ぶらぶら歴史さんぽ@東京(0001)
正月松の内以外にも通年で七福神めぐりが楽しめます。約6kmの歴史お散歩コースを紹介します。
概要
東京都内に数多くある七福神巡りのうちのひとつ。1月1日~7日の正月松の内以外でも年間を通して御朱印の授与が受けられるのが特徴。新宿駅から神楽坂までの約6km。
ウォーキングコース
JR「新宿」駅から太宗寺へ
JR「新宿」駅からスタートです。まず東南口広場にある新宿観光案内所に立ち寄ります。こちらに「新宿山ノ手七福神」のガイドマップが備置されていますので入手します。案内所には新宿だけでなく東京各所の観光パンフレットなどが置かれています。英語などの外国語パンフレットも充実しています。
あらためて「新宿山ノ手七福神」めぐりに出発します。甲州街道を東へ進み、東京メトロ丸の内線「新宿御苑前」駅の交差点で左手に曲がります。すこし歩くと表通りから一区画奥まったところに最初の七福神・布袋様が祀られている太宗寺がありました。
広い境内には江戸六地蔵のひとつである「銅造地蔵菩薩坐像」(全高3メートル)もありなかなか立派で見応えがあります。太宗寺は江戸時代の創建で内藤新宿の発展とともに厚く崇められてきました。そのため由緒ある仏像などが今でもいくつも残されています。“塩かけ地蔵”や閻魔大王像もなかなか興味深い。
稲荷鬼王神社から抜弁天交差点
太宗寺を出て南へ。東京メトロ「東新宿」駅そばの交差点を左に曲がると「稲荷鬼王神社」があります。こちらでは恵比寿様が祀られています。鬼の名が付く全国的にも珍しい神社だそうで、節分のときはこちらでは「福は内。鬼は内」と呼びかけるのだそうです。すぐそばが繁華街とは思えない静かな雰囲気が印象的でした。
稲荷鬼王神社からは職安通りを東に進みます。ゆるい傾斜を上がっていくと抜弁天交差点です。ここに3つの七福神が固まって座していらっしゃいます。
まず弁財天様を祀られている厳島神社へ。交差点際にありますが、弁天様だけあって水に親しく、域内には小さな池があり錦鯉が泳いでいました。いまは小さな祠があるだけです。しかし歴史的には源義家が後三年の役で奥州平定に向かう途中でここで戦勝祈願をしたとも伝えられています。
厳島神社とは交差点を挟んで西側にあるのが法善寺です。表通りからすこし奥に入ると新宿にもあるの? と疑うほどの住宅街。ふと目をやると銭湯の看板も見えます。住宅街のなかに溶け込むように法善寺があります。こちらに祀られているのが寿老人様。さらに抜弁天交差点の北側にあるのが、福禄寿様を祀る永福寺になります。
団子坂から神楽坂へ
抜弁天交差点から東へ向かいます。職安通りは抜弁天通りと名を変えます。新宿といいますと地形的にはべったりと平坦なイメージがありますが、それは繁華街の中心部。そこからすこし離れると意外に高低差があることに気づかされます。緩やかに団子坂を登っていくと大久保通りへ合流します。
都営地下鉄大江戸線「牛込柳町」駅そばにあるのが経王寺。大黒天様が祀られています。何度も火災から難を逃れたことから「火防せの大黒」と称されているそうです。さらに東へ進むと新宿区箪笥町。このような由緒ある地名が残されているところが嬉しく感じます。
大久保通りはやがて神楽坂通りに合流します。神楽坂を飯田橋の方へ下り右手に出てくるのが、最後の七福神・毘沙門天様を祀る善國寺です。朱塗りの門や拝殿ははなやかなで目にまぶしい。もともと神楽坂一帯はこの善國寺の門前町として発展したそうです。まさにここが神楽坂の中心地。
「新宿山ノ手七福神」めぐりは、新宿の多様な顔を知り楽しむことができる格好の散歩コースだなーと感じました。一大繁華街としての有名な表の顔があり、奥に入れば住人達の匂いが感じられる平穏な住宅街としての一面もあります。また古い町名など江戸時代の歴史を知ることができるところもあります。新宿の普段はあまりなじみのない深い歴史と生活の営みを感じ取ることができました。
行程表
※標準的タイムによる目安(拝観時間や休憩は除く)
JR「新宿」駅→ 新宿観光案内所(3分)→ 太宗寺(15分)→ 稲荷鬼王神社(20分)→ 厳島神社(15分)→ 法善寺(5分)→ 永福寺(5分)→ 経王寺(15分)→ 善國寺(20分)
コースタイム/ 1時間40分程度
アクセス
●往路
JR「新宿」駅から新宿観光案内所まで徒歩約3分
●帰路
善國寺からJR「飯田橋」駅まで徒歩約5分
コースマップ
新宿観光振興協会よりコースマップが提供されています。
リンク先: 「新宿山ノ手七福神めぐり」 (新宿観光振興協会)