長野県在住のラーメンライター、たこにわです。ラーメン食べ歩きは40年以上、北は旭川、東は根室、西は長崎、南は石垣島まで訪麺しています。47都道府県制覇しました。僕は、ローカル色があり地道に頑張っているお店をみなさんにご紹介していきます。
長野市の文教地区に佇む中華そば店
マンションや一戸建てが混在する比較的若いエリアで、スーパーや飲食店も多いので活気のある地域だ。
今日ご紹介する「中華そば 極宇(ごくう)」は、そんな地元を中心に愛されているお店である。
80~90年代の洋楽が流れる店内
ラーメンの美味しさだけでなく、実は店内にいつもかかっている洋楽が筆者も大好きで、
店主とはこれまでもよく音楽について語り合っていたのだ。
「バンド仲間で音楽を続けている」そうで、店内BGMも自分の趣味という。
80~90年代の洋楽は、筆者にとっては青春時代そのもの。
米ビルボードヒットチャートやUKチャートなどから、懐かしい曲ばかり。
それを聞きながらラーメンを食べることの楽しさ。
洋楽ファンにはたまらないお店ではないだろうか。
極宇中華そばは「和」の要素が凝縮
「2014年の開店以来、変わらない味を続けています」と店主。
期間限定メニューもたくさんあるが、やはりこれを紹介したい。
鶏ガラを中心に、昆布、干しシイタケ、長ネギ、ニンニクなどでダシを取る。
「かつて、和食系のお店で働いたことがある」と店主。
そのときの経験がスープづくりに生きているとのことだ。
「あっさりスープの上に、ほかのお店にはないものをトッピングしてみたい」と考えたのが湯葉。
「湯葉をスープに浸してから食べてみてください」。
ユニークなトッピングである。
さらに鶏ガラスープに合う鶏節を添える。
鶏節はかつお節と違って風味は弱いが旨味は十分あるとのこと。
湯葉と鶏節。
ここに店主の和食経験が生きている。
品を感じるスープと麺
醤油の味を抑えつつ鶏の出汁はまろやかだ。
昆布や干しシイタケなど出汁の旨味を支える素材がしっかりしているからだろう。
鶏節がスープに溶け込んでいくのを見ると、視覚からも美味しさを感じてしまう。
滑らかで喉越しがよい。
麺をすする音が心地よく、あっという間に胃袋に流れ込んでいく。
今以上に多くのお客さんに喜んでもらえるお店に
「どうしても味に自分のクセが出てしまう」と店主は言う。
期間限定で煮干しをやったり、創作系をやってみたりして、「手ごたえは感じているものの、何か突き抜けるものが足りない」。
しかし、基本は「やっぱり、たくさんのお客さんに喜んでいただけるようなラーメンを作りたい」と抱負を語る店主。
そう語る店主はいつも明るい笑顔を見せてくれる。
その笑顔こそ、我々の期待を超えるようなラーメンを作る原動力になると確信した。
*店舗情報・メニュー、内容は取材時点の内容でございます。