デジタルアートと投資が交差すること注目を集めるNFT。しかし、その世界は、初心者には理解しきれない独自の言葉や概念で溢れています。そのすべてを理解することは、まさに新しい世界への扉を開くようなもの。この記事では、NFTの基礎知識から始まり、その世界で使われる基本的な用語、そしてそれらの用語をどのように活用すればよいかを解説していきます。
この連載企画は、国と地域を問わずローカルでの活動にWeb3.0の技術や思想を活用している事例を紹介するメディア『ローカルWeb3』からのコンテンツ提供でお届けしています。当記事は『ローカルWeb3.0』にて、2023年7月14日に公開されたものを再編したものです。
デジタルアートと投資が交差する点で注目を集めているNFT。しかし、その世界は、初心者には理解しきれない独自の言葉や概念で溢れています。
その全てを理解することは、まさに新しい世界への扉を開くようなもの。この記事では、NFTの基礎知識から始まり、その世界で使われる基本的な用語、そしてそれらの用語をどのように活用すれば良いかについて解説していきます。
NFT用語リストの活用方法

NFT界隈には、独自の言語と用語が多く存在します。各用語の理解は、NFTの取引やコミュニティ内でのコミュニケーションを円滑にするために不可欠です。
本記事の後半部分で解説するNFTの基本的な用語リストは、その理解を深めるための道具として使用できます。NFTの基本的な用語リストの効果的な活用法は、次のとおりです。
✔️新たな用語に出会った際の参照ツールとして活用する
NFTの取引や情報収集を行っている際に見知らぬ用語や略語に出合った場合、リストを引き出してその意味をすぐに調べることができます。
✔️NFTコミュニティへの参加
NFTのコミュニティに参加する際、同じ言葉を使うことでコミュニティメンバーとのコミュニケーションを円滑に行うことができます。
具体的な意味やニュアンスを理解することで、より深い会話や議論が可能になります。
✔️自身の学習の一部とする
NFTやブロックチェーンの世界は、進化し続けています。新たな概念や用語が日々生まれているため、それらを学習し、理解することは必要不可欠です。
NFT用語リストは、その学習の一部として活用することができます。
NFTの基本的な用語解説

Airdrop(エアドロップ)
NFTや仮想通貨をユーザーに無料で配布する行為を指します。特定のコミュニティのメンバーや、特定の仮想通貨を保有しているユーザーなど、条件を満たす人々に対して行われることが多いです。エアドロップは、新しいプロジェクトの認知度を上げるため、または既存のコミュニティに感謝の意を示すためによく使われます。
AL(Allow List)
特定のユーザーを事前に認証し、特定のアクション(例えば、新しいNFTの先行購入)を許可するリストのことを指します。NFTプロジェクトでは、しばしば一部の早期サポーターをALに追加し、新作NFTの先行購入権を付与することがあります。
AMA(Ask Me Anything)
「Ask Me Anything(何でも聞いてください)」の略語で、NFTプロジェクトの運営者がオンライン上(主にTwitterスペースが活用されます)で開催するQ&Aセッションのことを指します。
セッションでは、コミュニティのメンバーがプロジェクトの詳細について直接質問する機会が提供されます。これにより、プロジェクト運営者は透明性を高め、コミュニティとの信頼関係を深めることが可能です。
Approve(アプルーブ)
仮想通貨やNFTの送付許可を与えることを指します。特定のウォレットやスマートコントラクトに、あなたの代わりにトークンを送ることを許可することで、自動的な取引が可能になります。ただし、アプルーブはリスクも伴うため、信頼性の確認が必要です。
Ethereum(ETH、イーサリアム)
世界で2番目に市場規模が大きい仮想通貨で、スマートコントラクトと呼ばれる自動実行プログラムを実行することができる、ブロックチェーンプラットフォームです。スマートコントラクトの機能を利用して、多くのNFTやDeFi(分散型金融)プロジェクトがEthereumブロックチェーン上で構築されています。
ウォレット
仮想通貨を保管するためのデジタル財布のことを指します。ウォレットがあることにより、ユーザーは仮想通貨を送受信したり、NFTを保管したりすることができます。安全なワレットの選択と管理は、NFTや仮想通貨の世界で活動する上で非常に重要です。

