生活雑貨専門店の『ロフト』と『ソトコト』が組んだ「ロフコト雑貨店」。3回目となる今回は、2023年4月から5月にかけて開催され、「麺」をテーマにセレクトされた多彩な商品が『ロフト』の5店舗に集まった。
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店舗を超えて担当者が 集まり、売り場を構成
『渋谷ロフト』正面入り口を入ると、「ロフコト」と「麺」の文字があしらわれたディスプレイが目に飛び込んでくる。そう、今回の「ロフコト雑貨店」のテーマは「麺」だ。並んでいるのは、日本各地から集められたうどんやそば、そうめん、ラーメンと、バラエティ豊かな麺。さらにどんぶりや蕎麦ちょこなどの器や箸、道具、調味料、雑貨まで、麺をおいしく食べるためのさまざまなモノが会場を彩っていた。
これだけの商品のセレクトから手配、ディスプレイを行うのは、開催店舗から集まったスタッフたち。みんなで意見を交わしながら「ロフコト雑貨店」をつくり上げていく。「ロフコト雑貨店」の1回目から携わっている『銀座ロフト』の小野佳幸さんは、麺のセレクトを担当した。「日本には本当にたくさんの麺があります。そのなかからどんな切り口で選ぼうかと考えていたときに頭に浮かんだのが『製麺所』でした。製麺所には、その土地でつくられ、地域の方々に愛されてきた多彩な麺があります。うどんとそばを両方つくっていたり、昔から親しまれているロングセラーや、これまでにはないアイデアから生まれた新しい麺もあって、一味違うおもしろい麺を揃えることができました」。こうして集められた麺は地域別に並べられ、麺の多彩さが際立つ会場となった。
麺に関わるさまざまな雑貨のセレクトを担当したのは、同じく1回目から参加している『渋谷ロフト』の高橋康裕さん。「蕎麦ちょこは多くの窯元でつくられていて、同じ窯元でもいろいろなデザインがあり、素材も陶磁器だけではなく、木やガラスなど多彩。選んでいて楽しかったです。イラストレーターやアーティストと有田焼の窯元が組んでつくった蕎麦ちょこは、多くのお客さまに手に取っていただけました」。ほかにもどんぶりや箸、レンゲ、麺を使ったお菓子などが並び、各地の七味を集めたコーナーは海外からの旅行客に人気が高かったそうだ。
❶「離島つながる商店」(『渋谷ロフト』のみ)で販売された北海道の離島のそば。❷ラーメンに特化した「究極のラーメン鉢」。❸北海道・知床の素材が凝縮したインスタントラーメン「こはる」。❹『出張・日本百貨店』(『渋谷ロフト』『吉祥寺ロフト』のみ)に並んだ「ぺろっこうどん」(小山製麺所、岩手県奥州市)は幅の広さが特徴。❺各地の七味が集合。❻アーティストやイラストレーターと有田焼がコラボした「CHOCO ARITA」。❼葛そうめん、黒ごまめん(坂利製麺所、奈良県・東吉野村)。❽ご当地ラーメンチェーン『8番らーめん』のインスタントラーメン。❾「そばそうめん」(天童製麺所、山形県天童市)は細くてコシがある。❿モチーフが楽しい豆皿(カタチクラフト、岐阜県土岐市)。⓫化粧箱入り「揖保乃糸」(兵庫県手延素麺協同組合、兵庫県たつの市)。⓬「金ちゃんヌードル」(徳島製粉、徳島県徳島市)は『出張・日本百貨店』に並んだ。⓭沖縄そばの麺やもずくうどんは沖縄県から。
『ロフト』の原点を 経験できる企画。
小野さんも高橋さんも、普段の仕事と並行しながら「ロフコト雑貨店」を担当している。正直、大変さはあるものの、やりがいも感じているそうだ。「開催初日に向けて、考えることが楽しいんです。いいもの、おもしろいものを選んでお届けする『ロフト』の原点を経験できる企画だと思っています。初日の朝に『は〜、やり切った!』と言える瞬間を味わいたくてやっているのかもしれません」と高橋さんが語ると、小野さんも「わかる!」と共感を示す。「自分の仕事の限界が広がったと思います。回を重ねるごとに開催店舗も増え、今回は渋谷、銀座、池袋、吉祥寺、横浜で開催できました。他店舗の考え方や見せ方も勉強になります」。
好評のうちに終わった麺がテーマの「ロフコト雑貨店」。実は、もう次回に向けて動きが始まっていて、「大変ですがまたやります」と二人は口を揃える。「そのためには、旅に行ったり、お店を巡ったりして、いろいろなものをインプットして、自分の感性や発想を豊かにしておきたい」と高橋さん。小野さんは「あまり気張らずに、でも楽しんでやっていきたい」と語る。次はどんな売り場が広がるのか、開催が待ち遠しい。
『ロフコト雑貨店』
開催期間:2023年4月17日(月)〜5月14日(日)※『渋谷ロフト』は4月18日(火)から5月15日(月)まで開催。
実施店舗:『渋谷ロフト』『銀座ロフト』『池袋ロフト』『吉祥寺ロフト』『横浜ロフト』
開催期間:2023年4月17日(月)〜5月14日(日)※『渋谷ロフト』は4月18日(火)から5月15日(月)まで開催。
実施店舗:『渋谷ロフト』『銀座ロフト』『池袋ロフト』『吉祥寺ロフト』『横浜ロフト』
photographs by Mao Yamamoto text by Reiko Hisashima
記事は雑誌ソトコト2023年8月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。