「スマイル アフリカ プロジェクト」を支えてくれる全国の学校会員。今回は千葉市立大森小学校と、鹿児島県の離島にある徳之島町立井之川中学校で行われたシューズ回収レポートです。アフリカの子どもたちがおかれた現状を学び、そのことは自分たちの暮らしを見直すきっかけにもなったようです。
授業でアフリカの現状を学んだ児童や生徒たち。
「スマイル アフリカ プロジェクトが、よい学習の場になったと感じます」。プロジェクトの学校会員から、こんな声をいただいた。
千葉市立大森小学校は2013年からプロジェクトに参加し、これまでに計865足ものシューズを寄贈してくれている。回収にあたり、まずはアフリカでのプロジェクト活動をまとめた映像資料を授業で観賞し、意見を交換しながらアフリカの現状を学び、環境問題に取り組んできた。アフリカでは拙悪な環境のもと、裸足の生活を余儀なくされている子どももいることを知らされ、児童は驚き、さまざまな思いを巡らせるという。
担当教員は、「児童にとって、自分たちの生活を見直すいいきっかけになっています。自分たちはいかに恵まれた生活を送っているのか、物を大切にすることにどんな意味があるのか、そのことに気づいてくれたと思います」と話す。
授業を受けた3年生が書いた感想文から、いくつかの声を紹介したい。
「日本の小学校ではくつをはいているから、石があっても、走ったり遊んだりしても痛くありません」「くつをはくことや、ほかにもあたり前に生活していることがとても幸せなんだと思いました」
さらに、自分たちの今の暮らし方を見直し、考えてくれた。「私たちに今すぐできるのは、物を大切にすることだと思います」。
そして多くの児童がこれからもプロジェクトに協力し、「アフリカの子どもの笑顏が見たい」と書いてくれていた。
こんなに役立つなんて、知らなかった。
鹿児島県の離島にある全校生徒27名の徳之島町立井之川中学校からも、プロジェクトをとおした環境授業の成果が届けられた。
生徒会を中心に、プロジェクトへの参加を呼びかけるポスターとそれを貼ったシューズ回収箱をつくり、昨年5月から12月までの月1回、回収の呼びかけを重ねた。
授業では映像資料で知ったことをもとに、グループごとのディスカッションをし、その結果を発表し合った。そして、アフリカへの子どもたちに心を寄せ、生徒たちはこんな感想を書いてくれた。
「今の僕にはどうすることもできないが、せめてアフリカの人たちのために、募金や靴の寄付をしたい」「靴をはかないことで足にケガを負って、そこから感染し、死んでしまうこともあると聞き、心が痛くなりました。私たちの靴でケガに苦しんでほしくないと思いました」
また、プロジェクトの意義やその成果について書いてくれた生徒もいて心強い。
「使わなくなった靴を届けるという取り組みはとても素晴らしくて、優しいなと思いました」「ふだん履いている靴が、こんなに役立つなんて知らなかった」
彼らが学習したことは、将来の日本とアフリカの友好の絆へとつながっていくと信じて疑わない。