ロフト✖️ソトコトによる「ロフコト雑貨店」。第2弾は、いよいよ新米シーズン到来!の「お米」です。

ロフト✖️ソトコトによる「ロフコト雑貨店」。第2弾は、いよいよ新米シーズン到来!の「お米」です。

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2022.10.04

『ロフト』バイヤーと、バイヤーが注目する『旅するおむすび屋』菅本香菜さんの対談企画です。

「時の器」をコンセプトに、その時々の空気感を切り取り、みんなの欲しいものを提案していく雑貨の店『ロフト』と、雑誌『ソトコト』でスタートしたプロジェクト「ロフコト雑貨店」。今社会にある気分として『ロフト』が感じている、日本のローカルと食、そしてサステナビリティを『ロフト』では、雑貨を通して展開しています。第1弾の「お茶」に続く第2弾は、「お米」。

今回は、『銀座ロフト』のバイイングやイベント企画なども担当している田中由起子さんと、今回の「お米」特集にも参加している『旅するおむすび屋』・菅本香菜さんに、お米やおむすびの魅力について、お話していただきます。菅本さんは、全国47都道府県を巡り、その地域の食材でおむすびをつくるワークショップを行っている方。読んだ後はお腹が空いているはず。

私たちにとって身近すぎる「おむすび」は、知れば知るほど奥深い存在。

『銀座ロフト』田中由起子さん(以下、田中)「お米」を特集するにあたって、みんななぜか大好きな「おにぎり」が思い浮かびました。そして「おにぎりと言えば誰だろう」と探していた私に、複数の知人が「おもしろい活動をしている人がいるよ」と教えてくれて、菅本さんのことを知りました。FacebookやInstagramを拝見して、すぐにダイレクトメッセージを送ったのが、菅本さんと接点を持ったきっかけでしたよね。

『旅するおむすび屋』菅本香菜さん(以下、菅本) そうでした。『ロフト』さんは雑貨のイメージだったので、ご連絡をいただいて「お米の特集をするんだ!?」と驚きました。私は6年前に、おむすびを通して食べる楽しさ・大切さを伝えていきたいと思い『旅するおむすび屋』という活動を始めました。店舗を持たず、全国47都道府県を訪ねて、その地域の人たちと一緒にその地域の食材を使っておにぎりをむすんで食べる、そんなワークショップを行っています。

田中 お米は、当たり前のように食卓に並んでいる存在だと感じている人は多いと思います。ですが、菅本さんから「お米はもちろん、おにぎりの相棒のような塩や海苔も、季節やつくられる地域によって味わいが全然違う」と聞いて、奥深いなあと思いました。

菅本 そうなんです。『旅するおむすび屋』の活動を通じて、地域の食文化やこれらを支える生産者さんなど、さまざまなことや人を知ることで、自分の人生が豊かになる感覚があったんです。だからそれを、皆さんにも少しおすそ分けできたらと思っています。

田中 すごくうれしいおすそ分けです。改めての質問ですが、菅本さんが「おにぎり」ではなくて「おむすび」と呼ぶのはどうしてですか。

菅本 人と人をむすんだり地域と地域とをむすんだり、何かをむすぶという意味を込めたかったことと、おむすびの語源が理由です。諸説あるようですが『古事記』に登場する「神産巣日神(かみむすびのかみ)」という農業の神様の名前からきているそうです。自然の中に神様を感じる日本人らしさがわかる説がいいなと思って以来、「おむすび」と呼ぶようになりました。

田中 そんな謂(いわ)れを聞くと「おむすび」と呼びたくなってしまいますね。先日私は菅元さんのつくったおむすびを食べさせてもらったのですが、すごくおいしかった。どうすればあの味になるんでしょう。おいしいお米を使って、炊き方もお上手だと思うんですが、むすび方にコツがあるのでしょうか。

菅本 おむすびのむすび方は、よく質問を受けるのですが、誰かに教わったわけではないんです。全国を巡っておむすびをむすぶので、何度もむすぶうちに上手くなったのかもしれません。敢えて言うとしたら、各地で出会った生産者さんの思いや、地域や生産者さんへの私の思いを、おむすびにして誰かに届けられると気づいた瞬間、むすび方について考えるようになりました。

じゃあどうすればおいしくむすべるのかというと、力まずにふんわりむすぶこと。自分の手も心地いいんですよ。この感覚でむすぶとお米も喜んでいるような気がします。そうやって辿り着いたむすび方です。

ほわっとお米同士が触れ合うくらいで十分。二、三度手でむすぶだけでも解(ほど)けることはありません。とは言え、私のむすび方がお手本というわけでもなくて、正解はなし。おむすびは、大人も子どもも、誰でも気軽につくれるお料理です。

