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特集 | かっこいい農業 これからの日本らしい農業のあり方 !

安城農林高校教諭|山﨑友梨さんが選ぶ、「農度」を高める本5冊

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愛知県安城市にある安城農林高校のフラワーサイエンス科で教鞭を執る山﨑友梨さん。教師という立場で、大勢の生徒たちに接してきた。その経験から山﨑さんが選んだのは、動植物や農業にまつわる多様な本でした。

安城農林高校教諭|山﨑友梨さんが選ぶ、「農度」を高める本5冊

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(左上から時計回りに)1.『13歳から分かる! 7つの習慣 ─自分を変えるレッスン』/2.『おもしろ植物図鑑 ─マンガと写真でゆる〜く楽しむ、草花の魅力』/3.『ブタの動物学』/4.『農業のマーケティング教科書 ─食と農のおいしいつなぎかた』/5.『銀の匙 Silver Spoon』 
 私の実家は農家ではないのですが、動物が好きだったことと、農業高校に通う先輩から動物について学べると聞き、農業高校に進みました。高校、大学で学んだのは「畜産」。高校時代は先生に怒られながらも、育て、伸ばしてもらったと感じていたことから、教師として仕事を選び、今、母校で教えています。

 農業高校が舞台の漫画といえば、『銀の匙』。“農業高校あるある”が満載です。生徒が主体的に取り組む授業の様子などが描かれていて、実態がよくわかります。実際「この漫画を読んでこの学校を受験しました」という生徒もいました。ぜひ、中学生に読んでほしいですね。

『銀の匙』の農業高校は、生徒の多くが農家や酪農家の後継者ですが、本校では9割近くが一般家庭の生徒です。私が教えているフラワーサイエンス科は、植物について学ぶ学科なので、まず植物に興味を持ってもらわないといけません。その際にぴったりなのが『おもしろ植物図鑑』。植物に関する雑学的な知識が満載です。たとえば「インパチェンス」という花は、咲き始めには雄しべが伸び、それがとれると雌しべが出てきます。そんなちょっと変わった花の咲き方や、とてもよく考えられた虫と花の関係など、教科書には載っていないけれど、植物に興味も持つきっかけになる本です。

 教室には、生徒の将来につながる資格試験の問題集などと一緒に、『おもしろ植物図鑑』のような私がおもしろいと思う本を数十冊並べています。パラパラとめくっている生徒もいて、学ぶことや将来を考える一助になればと思っています。

 ここまでは生徒たちの学びに関連する本を紹介してきましたが、次は教師として生徒を育てるという視点に立ったときに、とても参考になった本、『13歳から分かる!7つの習慣』です。『7つの習慣』は、社会人向けでとても話題になりましたが、これは13歳からでも分かるように内容をかみ砕いています。たとえば第1の習慣を「主体的である」としています。これはすぐ反応的に行動するのではなく、1回立ち止まって考え、主体的に行動することが大切だと教えています。また、第2の習慣「終わりを思い描くことから始める」は、作物や家畜を育てる農家にも通じるものです。

 学校は学びの場であり、人間形成の場でもあります。生徒たちには、知識や技術以外のことも学んで、たとえ農業分野に進まなくても、何か自分の糧にしてほしいと思います。

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やまざき・ゆり●高校、大学では「豚」について学ぶ。高校時代に、先生に育ててもらったという思いから教師の道へ。現在は安城農林高校のフラワーサイエンス科(花の栽培と植物バイオテクノロジーの基礎的な知識と技術を学ぶ)で生徒たちと向き合う。
photographs by Yuichi Maruya text by Reiko Hisashima
記事は雑誌ソトコト2022年1月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。

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