ガス代
イーサリアムのブロックチェーン上で取引を行う際に必要となる手数料のことを指します。ガス代は、取引をブロックチェーンに記録する「マイナー」(ブロックチェーンのネットワークを維持する人々)に支払われます。NFTの取引やミント(作成)にはこのガス代が必要となり、ブロックチェーンのネットワークが混雑しているときには、ガス代が高騰する可能性が高いです。
ガチホ
「ガチで保有」という意味のスラングで、ある資産(NFTや仮想通貨など)を長期間保持し続けるという意志の強さを表現する言葉です。NFTコレクターの中には、一部の作品を「ガチホ」することで、その価値が将来的に上昇することを期待する人々もいます。
Crypto(クリプト)
「Cryptocurrency」(暗号通貨)の略語です。これは、暗号技術を用いて発行され、取引が行われるデジタルな通貨を指します。ビットコインやイーサリアムなどがその例です。また、「Crypto」は、より広い意味で、暗号技術やブロックチェーン技術を用いた新しいデジタル経済全般を指す場合もあります。
GOX
取引所などに預けていた資産が盗難される事象を指す用語で、日本のビットコイン取引所「Mt.Gox」の破産事件から派生した言葉です。2014年にMt.Goxは、大量のビットコインが盗難されるという事件が発生し、それが「GOX」という言葉の起源となりました。この事件は、仮想通貨を扱う上でセキュリティの重要性を改めて世に問いました。

ジェネラティブ(ジェネレーティブ)NFT
プログラムにあらかじめ組み込まれたアルゴリズムによって自動的に作成されたNFTの作品のことを指します。たとえば、10,000体の独自のキャラクターを一つ一つ手で描く代わりに、それぞれの特徴(顔、体、背景色など)を組み合わせて自動的に生成することができます。この手法により、膨大な数のユニークな作品を生成可能です。
SCAM(スキャム)
詐欺行為を指す用語です。NFTの世界では、価値のない作品を高額で販売する、偽のアーティストによる作品の販売、投資をうながす詐欺など、さまざまな形のスキャムが存在します。参加者は注意深く行動し、自己責任の下で研究と判断を行うことが必要です。
スマートコントラクト
ブロックチェーン上で動作する自動的な契約のことを指します。あらかじめ設定されたルールに従って、自動的に取引などを実行するプログラムです。例えば、NFTの売買やオークションはスマートコントラクトによって行われ、その透明性と不変性が保証されます。
Zero trust(ゼロトラスト)
ネットワークセキュリティの一種で、いかなる通信も信用せず、すべてを検証することを基本原則とします。仮想通貨やNFTのようなデジタルアセットの取引では、セキュリティが重要なテーマとなります。ゼロトラストの原則を取り入れることで、安全に取引を行うことが可能です。
SBT(ソウルバウンドトークン)
特定のユーザーに「束縛」される形で存在するトークンを指します。NFTゲームにおいては、プレイヤーがゲーム内で獲得したアイテムがNFTとして所有権がプレイヤーに与えられ、アイテムがSBTとなることがあります。アイテムは、そのプレイヤーだけが使用でき、他人に譲渡することはできません。

DAO(分散型自立組織)
Decentralized Autonomous Organizationの略で、分散型自立組織を意味します。DAOは、ブロックチェーン技術を使用して作られた組織で、一部または全体の決定権がトークンホルダー(メンバー)に分散されています。NFTの世界では、コミュニティの意志決定にDAOが使われることが多いです。
Discord(ディスコード)
ゲーマーやクリエイター向けのコミュニケーションツールで、テキスト、音声、ビデオチャット機能を提供しています。NFTのコミュニティでは、ディスコードを使用してユーザー間のコミュニケーションや情報共有が行われます。
DYOR(Do Your Own Research)
「Do Your Own Research」の略で、「自分で調査を行う」という意味です。NFTや仮想通貨の世界では、投資や購入の決定をする前に、自分自身で情報を調査・分析することが強く推奨されます。
DeFi(分散型金融)
「Decentralized Finance」の略で、ブロックチェーン技術を活用した新たな金融システムを指します。伝統的な銀行や金融機関を介さずに、個々が金融取引を行うことが可能です。NFTは、DeFiの一部として使用されることがあります。
ツリーバース(Treeverse)
仮想空間内でユーザーが土地を所有し、自由に開発することができるNFTベースのゲームです。所有した土地や建物はすべてNFTとして保有でき、他のプレーヤーと取引することも可能です。
トークン(Token)
特定の価値や権利を表現するデジタルアセットのことを指します。NFTは「Non-Fungible Token」の略で、一意の情報を持つトークンを意味します。NFTはアート作品、音楽、ゲームアイテム、不動産など、様々な形で表現されることが多いです。