各地にお邪魔する時は、地域の食材をさまざま集めて、生産者さんから食べ方を教わったりしながら、「この具材とこの具材を組み合わせたらおいしそう」と話をしながら、みんなで自由にむすびます。地元の食材がずらりと並ぶこともなかなかないようで、地元の食材の豊富さに驚く方も多いんですよ。

「おむすびは、食べると誰もがほっとする」と話す菅本さん。
「おむすびは、食べると誰もがほっとする」と話す菅本さん。
 田中さんの好きなおむすびは、たらこのむすびとのこと。
田中さんの好きなおむすびは、たらこのむすびとのこと。

なぜか誰かにつくってあげたくなる、おむすびの魔法。

田中 全国を巡っておむすびをつくる中で、印象に残っている具材の組み合わせはありますか。

菅本 例えば岩手県陸前高田市で出合った「りんごとベーコン」でしょうか。りんごをおむすびの具に!? と一瞬驚きましたが、甘塩っぱさがよかったです。それから、福島県・西会津町で小学生が提案してくれた、「椎茸を使ったおむすび」はおもしろかったです。椎茸を具にするとなると、刻んでご飯に混ぜ込むイメージがあるかもしれませんが、椎茸の佃煮を丸々そのまま使って仕上げてくれました。椎茸の肉詰めの肉の部分がお米になっていて、おむすびが椎茸の帽子をかぶっているようなビジュアル。焼きおにぎりにしてもおいしかったですよ。

田中 かわいいおむすびだっただろうと想像できますね。でも、どうしておむすびにするといくつでもお腹に入るんでしょうね。ついつい食べ過ぎてしまいませんか。

菅本 そうですよね。ワークショップに参加してくれた子どもたちを見ていても、際限なく食べている気がしますが、自分でつくるからもっとおいしく感じるのかもしれません。それに、おむすびづくりには失敗というものがないので、とにかくみんな楽しそうです。

お父さんやお母さんと一緒に参加してくれた子どもたちに、私から「むすんであげてよ」と言わなくても、お父さんやお母さんにつくろうとするんです。おいしいものを大切な人のためにつくってあげたい気持ちは、家庭料理の原点だと思いますが、その姿を見るたびに、子どもたちはちゃんとわかっているんだと感激します。

田中 素敵なことですね。お話を聞きながら、また菅本さんのおむすびを食べたくなってきました(笑)。ちなみに渋谷・銀座・池袋・横浜の4店舗で開催する「ロフコト雑貨店」では、思わず誰かに紹介したくなるような機能やデザインを兼ね備えた道具や器、文房具やコスメなど実はお米と関連性のある商品を販売しますし、『渋谷ロフト』と『銀座ロフト』では、おむすびの相棒の塩の味比べを開催します。

菅本 私はほんの一例ですが、「ロフコト雑貨店」で自分の人生を豊かにしてくれた生産者さんの食材を紹介させてもらいます。“楽しい”が詰まった『ロフト』さんでご紹介できることがうれしいです。お米はもちろん塩や海苔の生産者さんのこだわりを知っていただけると、ただの食べ物ではない少し特別な存在になって、一層おいしく食べていただけるんじゃないかと思います。

田中 つくられた背景を知ると誰かに話したくなるし、味はもちろん会話も含めて、おいしさはきっと増しますね。

菅本 そうなるといいなと思います。「ロフコト雑貨店」に商品が並ぶ生産者さんたちの映像も準備中なので、期間中に現地で流れる映像を通じて、生産者さんのこだわりを感じていただきたいです。そして、実際の商品を手にとっていただけたらと思います。

菅本さんのおむすびは、手の感触を確かめながらむすぶそう。
菅本さんのおむすびは、手の感触を確かめながらむすぶそう。

「ロフコト雑貨店」お米特集 開催概要
開催期間:2022年10月1日(土)〜10月30日(日) *期間中無休 *『渋谷ロフト』のみ11月1日(火)まで
実施店舗:『渋谷ロフト』『銀座ロフト』『池袋ロフト』『横浜ロフト』
URL:www.loft.co.jp


田中由紀子さん
たなか・ゆきこ●『銀座ロフト』次長。バイイングやイベント企画なども担当している。

菅本香菜さん
すがもと・かな●福岡県北九州市生まれ。拒食症を経験したことで食べる大切さを痛感し、2017年に『旅するおむすび屋』の活動を始める。2022年末に『旅するおむすび屋』の活動がドキュメンタリー映画化される予定。

text by Maho Ise photopraphs by Hiroshi Takaoka