下/食に関心のある受講生は、地元の秋田県と小国町の食材を掛け合わせた料理を来場者へ振る舞った。左上/一人一人がこれからの町との関わり方を発表。左下/会場には前年度講座の修了生や小国町にゆかりのある人が、オンラインからは町民の方々が応援に駆けつけてくれた。
講座を終え、受講生の国沢夏実さんは「小国町の方たちの『小国をもっと知ってほしい、感じてほしい』という気持ちが伝わってきました。地元を大切に思って、行動に移せるかっこいい大人に出会えてよかったです」と語る。自分自身が楽しめることからまちに関わり続ける関係性がここから育っていくことだろう。
photographs by Masaru Mizushima & SOTOKOTO
text by SOTOKOTO (Yukari Shimamura)
記事は雑誌ソトコト2023年3月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。

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