みなさんは日頃から「農」に関わっていますか? 都市部に住んでいる人たちには少し縁遠いかもしれませんが、「農業や農的なものに興味がある」「農業に関わりたい、応援したい」と思っている人は少なくないはず。そんな「農」をより身近に感じられるプロジェクトに加え、人気の「農系ポッドキャスト」を集めてみました。
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WANOWA
日本の伝統や文化を後世に残していくために、情報発信や商品開発を行っている『キャライノベイト』。同社が展開している「WANOWA」は、農産物の「香り」に着目した商品づくりを行っている。「香りで、残す。」というコンセプトをもとに、石川県能美市国造地区のゆず、岐阜県中津川市加子母地域のヒノキ、京都府相楽郡和束町のお茶などの香りを生かした、ハンドクリームなどの化粧品を手がける。また、いい商品づくりで生産者の生業を守り、担い手の醸成につなげたいという思いのもと、売り上げの2パーセントを各地域へ生産支援として還元している。
koyart
「koyart」は小屋とアートを組み合わせた造語で、神奈川県・三浦半島や千葉県・房総半島で創作活動を行っている生産者や学校、デザイン事務所や専門機関などのさまざまな団体が参加するプロジェクト。主に野菜の販売小屋をテーマにした独創的なデザインの小屋の創作を行い、野菜の販売はもちろん、その小屋をきっかけにした地域内外とのコミュニケーションを広げていくことも目的としている。つながりを生むだけでは終わらせず、現代農業を表現した小さな作品の集合体からさらに大きなつながりをつくり、社会課題に目を向けていこうというメッセージが込められている。
農家バンドフェス
全国の農家がTwitter上で演奏動画を配信するという、前代未聞の「オンライン音楽フェス」プロジェクト。発端となったのは農業系のポッドキャスト配信者たち。ポッドキャストは無料のインターネットラジオで、近年は数あるジャンルの中でも農業系ポッドキャストが人気を集めている。そんな農家たちが全力で楽しみながら、農業の魅力を音楽で楽しく発信することを目的としている。そして第1回の開催当日には、多くの「農家バンド」が動画を投稿し、大きな盛り上がりを見せた。意外な視点から生まれた農業の新しい発信方法で、今後の展開もおもしろくなりそうだ。詳細は公式Teitterへ。
農カードプロジェクト
カードには生産地や栽培している作物などとともに、生産者の顔が大きく載っている。この「農カード」は、消費者と生産者を身近につなげるための若手農家を中心とした販売促進ツールだ。「農カードプロジェクト」に参加している農家から作物を購入すると、各農家の農カードが1枚もらえる仕組みになっている。トレーディングカード形式にすることでコレクション性を高め、参加している生産者の販売促進につなげること、最終的には農業自体を盛り上げることが目的。季節ごとに旬の作物を育てている農家のカードをピックアップしたりと、楽しく気軽に参加でき、生産者を身近に感じられるプロジェクトだ。
text by Hiroya Honma(SOTOKOTO)
記事は雑誌ソトコト2022年1月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。