エトランゼとして訪れる“場所”を考える
みなさま、ごきげんさん!(オオサカンとしての「ご機嫌いかがですか?」の意。) 如何お過ごしですか? ソトコトペンクラブのペンフレンド056番・角野天十里(カドノ アトリ)です。
観光や出張で訪れた場所にて訪れる場所とは……?
突然ですが、おたずねしたいことが、1つあります。観光地や出張先などにて、初めての土地に赴いた際、どこを訪れられるでしょうか、というおうかがいです。
観光地ならもちろん、わかりやすく観光案内地図やら標識やらがありますよね。半日コースとか、歴史認識コースとか、オススメのモデルコースもあり、私もよく参考にさせていただき、その通りに動いたりしております。
ただ、そこからさらに、エトランゼ(その土地以外からの旅行人)としましてはもう少し、その土地ならではの食やらお買い物やらを楽しみたい、なんて欲もまた生まれるものでして……。
特に朝イチでお仕事が終わったよとか、モデルコースで存外廻ることができて「時間的にまだ余裕があるよ」的なとき、みなさんが訪れる場所ってどこでしょうか? というおたずねなのです。
私はそんなとき、よく地元ならではの主に駅前や近いところにある商店街を訪れてみるのです。
土地の人々の「日常」とエトランゼの「非日常」
なぜ、商店街なのでしょうか? それは、土地に即した商品を取り扱っておられるということ。そして、その土地の人々が日々日常生活を営んでおられる場であるということ。
あつかましくも、エトランゼなりになにかのご縁で伺えたその“土地”を体感させて頂きたいという思いがあって……。エトランゼにしてみれば、お伺いしている土地での時間は、(たとえ数時間だとしても)非日常のひととき。
けれど私は妄想します。
たとえばこの駅近くに住んでいたら、帰りにこの肉屋さんの店頭で揚げたてコロッケとメンチカツを買い、八百屋さんでキャベツ半分とトマトを買い、こじんまりとしたスーパーマーケットにも立ち寄って牛乳と少量パックのポテトサラダを買い、鼻歌なんぞフンフン鳴らしながら、いそいそと夕飯の準備をおうちでするのではないかなどと。
もうコレ、勝手ながらも、その土地の「日常」を生きようとしていますよね……?
ふわふわとご機嫌な気持ちを抱きつつ、商店街もガツガツせず、ゆったりぶらり歩きさせて頂けますよね……?
もちろん、エトランゼにとってのひとときは有限なので、ある程度の時間になれば私の住む「大阪の日常」へと戻らなければなりません。それでも折角の“土地”での思い出に、また次訪れる機会を願う意味も込め、たとえば、その土地ならではの調味料やら野菜やら、ラーメンやうどん麺やら、銘菓を商店街やその地のスーパーマーケットで買い求めるのでした。
天神橋筋商店街をご紹介させてください
そんなこんなで、今回、大阪住みの天十里がエトランゼの皆さまにご紹介するのは、「天神橋筋商店街」(大阪府大阪市北区天神橋1丁目~6丁目)です。
この天神橋筋商店街は、全長約2.6kmという日本で一番長い商店街、そして江戸時代から大阪天満宮の門前町として発展してきた商店街なのです。最南端の天神橋1丁目から7丁目まで、6つの商店街に分かれている商店街です。これだけ南北縦の長さだけに、約600もの店舗がアーケードの下軒をに軒を連ねています(傘無しで、雨に濡れずに南北行き来ができるのです)。
日常、普段使いの「食」のお店。たとえば肉屋さんの揚げたてコロッケやたこ焼き、鯛焼き、パン屋さん、餃子、丼、うどんにそば、お好み焼きなど。
店内でもテイクアウトでも、気軽に利用できるお店や落ち着く懐かしの喫茶店や、紅茶とケーキの美味しいカフェテリア、美味しい洋食屋さん、お寿司屋さん、中華料理屋さん、居酒屋さんなど諸々の外食のお店。
もちろん生活雑貨やお洋服店、バッグや帽子専門店、本屋さんに古本屋さん、文房具屋さんに、ドラッグストアに100円均一ショップ、ガチャガチャ(カプセルトイ)専門店やカラオケボックスまで、JR大阪環状線「天満駅」下車直ぐには、商店街から横に、主に夜に賑わうお店が目白押し。縦横無尽にお店が並んでいます(飲酒を楽しまれる方には有名な場所で、こちらの画像はまたいずれ……!)。最南端の一丁目から最北の六丁目まで歩いたとしても、ざざっと歩くだけなら一時間もあれば十分です。
私にとっては、天満宮とセットで幼少期からずっと大好きな商店街で、今でもお買い物の場所。日常における、気軽に行けて、アレコレお買い物できて、お腹も気持ちも満たされる商店街。エトランゼのあなたにも、アレコレお店を覗き、そこの「日常」を味わっていただける商店街ではないかと。
日本三大祭りの「天神祭」の主役である、大阪天満宮
二丁目商店街からアーケードを東に抜けた天満宮北門東側には、「天満天神繁昌亭」(上方落語の定席のひとつ)があります。
そもそもが天満宮への参道だった商店街だからこそ、折をみてお参りなさってみてくださいな。
最後に……!
ただし、あくまでもエトランゼとしての振る舞いが必要でもありますよね。いわゆるオーバーツーリズムになってしまうことは望ましくありません。この土地の持つ魅力に惹かれましたので、
「ちょっとお邪魔しますね、楽しませてくださいね」
というのが望ましいスタンスだと考えてもおります。天十里も訪れた場所での“エトランゼ”としての振る舞いに、今後も留意しつつ楽しませて頂ければと思います。商店街、大阪だけでもまだまだ沢山ございます。オオサカンな天十里としましてもまた今後、こちらにて挙げてまいります。
ご縁に感謝。心を込めて。
※記事内に掲載した画像は2024年9月現在のものです。